嗜好亭投錨

寄せては返す流行りの波に流されぬよう、自らの嗜好に錨を下ろして。

嗜好亭投錨

寄せては返す流行りの波に流されぬよう、自らの嗜好に錨を下ろして。

記事一覧

#夏の1コマ

息子と落ち葉流し。 「おー!行った行った!」 「わー!パパ、はやいねー!」 いま、この瞬間を大切にしたい。穏やかで、ささやかだけれども、この上なく愛おしくて温か…

嗜好亭投錨
1か月前
7

前世の死因は「オオカミ男」

私の前世はオオカミ男に食い殺された。 きっと、というか絶対にそうだ。だって感じるんだもの! そうじゃないと今世の私が こんなにも「あるモノ」に執着していることに…

嗜好亭投錨
1か月前
1

「不戦の誓い」を胸に、私はニワトリを飼う

「二度と戦争なんてしちゃダメよ」 毎年この時期になると祖母の言葉を思い出す。力強くも悲しみに満ちたその言葉を。 長崎原爆の日、疎開していた祖母は直接被爆を免れた…

嗜好亭投錨
2か月前
3

自伝 「ドブ川に遡上した鮭」

「ドブ川に遡上した鮭」 そんな不名誉な(?)あだ名をつけられたのは、世界中を探し回っても私1人だけであろう。 鮭は皆さまご存知の通り、清流で産まれ、海へと旅立ち、…

嗜好亭投錨
2か月前
2
#夏の1コマ

#夏の1コマ

息子と落ち葉流し。

「おー!行った行った!」

「わー!パパ、はやいねー!」

いま、この瞬間を大切にしたい。穏やかで、ささやかだけれども、この上なく愛おしくて温かいこの瞬間を。

前世の死因は「オオカミ男」

前世の死因は「オオカミ男」

私の前世はオオカミ男に食い殺された。

きっと、というか絶対にそうだ。だって感じるんだもの!

そうじゃないと今世の私が こんなにも「あるモノ」に執着していることに説明がつかない。だから、つまりは、その、そういうことなのだ。Q.E.D.

今今今世から僕は 君を探し始めたよ

銀色に鈍く輝くそのボディ。なんてキミは美しいのか。

「君の名は?」

呼びかけると同時にポチっている。

決済完了通知が

もっとみる
「不戦の誓い」を胸に、私はニワトリを飼う

「不戦の誓い」を胸に、私はニワトリを飼う

「二度と戦争なんてしちゃダメよ」

毎年この時期になると祖母の言葉を思い出す。力強くも悲しみに満ちたその言葉を。

長崎原爆の日、疎開していた祖母は直接被爆を免れた。

直後、市内に戻って見た光景を「地獄のようだった」と語った。

地平線が見えそうなほど破壊された街。瓦礫の山。丸焦げの焼死体。強者によって弱者が蹂躙された光景である。

祖母の口は重く、途中で話を切り上げてしまった。語ってくれたのは

もっとみる
自伝 「ドブ川に遡上した鮭」

自伝 「ドブ川に遡上した鮭」

「ドブ川に遡上した鮭」

そんな不名誉な(?)あだ名をつけられたのは、世界中を探し回っても私1人だけであろう。

鮭は皆さまご存知の通り、清流で産まれ、海へと旅立ち、成長した後に故郷の清流に帰って子孫を残し、そこで一生を終える魚である。

子孫を残すため、その命を燃やして遡上する鮭の姿から我々が感ずるのは、逞しさ、健気さ、命の尊さ、そして儚さ、などであろう。誰もがその生き様を見て、目頭を熱くするに

もっとみる