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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

明日は今日より突風かもしれない。

明日は今日より突風かもしれない。

*「うーん、これは明日やろっかな」なんて言って、今日できることを先延ばしにすることが多々ある。やる気が出ないとか、まだ〆切はたっぷりあるとか、言葉巧みに自分を釈明して、できることを先延ばしにする。それは「予定」ではなく、単なる先延ばしだね。せめて「予定」にするなら「何曜日にやる」と決めてしまおう。序盤にして、自分の耳が痛いけれど。

今日できることは今日やろう。それは使い尽くされ言い古された教えだ

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どんな仕事もカッコいい

どんな仕事もカッコいい

*どんな職業だからスゴいとか、めったに就けない職業だから素晴らしいだとか、専門的だから、倍率が高いから、お金をいっぱい稼げるから、そんなものはハッキリ言おう。ありまてん。ない、です。たった二十八年生きたぼくの、最大限の言い切りです。そんなものはありまてん。

落語家だからスゴいとか、芸能人だから、ホストだから、アイドルだから、そんなこたぁないよ。確かに専門的な技術が必要だったり、土日が関係なかった

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「憧れを超えた侍たち」

「憧れを超えた侍たち」

*「憧れを超えた侍たち」、ちょうど明日まで上映されている、今年のWBCのドキュメンタリー映画です。昨日観てきたのですが、これがよかったーっ。あのマンガのような奇跡の物語の舞台裏が、どんな雰囲気でどんなことがあったのか、撮影したカメラを通して知ることができます。

約一年ほど前から首脳陣が集まり、何度も重ねられる会議。どんな選手を呼ぶか、呼べるのか以前に、「どんなチームを作りたい?」といったところか

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社訓「身体を冷やしすぎてはいけない」

社訓「身体を冷やしすぎてはいけない」

*夏がやってきた。ジリジリと、気付けばからっきし暑くなっている。昨日は、クーラーを付けっばなしにしたまま寝ちまって、朝起きたら相当身体が冷えてしまっていたです。みんな、クーラーのつけっぱなしには気をつけようね。

夏の大敵は言わずもがな「猛暑」ですが、その大敵に隠れた伏兵に「冷え」というクセ者がおります。暑いからと半袖半パンで動こうもんなら、クーラーガンガンの部屋で、冷えて冷えて仕方なかったりね。

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今この場所でしか生まれない奇跡

今この場所でしか生まれない奇跡

*ぼくはけっこうな遊び好きで、友人と飲みながらオリジナルの遊びをやったり、発明したりする。「あいだゲーム」という、AとBの”あいだ”を挙げていくゲームは、中でも最高傑作だ。これについては、文章で説明するのが剣道、じゃなかったメンドウなので詳細は割愛します。もしぼくと会ったら、どんなゲームですか?と聞いてみてください。

それと同じくらいよくできたゲームが「連詩」という遊びだ。これは京都の飲食店の店

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「よくみる」こと。

「よくみる」こと。

*週に1本エッセイを書くようになって、今までの思い出を振り返る機会がものすごく増えた。もちろん、ふと頭に浮かぶこともあれば、捻り出そう絞り出そうと、引き出しという引き出しを開けまくることもある(もちろん、からっぽなことも)。そうこうしているうちに、まるで人生訓のように思ったこと。それが「よくみる」ということだ。

ちょうど昨日、小学生の頃に作った秘密基地のことを書いた。今となっては過去のことなので

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ダメだったら、また作ったらいいじゃんね

ダメだったら、また作ったらいいじゃんね

*あれは小学生の頃だったろうか。家から北に北に坂道を歩いて20分くらいしたところに、ちいさな山のような公園があった。ギリギリ野球ができそうなだだっ広い平地と、1周15分ほどのちょっとした登山コースがある公園だ。登山コースから少し外れたところに、防空壕のようなちいさな窪みがあった。誰が言い出したのか、「ひみつきちにしよう!」とそのちいさな洞穴を、友達4,5人と秘密基地として活用していたことがあった。

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心で悪魔を飼い慣らす

心で悪魔を飼い慣らす

*古いアニメや漫画でよく、頭の中で天使と悪魔が格闘し合っているシーンがある。道端に財布が落ちてて、どうする?って感じのやつね。悪魔が出てきて「ネコババしちゃえよ」ってささやくのに対して、天使が「そんなことはダメ!警察に持っていくべきよ」なんて言ってきたりして。あれって、どこから生まれたんだろうね?何で見たか覚えていないけれど、その例えは自分の中に確かにある。かといって、自分の頭や心のなかで、天使と

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SNSという露出。

SNSという露出。

*ぼくはよく、SNSのことを「自分のB面でいれる場所」と呼んできた。顔も声も名前すらも隠して、人と繋がれたり会話ができるSNSは、普段人に見せるのがはばかられるような側面をさらけ出せたり、自分と同じ興味や好きを持つ人を見つけるにはうってつけの世界だ。実際、ぼくもSNSでしか繋がっていないけれど、好きな人や尊敬している人もいる。もちろん、今はもうA面としての機能を果たしているインターネットだけれど、

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空気をいっちょう変えてみる

空気をいっちょう変えてみる

*自宅の僕の部屋は、夕方になると西陽がこうこうと差し込む。大きな窓にはカーテンをつけていなかったので、夕方ごろに帰宅すると、部屋がもうもう暑くなっていた。余談だが、今まで住んできた部屋はすべて、夏の空気が溜まりやすい。ま、安いからしょうがないんだけど。

窓を開けると、涼やかな風がひゅうっと舞い込んでくる。当たり前だけれど、空気ってのも鮮度があって、放ったらかしにしておくと、”古い”空気になる。古

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ゴッホやピカソの絵が、娘の絵にかなうはずない

ゴッホやピカソの絵が、娘の絵にかなうはずない

*昨日、ちいさな友達から手紙のような絵をもらいました。ぼくたちの絵本の展示にいつも来てくれる小学生で、たった二回の展示でしか会ったことがないのに、おぼえていてくれた。それだけでもうれしいのに、昨日のあるイベントでぼくもいることを聞きつけて、手紙のような絵を送ってくれました。それがもう、とんでもなく良い絵で、とんでもなくうれしかった。「ありがとう」ということばが自然に出るくらい、そして「ありがとう」

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口馴染みのないことば

口馴染みのないことば

*ふとした拍子に口を突いて出る言葉のなかで「うわっ、またやっちまったなぁ」と思う言葉がある。使いたくないのに、セミオートのように口が使っちゃうんだね。気をつけようと思っていても、たびたび出てしまう言葉っていくつかあるでしょう。ぼくにとってのそのひとつが「ツレ」という言葉です。「ツレと飲んでて」とか「ツレが来ます」とか言っちゃうあの「ツレ」ね。

元々は「お連れ様」から来ているんだろうけど、どこかエ

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「つよく」なりたいねぇ。

「つよく」なりたいねぇ。

*「つよさ」とはなんだろう。そんな何周目か分からないようなことを、またタラタラと考えています。というのも、「つよく」なろうとしている人を間近で見たから、それにあてられてるんだろうね。つよくなろうとしてる人は、やっぱりカッコいい。

人はどんなときに「つよくなりたい」と思うのだろう。「つよさ」を求めるのだろう。子どもの頃、つよくなりたいと思ったのはいつだったか。ああ、歳上の小学生にコツンとやられて、

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プロのお客さんになりたくて。

プロのお客さんになりたくて。

*褒めてもらうことがめっきり少ないぼくだが、先日、褒められて心から嬉しかったことばがあった。知り合いのバーのマスターが「れつくんはさ、プロのお客さんみたいなとこあるからね」と言ってくれたのだ。その場で飛び上がりたい気持ちを抑えて、ウヰスキーをくいっとやりながら「ありがとうございます」とだけ、つぶやいておいたぜ。

「プロのお客さん」は、ぼくにとって目指すべきところだ。役者やスポーツ選手、料理人、ギ

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