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口馴染みのないことば

*ふとした拍子に口を突いて出る言葉のなかで「うわっ、またやっちまったなぁ」と思う言葉がある。使いたくないのに、セミオートのように口が使っちゃうんだね。気をつけようと思っていても、たびたび出てしまう言葉っていくつかあるでしょう。ぼくにとってのそのひとつが「ツレ」という言葉です。「ツレと飲んでて」とか「ツレが来ます」とか言っちゃうあの「ツレ」ね。

元々は「お連れ様」から来ているんだろうけど、どこかエラそーな感じがして、あんまり使いたくないなぁと思う言葉だった。しかし、ふとした拍子に「ひとりですか?」と聞かれたりすると「ツレが来ます」なんて言ってしまう。「友人が来ます」とか「待ち合わせです」とかでいいのにね。文字数は少ないし言いやすいのは分かるんだけど、それでも「使いたくない」と思う言葉ってあるよね。言葉に罪はないんだけれど。

どうして「使いたくないなぁ」と思うかというと、その言葉に口馴染みがないからだ。自然に出る感じがないんだね。カッコつけて使ってみたり、それっぽいから言ってみたりしてるだけだから、感じている表現と、言葉がミスマッチしている。だから口の部分で「あれ?」と思って、自然に使えない。言えばそのうちに馴染んでくるよ、というのもあるだろうけど、本当に思っていない言葉を使うくらいなら、膨大な数ある言葉の中から、いちばん自分がしっくりくるものを探したい。

「マイメン」とか「マブダチ」とか、今ちょっと言ってみてください。きっと、それを普段から口にしていない人は、違和感をおぼえますよ。これとは逆に、口馴染みがないけれど使いたいことばもあるんだよなぁ。「おおきに」なんて、関西人のぼくでも使うのが恥ずかしいくらい、違和感がある。でも店を出る時に「おおきに」ってサラッと言ってる大人がカッコよくて、何度か試してみたんだけれど、いまだに慣れないんだよなぁ。こっちは早く、口が馴染んで欲しいものだ。

今日も読んでくれて、まいどおおきに。


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