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ある居酒屋さんのお話し
居酒屋サチは、駅前の繁華街の外れに建つカウンターだけの小さな居酒屋だ。
あーあ、今夜も誰も来ないのかなぁ。
みどりは椅子に座ってあくびをしながらそう呟いた。彼女が一人で切り盛りしているこの小さな居酒屋も、すっかり不景気の波に飲まれてしまっていた。
こんばんは。俺一人だけどいい?
引き戸を開けて、常連の公一が入って来た。彼はカウンターに腰掛けると、みどりが差し出したビールを一気に飲み干した。
暑かったり、涼しかったり、またまた熱かったり
暑い夏の午後。西日が直撃する風通しの悪い四畳半で、オレは全身汗まみれ。大の字になって伸びきっていた。涼しい場所に行けばいいのだが、あまりの暑さにその気力は失われていた。暑い暑すぎる!このままじゃダメだ。そうだ、涼しい場所を想像して現実逃避したらどうだろう?
涼しい場所と言ったら冷蔵庫だ。オレは自分が冷凍庫の中にいる冷凍食品になっているところを想像した。
スーパーのオープンストッカーの中には、いろ
売れないモノマネ芸人の追っかけなんてやめちまえ。
もう授業終わったよ。いつまで居眠りしてんのよ!
いきなり肩を揺さぶられて、慌てて起きる私。
昨日も出待ちしてたの?毎日毎日大変だね。
でも聞いて、昨日は進展あったんだよ。
なんと差し入れと一緒にLINEのID書いたカードを渡したの。連絡来るかな?
ちぃは、
売れないモノマネ芸人だもん。時間たっぷりあるだろうから、連絡来るんじゃない?
呆れた顔をしてそう言った。
私はモノマネ芸人のタケ