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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2024年3月の記事一覧

春になりたい

春になりたい

*いや、もうすっかり春じゃないですか。春ですよ、春。おーーーいっ!まだ冬眠してる動物たち、おきろーーーっ!春だ、春がきたぞーーーーっ!て起こしに行く役割の動物とかっているのかなぁ。あれ、そもそも動物の冬眠ってどんなシステムでむくっと起きるんですかね。温度が何度以上になったら目が覚める、なんて感度の良いシステムが遺伝子にはもう搭載されてるってのか?

冬はいずこに、すっかりまちは春の陽気で包まれた。

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本の効用

本の効用

*一冊の本は、平均にして約10万字というおびただしいほどの文字数から構成されているそうだ。もちろん小説やエッセイ、研究書とかジャンルによって違うのだろうけれど、10万字ですよ、10万字。原稿用紙2枚の読書感想文を書くのにすらあれだけ手こずっていたのに、その120倍近くありますから。10万字の文字が、自分に一気にうわーっと襲いかかってきたと思ったら、こわいですよね。文字の大群。

人間は1分間で約3

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タバコ談義

タバコ談義

*数年前に「喫煙」に関する法律が厳しくなって、ほとんどの飲食店では入り口に「喫煙・禁煙」のステッカーが貼られるようになった。当たり前だが、禁煙の場合はタバコが吸えない。喫煙の場合は、未成年者はその店には入れない決まりになっているらしい。喫煙と書いているのに電子タバコだけというお店も多いし、喫煙ブースという形で対応しているお店もたくさんある。

僕は根っからの喫煙者なので、バカスカ吸うわけです。で、

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心理的安全性について

心理的安全性について

*「心理的安全性」ということについて、昨日の帰り道にぽつぽつと考えていた。漢字が5文字以上つづいてしまうと「ウッ」となってしまう体質ではあるが、まあ言いたいことは分かる。心理的に、その場が安全であるということだ。常識の範囲内で、自分が何を言っても、どう振る舞っても安心がある、つまりそのように振る舞えるということが、この言葉の持つ意味なのだろう、と。

きっかけは家の前の壁に貼られた「ここで小便する

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ドブから見る星

ドブから見る星

*仕事をしていて、ふっと我に帰るように、話している人と一線を引いてしまう瞬間がある。それはもう潮干狩りができるかのように、スッと一線を引いてしまう。そのスイッチが入る瞬間も、最近は自覚的になった。そのほとんどが綺麗事で、きれいな言葉で、何かをまとめようとしている瞬間だと気付いた。ぼくはその瞬間に、それらにまとめきられない経験や人を思い出しては、スッと引いてしまうのだ。

僕もすべてを知っているわけ

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橋を強くする工事を行なっています

橋を強くする工事を行なっています

*きのう、川沿いを歩いてたら、おもしろい看板を見つけてね。工事中の看板なんですけど、「橋を強くする工事を行なっています」と書かれていたんですよ。その下に期間や責任者など色々書いてある、ちゃんとした公式の看板なのに、メインは「橋を強くする工事」ですよ。めちゃくちゃ分かりやすいけど、何やってんのかわっかんないなぁと、思わず立ち止まってしまった。

この「橋を強くする工事」みたいな日本語の使われ方は、け

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サービスと方便

サービスと方便

*昨日、知り合いに誘われてボードゲームのコミケのようなイベントのおじゃましてきたんです。有名な会社から、いわゆる同人販売みたいなものまでたくさんのブースが並んでいたんだけれど、いろんなゲームがあっておもしろかった。というより、いろんなことを考える人がいるもんだなぁ、と思う。ぼくも根っからの遊び人なので、正直ゲームの要素としては負けていないんじゃないか!?とか思いつつ。そこに僕のブースがない時点で負

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どうしても羨ましい生き方

どうしても羨ましい生き方

*人生に疲れたら、NHKの『ドキュメンタリー72時間』という番組をよく観る。人ではなく、場所に72時間密着したドキュメンタリーだ。定点観測でその場所で生まれている物語を追っかけることなく映し出す。この番組のために、NHKオンデマンドに月1000円近く払っていると言っていい。行ったことのない土地の、行ったことのない場所にある、会ったこともない誰かの人生を垣間見ては、なぜか猛烈に癒される何かがあるのだ

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世の中の仕事はぜんぶサービス業である

世の中の仕事はぜんぶサービス業である

*飲食店とかでさ、たまに「この人、向いてないなぁ」って思う人いるじゃないですか。前のめりに愛想がわるかったり、ドン!と飲み物を置いたり、ギャグみたいに親指がスープに入っていたりとかさ。サービス業に向いてないなぁ、ってお客さん側が思っちゃう人って、じつは一定数いますよね。その人たちは自覚的なのか、それとも気付いてないのかなぁ。

そう思った矢先、よく考えたら、この世の仕事は突き詰めればすべて「サービ

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お前が気にしてるのは人の顔色じゃねえよ

お前が気にしてるのは人の顔色じゃねえよ

*人にガッカリされることに慣れてしまっている。これは良くないことだ、と思う。こうして被害者ヅラをしているが、もちろんガッカリすることもある。されることもある。それなりに生きていると、ガッカリされた瞬間もわかるようになってくる。「あ、今」と栞を挟めるレベルで分かる。でもたぶん、僕が理解している以上にガッカリされているのだろうけれど。

先日、手伝っている会社にインターンに来ていた若い子に「話したいで

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実力よりも礼儀だ

実力よりも礼儀だ

*いまお手伝いしている会社の後輩から「烈さんみたいな先輩になりたいんです!どうやったらなれるんですか?」という有難くもざっくばらんな質問をいただいた。その言葉自体は嬉しかったが、返答には困ってしまった。それを見かねた後輩が「どうやって先輩術・上司術みたいなものを身につけたんですか?」と助け舟をくれる。

ぼくはずっとフリーランスでやってきたので、組織に所属した経験は皆無だ。つまり、クライアントとい

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現代のデバフ「花粉症」

現代のデバフ「花粉症」

*花粉症がひどい。というのは、これを読んでいるあなたもそうかもしれないし、仮にそうじゃなかったとしても、あなたの周りの数人がすでに口酸っぱく言っていることだろう。しかし、あえて言わせてほしい。本当に花粉症というのは、つらいのだ。同じ花粉症である人間とは痛みを分け合わないと気が済まないし、花粉症でない人間には八つ当たりをしたくなるほどつらいものなのだ。どうかゆるしてくれ、花粉症予備軍の皆様。

そん

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ネーミングという遊び

ネーミングという遊び

*この前、八百屋に行ったらおもしろい名前のサツマイモがあってね。サツマイモといえば「紅はるか」とか「甘太くん」とか「紅むらさき」とかね、いろんな名前がついているじゃない。その日、八百屋に並んでいたサツマイモもよかったよ、その名も「紅まさり」。他の「紅」系列にまさろうとしている感じが、よくってねえ。おもしろいネーミングだなぁとは思ったものの、サツマイモを使う予定はなかったので手は伸ばさなかったんだけ

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人間の動力源

人間の動力源

*人間観察、というほど大層なものではないんだけれど、カフェで仕事をしながら、電車に乗りながら、待ち時間に町行く人を見ながら、たびたび思うのが「動力源」のことだ。そーゆーシーンを見かけると、この人の動力源というか、今充電してるんだなぁとか、チャージしてるなぁとか思うことがある。

例えば、喫煙所だ。喫煙所にはもちろん、タバコを吸いに人々が集うのだけれど、意外にタバコを真剣に吸っている人は少ない。一緒

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