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空気をいっちょう変えてみる

*自宅の僕の部屋は、夕方になると西陽がこうこうと差し込む。大きな窓にはカーテンをつけていなかったので、夕方ごろに帰宅すると、部屋がもうもう暑くなっていた。余談だが、今まで住んできた部屋はすべて、夏の空気が溜まりやすい。ま、安いからしょうがないんだけど。

窓を開けると、涼やかな風がひゅうっと舞い込んでくる。当たり前だけれど、空気ってのも鮮度があって、放ったらかしにしておくと、”古い”空気になる。古い空気は、目には見えないけれど、確かに感じる。

この「空気」ってやつは、何も酸素や窒素の話だけじゃなくて、いろんなところにあるよね。職場の空気、街の空気、あの人との空気感、チームの空気…雰囲気とはまた違った意味で「空気」ってものは確かにある。この”古い”空気ってのは、それらにも共通してあるね。組織の空気が、どこか新鮮味がないとか。

空気や水は、いつだって新鮮なわけではない。水を代えなければ次第に花は枯れていくだろうし、換気をしなければ空気だって少しずつ澱んでいく。この世のものは生まれ落ちた瞬間から、少しずつ汚れていくのだ。外に出ればケガして傷跡がついたりするし、ほうっておいてもホコリをかぶる。そのなかで、たまに磨いたり換気したりして、中古品として、より良くなっていくのだと思う。薄汚れただけのものを「アンティーク」と呼ばないように、ただただ年数が過ぎたり、ほうっておいて出来たものが「いい」ものではないのだ。

水を代えよう。たまには窓を開けて、空気を入れ替えてみよう。そうして次第に落ち着いていくものが、本当の「空気」ってやつだ。組織でも、部屋でも、自分自身でも。ちょっとした刺激(ストレス)を適度に与えながら、寝返りを打つようにときどきで心地いい方へ向く。ただただ時間が経って固まったものではなく、常に変わり続ける中で、変わらないようなものを、人は「価値」とか「風土」とか呼んだりして、褒めるんだろうね。


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