創造主
「おいおいそこの君」
いきなり声をかけられて振り向くと、そこには誰も居なかった。
「新しい世界を築く。君の助けが必要なんだ。」
姿は見えないが声は聞こえる。声の主は、創造主だと自己紹介した後で、こんな話しを僕にした。
彼は新しい世界を作ろうと、男石と女石という石を用意した。男石は男性、女石は女性を生み出すらしい。
「それで、たくさんの夫婦が出来て子供を作るんじゃが、」
「じゃが?」
創造主は決まりが悪そうな小さな声で、
「男石をどっかに落とした。」
といい、
「子孫を作る為には女だけではダメなんだ。
わかるだろ?君。」
と続けた。
俺は合点が効いてニヤリと笑った。今日の星占い、異性運は星5つだった。あの占い当たってる。天界でオンナにモテまくり。最高じゃないか。
見えない手に引かれ、天界へ昇った。何もない空間に丸い石が浮かんでいるのが目に入ってきた。
「これが女石だ。よくみておれ。」
創造主がそう言うと、女石に細かいヒビが入って、メリメリと音を立て細かく砕けた。そして、その石片はたくさんの女性達に変わっていった。
さあ、女たちよ。新しい世界を作るのだ。目の前の男があなたがたの夫となる。
創造主がそう言うと、何千何万の、しかも全裸の女たちが一斉に俺の方を見た。今日からこのオンナたちが全てオレのもの。最高だよ!パラダイスだ!そう思った瞬間、女たちが
えー!
っと、一斉に不満そうな声を上げた。
(了)
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