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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2023年7月の記事一覧

大人の自由研究企画。

大人の自由研究企画。

*夏休みといえば、「読書感想文」と「自由研究」である。海や、プールや、山や、キャンプファイヤーや、そうめんよりも誰が何と言おうと「読書感想文」と「自由研究」である。夏休みの宿題、二台巨頭。幼き頃のぼくらのサマーウォーズは、読書感想文と自由研究であった。

ぼくは、この2つがとんでもなく苦手で、ちゃんと取り組んだ覚えがこれっぽっちもない。読書感想文のほうはたいてい、課題図書のようなものを図書館で借り

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ありがとうの在庫。

ありがとうの在庫。

*じつのところ、感謝には、在庫があるんじゃないかと思う。無限に湧き出てくるものではない。何もしていないしされていないのに、感謝できることなんてほとんどない。そう思えば、ひとりでは感謝もなにもないんだね。誰かと生きるからこそ、生まれる感情だ。それを言っちゃあ、ほとんどそうなんだけどさ。

そうだ、感謝も、元気も、怒りも悲しみも、無尽蔵に湧いてくるわけではない。たぶんだけれど、在庫があるのだ。人から「

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朱に交われば、なんとやら。

朱に交われば、なんとやら。

*そうだ、「朱に交われば赤くなる」のだ。逆に言えば、朱に交わられれば赤くなっちまうのだ。どうして逆に言ったかは、知らん。

環境が人を作るとはよく言うけれど、これも「朱に交われば赤くなる」の典型的な例だよね。強豪校に進んだ高校球児と、部活に力を入れていない高校に進んだ球児とじゃ、いろんなことが変わってきそうだ。全員のレベルが高いからこそ、強豪や名門と呼ばれるところは、そう呼ばれ続けるわけだもんね。

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人の悪口を言わない。(何回目)

人の悪口を言わない。(何回目)

*よく飲みにいく立ち飲み屋でで、たまたま知人が先に飲んでいた。彼はぼくが着くなり、開口一番に共通の知り合いの悪口を語り始めた。ぼくはそれに驚いてしまって、話を遮ることを忘れ、その悪口を聞かされてしまう。10分ぐらい聞き流していたところで、どうにも気分が悪くなり、なかば強引に話題を切り替えた。

その共通の知人のことは、別に好きでも嫌いでもない。悪口を言ってきた知人と同じく、ただの知人でしかない。た

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熱いと冷たい、両方欲しい。

熱いと冷たい、両方欲しい。

*ぼくは「食」に関して、少し変わったこだわりを持っているらしい。わりと万人に通ずる感覚だと思っていたのだが、友人たちに話してみると「変わってるね」とその場にいる全員が口にした。その中のひとり、「目玉焼きに味噌をつける」という料理のさしすせそをバグらせたような友人にだけは言われたくなかった。なんやねん、目玉焼きに味噌て。ちょっと美味そうやないか。

ぼくの変わった食癖、それは「冷たいもの」と「温かい

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ひとりじゃ、やさしくもなれない。

ひとりじゃ、やさしくもなれない。

*「やさしさ」って現象や気持ちは、誰かがいてこそなんだね。人がどれだけ「やさしくしたい」とか「やさしくなりたい」と思っても、その相手がいないと、なにも始まらないんだ。電車で席をゆずるにも、席がなくて立っている人がいる。泣いている誰かにハンカチを手渡そうにも、泣いている誰かを必要とする。やさしさは、そうありたい自分だけでなく、相手を必要としてはじめて、生まれるものだ。

そういう意味では「やさしさを

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こぼれ落ちた二週間

こぼれ落ちた二週間

*昨日は、いつもと違う喫茶店に昼前に行った。ちょうどおじさん三人組が出ようとしているところで、入り口の前で少し待つ。おじさんの三人組というのは、いつも不思議な距離を感じる。どこからどうなって結成された三人組なのだろうか。これが二人なら一対一で予定を合わせれば済むけれど、三人となると「集まろう」と誰かが声をかけなければ集まらない。いつ出会った友達なんだろうか。最近か、それとも学生時代からの仲だろうか

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あるに決まっている、と思い込んでるもの。

あるに決まっている、と思い込んでるもの。

*我が家の飲み水は、2Lペットボトルがその役割を果たしている。夏になると冷蔵庫に常備しているのだが、先日、冷蔵庫をひらくと、水が見当たらなかった。あれ?まだまだあると思っていたのに、ない。しかたなく水道水をコップに入れて飲んだが、ぼくはあのカルキ臭さがどうしても苦手で、2杯目は飲みたくなくなってしまう。暑い中、汗を流して水を買いに行くのは、なかなかきびしいところがある。

あると思っていたはずのも

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みんながみんな、魔王を倒さなくていい。

みんながみんな、魔王を倒さなくていい。

*もし、野球のオールスターチームがリーグに存在したら、そのチームは優勝するだろうか?と考えてみる。侍ジャパンが、サッカーの日本代表が、リーグ内に存在していたら。もちろんやってみないと分からないけれど、そりゃ優勝するんじゃない?って思っちゃうよね。だって、選りすぐった各チームの中でもさらに選りすぐりのメンバーを集めた、ドリームチームなんだから。

じゃあ、もし、各チームの四番バッターばかりを集めた野

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おすそわけ。

おすそわけ。

*ぼくは「おすそわけ」という考えが好きだ。人の感情の交換や、人がつくる作品はほとんど、おすそわけでできているようなもんだな、と少し強引な考え方だがそう思う。おすそわけって、余っているものを分けるんだよね。余っていないものを分けることもできるが、それだと自分に足りなくなってしまう。その状態が続くと、どこか自己犠牲めいた感覚も出てきてしまう。溢れた、余ったぶんを分けること、それがぼくにとっては「おすそ

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夏はやっぱり「冷や汁」です。

夏はやっぱり「冷や汁」です。

*夏はやっぱり「冷や汁」だなぁ。冷や汁の季節だ。ぼくはこの「冷や汁」という料理を、21歳の頃、熊本で震災支援をしていたときに教えてもらった。全国各地からボランティアの方がたくさん集まってくるので、ご飯の時間には、それぞれの地域の郷土料理を振る舞ってくれたりしたことをおぼえている。ドイツかどこかの料理で、小粒のじゃがいもを素揚げして照り焼きにしたものや、芋煮なんかも、その時期に食べたっけなぁ。

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世界は「その他」でできている。

世界は「その他」でできている。

*世界は、あっとーてきに「その他」の方が多いのだ。世界は、その他でできている。そう言ってもいいほど、自分の知っているものや手にしているものは、すくない。一歩外に出れば、世界はその他だらけである。

自分が見えている世界より、見えていない「その他」のほうがよっぽど多い。自分が知っていることより、まだ知らない、これから知ることもない「その他」のほうが果てしないくらい多い。広い広い世界の中で、自分がどれ

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チームの作り方、一歩目編。

チームの作り方、一歩目編。

*サッカー漫画の知識で申し訳ないのですが、読んでいて「なるほどなぁ」と思ったことがあります。常に流動して、時間が止まることのないサッカーというスポーツの中では、いかに選手同士のビジョンを共有したり、つどつど戦い方やゴールまでのアイデアを伝えあったりすることが大事なんだそうで。ぼくは野球をやっていたから、タイムが取れたり、ベンチにいる間に「次の打者は〜」って話ができるけど、サッカーみたいに止まらない

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無関係な人との信頼関係。

無関係な人との信頼関係。

*ぼくはたいてい、飲みに出かけるときはひとりだ。といっても、馴染みの店に行くことが多いので、先々で知り合いに会って話したりすることはままある。しかしその知り合いとも「飲み屋以外」で会うことのない知り合いで、そのとき、その場所だけでの関係性で、世間話や込み入った話をしたりする。けっこう、そんな時間と距離感が好きなんだね。

ぼくは正直、自分の日常と繋がっていなかったり、ある程度の距離感があったりする

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