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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2024年2月の記事一覧

いつかどこかで終わるのだ

いつかどこかで終わるのだ

*福岡の中心地が去年より軒並み再開発されていることを、福岡出身のデザイナーから教えてもらった。その中には僕が知っている場所もあり、有名な場所も含まれていて、それらがすべてあっけなく取り壊され、外資系のホテルが建つのだという。しかもそのプロジェクトのロゴがクソダサい。クソをつけたくなるくらいダサい。「福岡のデザイナーやクリエイターたちは軒並みショックで、街を離れようかなと思う人もいるくらいです」とそ

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わたしのストレス解消法

わたしのストレス解消法

*さいきん、あらゆる人の「ストレス解消法」に興味がある。疲れの取り方、といっても良いんだけれど、それだと正直、ただ食って寝るが一番になってしまうのでね。でも貪るように食べて、泥のように眠っても取れないものってあるじゃないですか。あの、油汚れみたいなやつがさ。そういうのの落とし方って、みんなそれぞれ違うだろうしどうやってんだろなぁ、と思ってね。

例えば飲食店勤務の友人は、それはもう夜中にひたすら線

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チープな陳腐

チープな陳腐

*語感と意味が似ている言葉ってほんとうに多いよなぁ。この前は文章の中で「陳腐」ということばを使いたくなって、陳腐ってどういう意味だっけとぼーっと考えていたら、そのちょうど隣に「チープ」という単語が浮かんだ。陳腐とチープ。どちらも意味合いで言えば似たようなものだ。しかも語感も似ているとくるんだから、偶然にしてはよくできている。

他にも、いつか友人と話していて出たのが「マネキン」と「招き猫」だ。こと

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銀河鉄道につながるバス

銀河鉄道につながるバス

*さいきん、仕事の都合で週に一度バスに乗っている。昔から乗り物酔いがひどく、中でもバスが一番苦手だった。あの大回りするような感覚と独特な匂いに乗った瞬間から酔ってしまう。しかし慣れというものはすごいもので、歳をとった今はほとんど酔うことがなくなった。なんなら、ちょっとバス移動が好きになりつつさえある。

先日、バスに乗っていたら後ろの席で小さな女の子が「月まで歩いていくと何年かかるでしょう?」とク

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その人に”なる”才能

その人に”なる”才能

*きのう見に行った展示がおもしろくて、手で顔を隠してあるモノクロの写真展だった。その背景やたどり着いたまでの経緯も含めておもしろくて、写真家の女性は、被写体の顔を見て撮るのがどうしても恥ずかしくて、写真家生活30年の間ずっと人を撮ることはなかったそうだ。しかしあるとき、「顔を隠せば撮れるのでは?」と思いつき、被写体に手で顔を隠してもらって撮るようにしたら撮れるようになったと。その結晶が今回の写真展

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10年間、同じ美容室に通い続けている

10年間、同じ美容室に通い続けている

*もう10年近く、同じ美容室に通い続けている。18歳までは坊主だったので、それ以降、当時住んでいたところの近くの美容室に今でも通い続けている。今では電車で1時間近くかかる。とくにその美容室は有名なわけでも、特段カットが上手いわけでもない。というか他に行ったことがないので上手いのか下手なのかすら測りようがない。ただ新しいところを探すのが面倒で、かつどこか浮気をしているような気分になるので、仕方なく通

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朗読っていいな

朗読っていいな

*定期的に聞いている、イラストレーターのたなかみさきさんのラジオでふと流れた曲にしびれて、しばらく動けなくなってしまった。なんだこの曲は、この人たちは、と思いすぐさま検索窓に打ち込む。ふむふむ、「毛布留学」という三人組なのか。他の曲も聞いてみよう。まだ二曲しかアップされてないようだが、もうひとつの曲もすごく良かった。最初に聞いた「Blooming」という曲を、ここ三日ほど永遠に聴き続けている。

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大人になるっていいね

大人になるっていいね

この前、友人と話しながらお互い酔っ払って「おれら、ぜってー学生の頃会ってたら友達になってなかったよなー」なんて言い合っていた。それは本当にそうだと思った。小学校だろうが中学だろうが高校だろうが、なんなら大学生でも、僕は彼と友達になっていなかったと思う。彼も僕と友達になろうなんて思わなかっただろう。

大人になると、そーゆーことがたびたびあるから不思議だ。大人になってからできた友達のほうがほとんどだ

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ことわざアップデート

ことわざアップデート

*さいきん、気の置けない友人と飲みながらよくやっている遊びがある。それが「ことわざアップデート」というものだ。これがね、なかなかおもしろいんですよ。大喜利でもあり、共感づくりでもあり、いろんな方面で何の役にも立たなそうな遊びなんです。

事の発端はなんだったっけかなぁ。友人と「ことわざって言い回しが古いよね」みたいな話をしてたんだっけかなぁ。とにかくことわざについて何らかの話をしていて「河童の川流

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弾け飛んだ親子丼

弾け飛んだ親子丼

*少し前、お世話になっているオッサンの誕生日で、共通の友人である、僕も大好きなお芝居ユニットの演出のお手伝いをさせてもらった。といっても、当日ちょっとしたリハで合わせただけなので、その程度のものなのだけれど、音響と照明を軽く担当した。といっても、最後のいっちばん良いシーンで、照明の色まちがえちゃったんだけど。すみません、芝居紳士のお二方。でも貴重な体験をありがとうございますです。

事前に台本を渡

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発散するな、霧散せよ

発散するな、霧散せよ

*ここ最近けっこーバタバタしておりほとんど記憶がない。今週もそれなりに忙しく、ドタバタしているうちに終わってしまった。師走、とは二月のことなんではないか。駆け抜けていくうちに日々が終わってしまう、これはもったいないよーな気がしてならない。仕事がわんこそばのように次から次へとやってくる。そのわりに財布はぜんぜん満腹にならない。いつまで続くのだろう、このわんこそば仕事は。

そしてその反動で身体と心に

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仕事は共犯者づくり

仕事は共犯者づくり

*今まではずっと文章を書く仕事ばかりやってきたので、何かを考えるときは自分一人で考えることがほとんどだった。もちろんアイデア出しの時間や、切り口の相談などはあったりしたが、それでも最終考えるのは自分ひとりで、そのアイデアや成果物について評価をもらう、という仕事だったからだ。いや、そういう仕事だと思っていたからだ。

最近、お手伝いしている会社ではプロジェクトのマネジメント(堅い…硬い…)も担当して

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本当は絵描きになりたかった

本当は絵描きになりたかった

*本当は絵描きになりたかった。美術の成績は5段階で「2」だった。デッサンの授業で先生から「キミは絵は下手だけどこの角度だけはいいね。上手い人が見つける角度だよ」と言われたことがある。その席はクラスのマドンナ石川さんに「アイツの隣ヤだから代わってよ」と言われ渋々代わった席だった。文章を書く仕事もそんな感じで始まった気がする。なんなら成績も5段階で2な気がする。ただあの頃と違うのは、まだ筆を置いてない

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用意したものは残らない

用意したものは残らない

*ある就労施設での講演が終わった。昨日も書いた通り、テーマは「日記を書こう」の一点張りでした。とくに伝えたいこともないし、伝えられることもなかったし、テーマもなんでもいいすよと言われていたので、このテーマがよかった。日記の効用については、自分にとって目隠しをしてでも喋れるテーマでもあったからだ。

約1時間と少しのあいだ、スライドも用意していたけれど、ざっくばらんにその場で話したいことを話していた

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