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大人の自由研究企画。

*夏休みといえば、「読書感想文」と「自由研究」である。海や、プールや、山や、キャンプファイヤーや、そうめんよりも誰が何と言おうと「読書感想文」と「自由研究」である。夏休みの宿題、二台巨頭。幼き頃のぼくらのサマーウォーズは、読書感想文と自由研究であった。

ぼくは、この2つがとんでもなく苦手で、ちゃんと取り組んだ覚えがこれっぽっちもない。読書感想文のほうはたいてい、課題図書のようなものを図書館で借りてくるか、家の本棚にあった本を適当に手に取り、あらすじをまとめたり、中間10~20ページだけ読んで、その部分の感想をあの手この手で引き延ばして書くことがほとんどだった。自由研究のほうは、三年生くらいにやったアサガオか何かの成長記録を、数字と写真を変えて、毎年提出していたっけ。あれだけ暇があるくせに、めんどうだったんだね。特に気になることも、読みたい本もあの頃にはなかった。

しかし、大人になった今、自由研究ってのは相当におもしろそうだ。自由に、研究していいのだ。気になることはたくさんあるが、調べて出てくる答えを並べるだけでは、自由研究にはならない。何か気になること、テーマを見つけて研究しなければならない。

例えば、「一ヶ月間、野菜しか食べない生活をしてみた記録」とかね。他にも「睡眠時間を10時間にした2週間と、5時間にした2週間のパフォーマンス」とか、自分自身を実験台にした研究の形はたくさん思いつくだろう。他にも「野球というスポーツは、どうやって生まれたか?」を考える記録なんかもおもしろそうだ。「300円以内で買えるもので、新しい遊びをつくる」なんて自由研究もおもしろそうじゃない?

ひとりにつき模造紙一枚が与えられて、そのなかで、自由研究を1か月かけてやってくる企画なんか、子どもも大人もおもしろいと思うんだけどなぁ。いつか自分がギャラリーをやったら、夏に必ずやりたい企画の1つである。大人になればなるほど、「自由」という海の広さを痛感する。その海の中で、何を見て、感じて、どこに向かって、どう泳ぐのか。そんな「大人の自由研究」って、本気で取り組めば取り組むほど、ぜーったいおもしろいと思うんだよなぁ。思えば、ヘンテコな大人たちは皆、そういうことをやっている気がするね。読書感想文はべつに、140字以内でいいかな、読みやすいし。


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