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あなたの未来にスポットライトを。

――もしかしたら、この先、思い悩み打ちひしがれそうになる瞬間はあるかもしれない。立ち止まって俯いて、塞ぎ込みたくなるようなシーンが訪れるかもしれない。そんなときにそっと寄り添うように、心を照らすものをつくりたい。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「あなたの未来にスポットライトを。」というテーマで話していこうと思います。


📚大切な演劇部の後輩と

昨夜、同じ中学高校だった後輩と会ってきました。中学時代、演劇部で一緒だった七星ななせです。

前にも記事で紹介したことがありましたが、今年の8月に偶然の再会を果たしました。僕の代の演劇部男子3人で呑んでいたところ、別の場所でひとつ下の後輩女子4人が会っているというミラクルが起こったんです。僕ら男子3人が高校卒業後に3人で呑むも初めてのことだったし、後輩たち4人が集まるのも初めてのことだったそうですから、久しぶりの再会が重なるという謎の奇跡が起きたんです。

後輩たち4人の集合写真が七星から送られてきて、「嘘でしょ……」と思わず声に出たことを思い出します。この偶然を無駄にしたくはないなと思い、「これから合流する?」と切り出しました。

最後に会ったのはいつだったんだろう、少なくとも4年以上ぶりの再会を果たすことができたんです。演劇部のプチ同窓会みたいな会になり、みんなで青春への帰り道を辿り、思い出話に花を咲かせました。



七星は、僕がずっと会いたかった人、ずっと感謝を伝えたかった人です。

詳しくは割愛しますが、陰に日向に演劇部を支えてくれたし、僕が落ち込んでいたときにそっと寄り添うように声をかけてくれた人でした。感謝を込めた詩をつくって、贈ったら、「曲にします!」と言ってくれたり、事あるごとに手紙を書いてくれたり……僕の青春時代を語る上で避けては通れない人です。

大学生になってからも年賀状のやり取りは続いていたし、Instagramのアカウントを見つけてからはたまに連絡を取っていたんですが、僕の今の拠点が茨城で、向こうは変わらず東京ですから、なかなかタイミングが合わず会えていなかったんですね。

そんな背景があったから、七星と再会できて本当に嬉しかったことを思い出します。待ち合わせ場所で彼女を目にするやいなや「やっと会えた!」と思わず叫んじゃったくらい(笑)
#ただの酔っ払い

改めて、今度サシでゆっくりと話したいなと思ってきて、この1週間、僕が東京にいたので、お誘いしてみたというわけです。お邪魔したのは、東京王子にある「北斗」という店。母親が昔よく行っていた店らしく、少し前に僕にも紹介してくれました。

リーズナブルだし、料理もステキだし、何よりも「北斗」の看板の横に七星に立ってもらって「北斗七星」の写真を撮るというネタを実行したかったので、この店を選んだのです(笑)




📚笑顔にしたかった日々

いろんな話をしました。

昔のこと、最近のこと、未来のこと。伝えたいことがたくさんあったし、話していくうちに思い出す記憶もたくさんありました。

いちばん盛り上がったのはやっぱり共通項である演劇部の話で、好きな演目の魅力について語ったり、今だから話せることを打ち明けたりしました。

僕も七星も、2016年の新入生歓迎公演でやった『最上さんは笑わない』という演目が好きなんです。僕が中3、彼女が中2のときのこと。僕らふたりでヒーロー、ヒロインを務めていたから若干補正がかかっているかもしれないんですが、それを抜きにしても魅力的な作品です。

笑ったところを誰も見たことがないと噂される最上さんに恋をしてしまった利根くんが、最上さんを笑わせるために奔走するという物語です。途中で、利根くんとその親友の四万十くんが漫才をやるんですけど、その漫才がやけにウケたことを今でも覚えています。



「漫才師は漫才がウケたときの快感を知っているからクスリをやらない」といった言葉を聞いたことがあります。それの意味が分かったといいますか、自分が働きかけたことで誰かの笑顔をつくることができているってなんて心地良くて、幸せなことなんだろうと思ったものです。

自分の作品で誰かの心を動かせたことに気付けたときが、僕にとっての至福の瞬間なんですね。本質がそれだから形にはこだわっていなくて、人を感動できるんだったら、小説でも、音楽でも、演劇でも、漫才でもいいんです。

あの頃は気付けていなかったけれど、最上さんを笑わせたかった利根くんのように、誰かの心を動かして笑顔にしたり、涙をつくったりすることに今でも興味を持っているのは、演劇部の頃にその源流がある気がしました。


📚あなたの未来にスポットライトを

別の僕は七星のことを全て分かっているつもりではなかったけれど、七星が初めて語る自分のことを聴いて、「そんな一面があるんだ」とか「でもそれはあの頃の性格にも通じているな」とか「さっきも似たようなことを大切にしている様子だったから、それが七星の軸なのか」とか、思案が巡りました。

七星は高校時代、サッカー部のマネージャーをしていたんですが、先輩の引退の折に、先輩ひとりひとりに向けて自作のアルバムを渡したらしいんです。自分で写真を印刷して切り貼りしてつくられたアルバム。全部合わせて2000枚くらい印刷したっていうから、そこまで時間と労力を割けることに尊敬したし、それくらいに思える環境がサッカー部にはあったんだろうなと想像しました。

「人のために全力で整備して、その人に笑顔で喜んでほしい」

そんなような言葉を口にしていました。マネージャーの鑑のような人だなと改めて思いました。そういえば、中学の演劇部のときも、演出家として、部長として、部を取りまとめていました。周りを見渡す力、洞察する力はあの頃からあったし、誰かのために自分のできることを全力でこなす姿勢は今も変わっていないんだなと感慨深くなりました。

今は理学療法士を目指しているそうで、来年は立てつづけに実習があるそうです。理学療法士という道でも、あの頃のように、全力でサポートをして、患者さんたちの笑顔をつくっていくんだろうなと明るい未来を予感しました。



もしかしたら、この先、思い悩み打ちひしがれそうになる瞬間はあるかもしれない。立ち止まって俯いて、塞ぎ込みたくなるようなシーンが訪れるかもしれない。そんなときにそっと寄り添うように、心を照らすものをつくりたい。

笑えなくなった七星を笑顔にしたい。

泣けなくなった七星を涙させたい。

そんな作品をつくりたい。

傲慢かもしれないけれど、それが僕なりの背一杯の感謝の伝え方。今度いつ会えるか分からないけれど、次会ったときに少しでも面白い話ができるようにこれから頑張ります。



先週の金曜日に中学演劇部の男子3人で吞んできたんですが、また舞台をやりたいねと口が揃ったので、少しずつ動き始めていくと思います。年末にはもう一度会って、新しい仲間も呼んで、がっつり舞台の実現を目指していきます。

いつになるか分からないけれど、必ず実現させます。あの頃みたいにみんなでひとつの舞台を作り上げていく経験ができるなんて嬉しいな。夢が叶ったときは、七星にも来てほしいな。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20231207 横山黎



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