前世の死因は「オオカミ男」
私の前世はオオカミ男に食い殺された。
きっと、というか絶対にそうだ。だって感じるんだもの!
そうじゃないと今世の私が こんなにも「あるモノ」に執着していることに説明がつかない。だから、つまりは、その、そういうことなのだ。Q.E.D.
今今今世から僕は 君を探し始めたよ
銀色に鈍く輝くそのボディ。なんてキミは美しいのか。
「君の名は?」
呼びかけると同時にポチっている。
決済完了通知が飛んでくる。便利な世の中である。
あれ??カード利用枠と注文品が入れ替わってる~!?
銀製とわかるや、衝動が抑えられない。喉から手が出るほど欲しい。オオカミ男が自らの渇きを癒すために人の血肉を欲するように。私も銀製品でこの渇きを癒したいのである。
中でも長年オネツなのは、銀製の筆記具である。よく抜け出せない収集癖やその対象物を指して「沼」といいますけどね、これちょっと、沼なんてモンじゃないですね。その深さたるや、深海ですよ。いやいや誠に深海ですよ。深海誠ですよ本当に。
銀製筆記具は数ある高級筆記具の中でも頂点に君臨するほど高価だ。庶民が おいそれと手を出せるものではない。
舶来品ともなれば、その値段は青天井である。
お生憎様、私は実家が太かったり、高給取りでもございません。私、一般庶民ですから。嗚呼、でも、どうしても欲しいのである。
生活費を削って、文字通り命を削って、銀製筆記具を買い漁っていた時期がありました。今考えると自分が怖い。恐ろしいほどの執着です。
で、冒頭の「前世の死因はオオカミ男」に帰ってくるわけですけれど、オオカミ男を殺せるのは「銀の弾丸」と言われております。
ここまで今世の私が銀製品に執着するのは、きっと前世がオオカミ男に食い殺されたからだろう、というわけです。
長くなりましたが、私の渇きを癒してくれる「いとしのエージー(銀だからAgね)」をご紹介します。
YARD・O・LED ヤード・オ・レッド セプター アメジスト
セプターというのは王笏(君主の持つ杖)のこと。なんとこの筆記具、天冠にアメジストが嵌め込まれているんです。
見た目は魔法の杖そのものですよね。ハリーポッターに出てくる魔法使いの道具のような魔力すら感じさせる逸品です。
このペンと運命の出会いを果たしてからはだいぶ落ち着きました。狂ったように銀製筆記具を買い漁ることはなくなり、むしろいくつか手放したくらいで。
調べてみるとアメジストの石言葉は「冷静さと節制」だそう。
銀への渇望が収まったのはアメジストの効果か。それとも今世の私が狂ったような銀製品収集によって前世のオオカミ男被害者が成仏(?)したからなのか。
いずれにせよ、狂気の銀製品収集癖が再燃しないことを願うばかりである。
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