嗜好亭投錨

寄せては返す流行りの波に流されぬよう、自らの嗜好に錨を下ろして。

嗜好亭投錨

寄せては返す流行りの波に流されぬよう、自らの嗜好に錨を下ろして。

最近の記事

#夏の1コマ

息子と落ち葉流し。 「おー!行った行った!」 「わー!パパ、はやいねー!」 いま、この瞬間を大切にしたい。穏やかで、ささやかだけれども、この上なく愛おしくて温かいこの瞬間を。

    • 前世の死因は「オオカミ男」

      私の前世はオオカミ男に食い殺された。 きっと、というか絶対にそうだ。だって感じるんだもの! そうじゃないと今世の私が こんなにも「あるモノ」に執着していることに説明がつかない。だから、つまりは、その、そういうことなのだ。Q.E.D. 今今今世から僕は 君を探し始めたよ 銀色に鈍く輝くそのボディ。なんてキミは美しいのか。 「君の名は?」 呼びかけると同時にポチっている。 決済完了通知が飛んでくる。便利な世の中である。 あれ??カード利用枠と注文品が入れ替わってる

      • 「不戦の誓い」を胸に、私はニワトリを飼う

        「二度と戦争なんてしちゃダメよ」 毎年この時期になると祖母の言葉を思い出す。力強くも悲しみに満ちたその言葉を。 長崎原爆の日、疎開していた祖母は直接被爆を免れた。 直後、市内に戻って見た光景を「地獄のようだった」と語った。 地平線が見えそうなほど破壊された街。瓦礫の山。丸焦げの焼死体。強者によって弱者が蹂躙された光景である。 祖母の口は重く、途中で話を切り上げてしまった。語ってくれたのはこれが最初で最後だった。 そんな祖母は2015年8月6日に亡くなった。戦後70

        • 自伝 「ドブ川に遡上した鮭」

          「ドブ川に遡上した鮭」 そんな不名誉な(?)あだ名をつけられたのは、世界中を探し回っても私1人だけであろう。 鮭は皆さまご存知の通り、清流で産まれ、海へと旅立ち、成長した後に故郷の清流に帰って子孫を残し、そこで一生を終える魚である。 子孫を残すため、その命を燃やして遡上する鮭の姿から我々が感ずるのは、逞しさ、健気さ、命の尊さ、そして儚さ、などであろう。誰もがその生き様を見て、目頭を熱くするに違いない。 北海道の先住民であるアイヌの人々は「神の魚」と呼んだというが、「神