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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#恋愛小説

本音(世界と私35)

本音(世界と私35)

「え?」

「私ねみづきが好きなの。
でもこの、どうにもならない、報われない恋をすることに疲れたの。
イギリスに逃げる訳じゃないけど、
このままお腹の大きくなるみづきを見ているは辛くて、
これはイギリスに行けってことなのかな?って思ったの!」

私は言葉が見つからなかった。

「南さん・・・
私も南さんに惹かれてました。

このままじゃ自分の気持ちを抑えられなくなると思って、
子供を作ったんです・

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運命と私97 (嫌いな自分)

運命と私97 (嫌いな自分)

私は家に帰ってお弁当を2個食べた。

お腹がいっぱいで苦しい・・・

祐一が嘘を付くなんて・・・
どこにいたの?
まさか女?
祐一に限ってそれはないよね?

何で家の前にいること言わなかったの?
何で何をしているのか聞かなかったの?
「どこにいるの?」の一言なのに、
その言葉が出て来なかった。

祐一が浮気してるなんて思えない、
何か理由があったのかもしれない。

でももし浮気していたらと考えると

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運命と私95(本当の最後)

運命と私95(本当の最後)

今度の火曜日、
タクシー代を返すのが最後でもう会わない。

これで本当に最後だから、
もう会わないから、
最後にもう1度だけ会わせて。

私は心の中の自分の許しを請う。

心の中の私は無にも言わなかった。

火曜日の暑い夜に、
りょうさんのお店に行くと、
いつもの席に江藤は座っていた。

私は江藤の隣に黙って座った。

江藤は驚きもしないで、
「何飲む?」と聞いて来た。

「今日は暑かったからビー

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運命と私94( 反省)

運命と私94( 反省)

祐一が「結婚」なんて言葉を出すから、
おとうさんとおかあさんは私を無視して祐一と話し出した。

「みづきもいい歳だから結婚を考えてくれて嬉しいわ。
ねっお父さん。」

「うん、結婚を考えているなら早めに行動しないと、
あっという間に年月は過ぎるから。」

「はい、仕事がもう少し落ち着いたらって思ってました。
みづきさん優しくてマメな人で、家事は得意で料理もおいしいし、
働き物で真面目な人なので、理

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運命と私93( 結婚)

運命と私93( 結婚)

おかあさんとおとうさんは顔を見合わせていた。

「わかったみづきが言うなら今日はその話しはしないけど、
ちゃんと考えてよ。」

「わかってる。」

場の空気が重くなった。

少しして祐一が到着した。

「遅くなってすみません、
みづきさんとお付き合いさせて頂いてる、
北沢祐一です。」

「はじめまして、みづきの父です。」

「はじめましてみづきの母です。
随分男前だね、今日はお仕事だったの?」

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運命と私92( 私の気持ち)

運命と私92( 私の気持ち)

予約したお店は、駅の近くにある料亭で、
個室になっていて落ち着いたお店だった。

「いいお店ね、良く来るの?」

「ううん、始めてだよ。
ねえ、彼とまだ結婚の話しとかしてないから、
あんまり結婚の話ししないでね。」

「そうなの?
あんたは結婚する気は無いの?」

「わからない、もう少し付き合ってから考えようと思って・・・」

「考えてるような年齢じゃないでしょ?
子供が産めなくなるよ。」

「わ

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運命と私91( 小さな2人)

運命と私91( 小さな2人)

次の日の夜、私は祐一に母のことを話した。

急な話しだから断られるかと思っていたら、
「いいよ、あいさつしないといけないって考えてたんだ。」

「無理にいいよ。」

「無理じゃないよ。」

「あっそう・・・」

祐一は何を考えているのかな?

両親と会うってことの意味わかっているのかな?

そして土曜日の夜、

私の両親と祐一とで会食することになった。
和食のお店を6時に予約した。

両親には5時

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運命と私89( 天使と悪魔)

運命と私89( 天使と悪魔)

「私には彼氏がいるけど他に好きな人がいます。」

「最悪?」

「人を好きになる気持ちは自由でしょ?
すべての人の心は自由じゃなの?」

「はい?自由って意味間違えてない?
あなたのは自分勝手な行為で、人を傷付けてるよ。」

「誰も傷付いてないよ、
祐一にバレなければいいんでしょ?」

「それでいいの?心が痛くないの?」

「祐一だって私に嘘を付いてる。
話のつじつまが合わないことが多々あるし。」

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運命と私86( 無感覚)

昨日の夜は・・・?昨日じゃなくて今日の明け方、
ホテルからタクシーで家に帰って来た、
江藤がタクシー代と言って1万円を私に手渡した、
「いりません!」
そう言ったけど江藤は別のタクシーに乗り込んで帰ってしまった。

タクシーの中で携帯を見ると、
祐一からメールが来ていた。

「同僚からおみやげにアップルパイもらったんだけど、
賞味期限が明日なんだ、明日会社の帰りに食べに来ない?」

行くの面倒だな

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運命と私85( 温もり)

運命と私85( 温もり)

「かみさんと話し合って、
二人で子供を育てようってことになったけど、
いざ生まれてきたら、
当たり前だけど、オレに全然似てないし、
育児って大変だし、
かみさんはいつもイライラしてるし、
オレ父親になる自信が無いんだ、最悪だろ。」

「そんなこと無いですよ、
子供を育てるって大変だし、
それが自分の子供じゃないなら、
なおさら大変ですよね・・・」

「もともと仲良し夫婦ではなかったオレたちだけど、

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運命と私83 (禁断の果実)

運命と私83 (禁断の果実)

江藤は驚いた顔をしていた。

「川崎どうしたんだよ。」

「今日は江藤さんと話しがしたくて。」

「オレと?」

「江藤さん何悩んでるんですか?
会社でも元気がないから、
気になって・・・」

「オレのことなんて気にするなよ。
自分と彼氏の未来でも考えろ!」

「だって気になるから・・・
話ぐらい聞きますよ。」

「ありがとう、でも本当に大丈夫だから。
こんなところで飲んでないで早く帰らないと、

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運命と私81( 迷子の気持ち)

運命と私81( 迷子の気持ち)

18時にラーメン屋に行くと、
お店の前で祐一が待っていた。

「ごめん待った?」

「今来たところ。」

私たちはお店に入り、
いつものラーメンを食べた。

「昨日は買い物に行くって言ってたけど、
帰って来るの遅かったの?」

「えっ?」

祐一に1人で飲みに行くとは言えなかったので、
買い物に行くと言っていたのだ、

「うん、色々見てたら、遅くなって、
お店の中ぐるぐる歩いて疲れたから、
夜はす

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運命と私80( 自己対話)

運命と私80( 自己対話)

昨日、江藤に抱きしめられた時に、
私はうれしいと思ってしまった。

私はまだ江藤のことが好きみたいだ。

最近は祐一のことがよくわからない、
つじつまの合わない話しが多く、
私の気持ちは少しづつ祐一から離れていた。

でもまた江藤と付き合うなんてあり得ない、
また不倫関係には戻りたくない。

洗濯が終わりベランダで洗濯を干す。

日差しが暖かい。

「平和だな。」
私は空を見上げて独り言を言った。

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運命と私79( 夢の中)

私と江藤は海にいた。

昼なのに空は暗かった。
灰色の空に灰色の海。

私は白いワンピースを着て、
江藤と二人で手をつないで浜辺を歩いていた。

江藤も白い洋服を着ている。

すると前から青い洋服の祐一が歩いて来た。

私は急いで江藤の手を振り払い、
江藤と離れた。

祐一は私の前に来て、
私にキスをした。

そこで目が覚めた。

そして電話が鳴った。

携帯電話を見るとい祐一からの着信だった。

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