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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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2020年2月の記事一覧

運命と私 68

運命と私 68

私は急いで家に帰って来た。

「急に帰っておかしいと思ったよね。」
でも真っ赤になっている顔を見られるのは嫌だった、
まだ未練があるみたいじゃない?

未練・・・

江藤に触られたところがジンジンする。

祐一がいるのになんでこんな気持になるの?
自分でも自分の気持ちがわからない。

私の中の江藤の記憶がすべて消えたら楽なのに・・・

夜ごはんを買い損ねた私は、
カップラーメンを食べて寝ることにし

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運命と私 67

運命と私 67

「江藤さん、何してるの?」

「かみさんにお弁当頼まれて。」

「そうなんだ。」

江藤は高級なお弁当屋さんの袋を持っていた。

「随分豪華ですね。」

「今日はかみさんの誕生日で、
ここのお弁当買って来てって頼まれたんだ。」

「仲良しなんですね。」

「そうでもないよ、色々あって大変だけど、
どうにか修復できたらと思ってて・・・」

修復?
やっぱり中谷の言ってたことは本当だったのかもしれない

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運命と私 66

運命と私 66

始めてのバレンタイン。
私はブラウニーを作る予定だった。

買ったチョコレートより、
手作りのほうが祐一は喜ぶと思ったからだ。

でも失敗した時用に、
チョコレートも一応買っておこうと、
私は会社の帰りにデパートに寄り、
チョコレートを買うことにした。

デパ地下に行くと、
甘い匂いがして、
たくさんのチョコレートが売っていた、
チョコレートとはたくさんあったが、
人もたくさんいた。

そして値段

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運命と私 65

運命と私 65

お正月休みが終わり今日から仕事が始まる。

会社に行くとみんなが憂鬱そうだった。

「あけましておめでとうございます。」

中谷が声をかけて来た。

「今日起きるのめっちゃつらかったです、
休みが長いと仕事嫌になりますよね。」

「私も辛かったよ~
お正月は毎日9時近くまで寝てたから。」

「彼氏とずっと一緒だったんですか?」

「えっ?うんそうだね・・・中谷さんは?」

「彼氏が実家に帰ったんで

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運命と私 64

運命と私 64

私のお正月休みはまだ続いていた。

私はゆっくり起きて掃除をして、
パジャマのままで、
紅茶を淹れて、
陽当たり良い場所で、
前に買って読み終えていなかった本を読み始めた。

誰にも気を使わない、
久し振りの1人の時間。

至福の時。

やっぱり1人はいいな。
そう思えるのは祐一がいるから。

ずっと1人と、
たまに1人になるは、
同じ1人でも気持ちが全然違う。

人に愛されると心は満たされる。

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運命と私 63

運命と私 63

お正月休みが終わる。

「明日から仕事か、面倒だな~
みづきはあと3日も休みがあっていいな。」

祐一は5日から、私は8日から仕事だった。

「長期休みのあとって仕事ダルいよね。」

「今年はみづきと一緒だったから、
会社に行くのがさらにダルイ、
もっと一緒にいたかったよ。」

「日の出見て、初詣行って、映画見て、
お休み満喫したじゃない。
明日からがんばって。」

「たしかにお正月満喫したよ、

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運命と私 62

運命と私 62

30歳にもなる息子に、
段ボールいっぱいの食料を持たせるなんて、
優しい母親だと思った。

「やさしいお母さんだね・・・」

私は独り言のようにつぶやいた。

祐一には聞こえていなかったみたいで返事は無かった。

私たちは近所のスーパーに行って、
簡単に出来る夜ごはんの食材を買って帰って来た。

「夜はみづきの手料理か!楽しみ。」

「ただ焼くだけでしょ。手料理って言わないよ。」

私たちは新婚の

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運命と私 61

運命と私 61

昨日の夜、早く寝たので、
今日は6時に目が覚めた。

私はゆっくり出かける準備をする。

ゆっくりした時間を贅沢に感じるなんて、
普段から時間に追われている証拠なのかな?

私は贅沢な時間を満喫して午後は祐一の家に向かった。

迎えに来ると言ったけど、
私は電車で行って見たかったので、
1人で祐一の家まで行くことにした。

駅から15分ほど歩くと祐一のアパートはあった。

ピンポーン。

鍵が開い

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運命と私 60

運命と私 60

冷蔵庫の中にある物で簡単に夕食を作り、
私はお正月のテレビを見ながら1人で夜ごはんを食べていた。

でも、どのテレビを見ても面白くない。

祐一は何時ごろ帰って来るのかな?

そんなことを考えていると、
8時過ぎごろ祐一から電話がかかって来た。

「今日帰る予定がおじさんに酒飲まされて、
車の運転出来ないから、帰るの明日になる。」

「そうなんだ、なんか楽しそう。」

「楽しくないよ、酔っ払いの付

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運命と私 59

運命と私 59

「もしもし、みづき、
あけましておめでとう。家にいたの?」

母には「友達がお正月1人で寂しいから一緒にいて欲しいと懇願された」
と言ってあった。

「あけましておめでとう。うん、今から出かけるところなんだ。」

「そうなの出掛ける前にごめんね。」

「ううん、大丈夫だよ、お父さんとかみんな元気?」

「こっちはみんな元気だよ、
あんたは元気?たまには帰って来て顔見せてよ。」

「うん、今年中には

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運命と私 58

運命と私 58

「紅茶入れるけど飲む?」

誰かが私に話しかけてる、

「うん、私がやるよ。」

そう言ってベッドから起き上がろうとしたけど、
上手く動けない、そして眩しくて目が開かない。

そこにいるのは誰?

必死で目を開けようとするけど、
眩しくて開かない。

「江藤さん?」

私が聞くと、

「何言ってるんだよ、オレだよ。」

そう言ってベッドに近づいて来た、
そして私を優しく抱きしめてた、
私はあっとい

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運命と私 57

運命と私 57

帰り道が混んでいたので、
私たちはファミレスに入り朝ごはんを食べることにした。

ファミレスのドアを開けると、
食べ物と飲み物のファミレス独特の匂いがした、
中は温かく海で冷えた身体が、一気に温められた。

私たちはモーニングセットを注文して、
食べていると、
祐一の携帯が鳴った。

祐一は携帯を見て、
「おふくろからだ!」と言って、
外に出て行った。

少しして帰ったきた祐一は不機嫌そうだった。

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運命と私 56

運命と私 56

4時に目覚ましが鳴り、
私は起きて出かける準備をした。

祐一を起こして私たちは4時半過ぎに出発した。

外は真っ暗だった。

日の出前の空が一番暗いと聞いたことがあったけど、
外は漆黒の闇のようだった。

日の出を見る海まで1時間はかかる。

コンビニで温かいコーヒーと紅茶を買って、
お気に入りの音楽を流して、
海に向かった。

途中渋滞してたので到着が遅くなった、
海に着くと15分ぐらいで日の

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運命と私 55

運命と私 55

お弁当とお蕎麦とお酒を買って祐一の家に帰宅。

お昼ごはんを食べていなかった私たちは、
早めに夜ごはんを食べて、
テレビを見ながらまったりしていた。

「1年って早いね。」

「うん、でも今年の年末も1人だと思ってたのに、
みづきと出会えて良かった。
人生って何が起こるか本当にわからないよな。」

「うんうん、運命って急に動き出すから、
ときどき戸惑うよね。」

「オレはいつも運命に身を任せて、

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