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みんながみんな、魔王を倒さなくていい。

*もし、野球のオールスターチームがリーグに存在したら、そのチームは優勝するだろうか?と考えてみる。侍ジャパンが、サッカーの日本代表が、リーグ内に存在していたら。もちろんやってみないと分からないけれど、そりゃ優勝するんじゃない?って思っちゃうよね。だって、選りすぐった各チームの中でもさらに選りすぐりのメンバーを集めた、ドリームチームなんだから。

じゃあ、もし、各チームの四番バッターばかりを集めた野球チームがリーグ内に存在したとしたら、そのチームは優勝するのだろうか?名ストライカーばかりのチームが集まったサッカーチームなら?全員が点取り屋のパスケチームは?絶対にスクラムで負けない、ゴツゴツの人ばかりのラグビーチームはどうだろう?こちらもやってみないと分からないけれど、さっきの「もし」よりは、うーん難しいんじゃないかな、と直感的に思いません?実際にあったとしても、実は上位ですらないかもしれないな、とすら思っちゃう。

バランスが大事だ、といえば一言ですが、そのことを僕たちはなんとなく分かっているんですよね。優秀なデザイナーばかり集めて、一流のデザインができるかと言われたら、そうじゃない気もする。デザインの知識は乏しいかもしれないが、クライアントの要望をちゃんと聞き出す営業マン。技術はないが、先見の明があるディレクター。現場のことは詳しくないけれど、利益や数字をちゃんと見えてる経営者。それらが集まって、ひとつのチームとして機能するわけですよね。全員ストライカーのチームじゃ、点を取りまくっても、点を取られまくる可能性もおおきいわけで。

おしゃべりな人ばかりが集まった飲み会って、おもしろいかもしれないけれど、場の空気としては最高だとは思えない。ちゃんと相手の話を上手に聞ける人がいて初めて、おもしろくなると思うんだよな。聞き方が上手だったり、質問がいいと、おしゃべりも乗ってきたりするし。それとおんなじようなことだと思うんですよ。

みんながみんな、点を取る必要はないし、おしゃべりが上手である必要もない。魔王を倒す必要もなければ、バットを振る必要もないわけで。人と人とを繋いだり、人を活かしたりする人がちゃんといて、みんなが活きる、というのが理想だよなぁ。理想だけれど、やっぱり、誰かを活かせることの方が、ぼくは大事だなと思ったりもする。


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