Images Church イメジズ・チャーチ

プロテスタントの教会です。牧師が基本的に記事を書いています。 聖書の読み方や、学び、豆…

Images Church イメジズ・チャーチ

プロテスタントの教会です。牧師が基本的に記事を書いています。 聖書の読み方や、学び、豆知識などがテーマです。

マガジン

記事一覧

哀歌 悲しみの声

私たちが聞くべき声 『哀歌』は「気分のいい」本ではありません。実のところ、完全に落ち込む本です。紀元前587年にエルサレムが陥落し、ユダが滅亡した後、神の民の悲し…

エレミヤと変容する心

暗い書物の中の明るい光旧約聖書をここまで読み進めたなら、よくやりましたね!エレミヤ書の奥深くまで足を踏み入れたあなたは、おそらくエレミヤ書の長さに驚いていると…

エレミヤ書と神殿説教

偶像崇拝、不正義、そして来るべき裁き エレミヤ書とそのユダに対する裁きのメッセージを理解する上で、エレミヤの有名な7章の神殿説教を超える場所はありません。この箇…

雅歌: ソロモンの凄腕文豪チーム

よろしかったら有名なラブソングを口ずさんでみてください 「I love you, 今だけは悲しい歌、聴きたくないよ〜」 尾崎豊が歌っている風景が見えたかもしれませんね。 これ…

箴言:人間の知恵が神聖なものになる道

お父さんとお母さんの言うことを聞くように、、、『箴言集』を開き、冒頭の「イスラエルの王、ダビデの子ソロモンの箴言」(1:1)を読むとき、あなたは箴言、つまりパンチ…

ヨブの苦しみに対する神の答え

今日はヨブ記の最後の章を探求しましょう。この章は不可解で独特の深さがあります。前回のブログでは、ヨブ記の序章(ヨブ記1-2章)と、ヨブ記の苦しみの意味についてヨブ…

ヨブ記 序章の舞台設定

日々の聖書の朗読はいかがでしょうか?旧約聖書のヨブ記にはいりましたね。おめでとうございます!ヨブ記を通して突入する感情のジェットコースターに備えてくださいね!今…

ナホムの託宣とハバククの不満

「12人の巻物」、またはキリスト教の伝統で「小預言書」と呼ばれるものは、互いに孤立して読むことを意図したものではなく、統一された書物として読むべきものです。異なる…

ホセアとアモス:契約違反の二つの側面

イントロ「十二小預言書」(通常は「マイナープロフェット」と呼ばれます)を読むことは、本当に混乱を招くことがあります。これらの書籍には詩的な言葉、比喩、現代の読者…

イザヤと苦難のしもべモチーフ

最も奇妙な喜ばしいニュース イザヤ書では、1-39章で審判、希望、未来のメシアの王について語られています。神のダビデへの約束は、ダビデの子孫たち全てに対して提示さ…

イザヤ書とメシアの王

遠い未来への希望 聖書の預言者を読むのは難しいことです。それらは古代ヘブライ語の詩と語り口で書かれており、現代の詩や語り口とはかなり異なっていますね。また、これ…

「神様はどこにおるん?」みなさんならどう答えますか?

最近、友人と話していて「神様はどこにおるん?」という質問をされた。その時はなんとか答えたつもりだが、自分が感動するポイントや、自分にとって確かだと確信している考…

創世記1章-古代人の宇宙感で読み解く

はじめに、神は天と地を創造された。 これは聖書の冒頭を飾る言葉であり、創世記1章で「神の創造的な働き」を要約したものです。「神が天と地を創造された」という文字を…

虚構主義、頭のいい人、悪い人、

最近、哲学教授スコット・ハーショヴィッツを紹介している記事を目にした。記事のタイトルは、『【思考実験】「頭がいい人、悪い人」がわかる1つの質問』 この記事の中で…

なぜイエスは三日目に復活したのか?

新しい命、契約、そして古代のパターン なぜイエスの復活は死の三日後に起こったのでしょうか? キリスト教会は数世紀にわたり、イエス・キリストの復活を祝うために、良…

聖書を読むコツ:いのちの木④      ー 木の役割 ー

ノアと木創世記には二つの木が見れます。一つ目のいのちの木は、人に与えられた「神の臨在の中にあるいのちのギフト」を表しています。この表現は古代の文化においてありふ…

哀歌 悲しみの声


私たちが聞くべき声

『哀歌』は「気分のいい」本ではありません。実のところ、完全に落ち込む本です。紀元前587年にエルサレムが陥落し、ユダが滅亡した後、神の民の悲しみを代弁する5篇の哀歌、あるいは「葬送」の詩(悲しみと嘆きの詩)が収められています。預言者たちによって警告されていた、神がイスラエルにとって敵のようになり、神の契約を慢性的に無視したためにバビロンに引き渡された日を、この本は嘆いていま

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エレミヤと変容する心


暗い書物の中の明るい光旧約聖書をここまで読み進めたなら、よくやりましたね!エレミヤ書の奥深くまで足を踏み入れたあなたは、おそらくエレミヤ書の長さに驚いていると思います!エレミヤ書は聖書の中で最も長い書物なのです。もちろん、150篇の詩篇や66章のイザヤ書もあります。しかし、エレミヤ書のこの52章は、そのどちらよりも多くの言葉を含んでいます。この本は本当に長いのです。しかし、あきらめないでください

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エレミヤ書と神殿説教

偶像崇拝、不正義、そして来るべき裁き

エレミヤ書とそのユダに対する裁きのメッセージを理解する上で、エレミヤの有名な7章の神殿説教を超える場所はありません。この箇所は、「エレミヤと裁き」に関するあらゆることのワンストップショッピングセンターのようなもので、ここで何が起こっているのかを理解することは、この本の残りの部分で何が起こっているのかをよりよく理解する助けになります。しかし(ネタバレ注意!)、

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雅歌: ソロモンの凄腕文豪チーム

よろしかったら有名なラブソングを口ずさんでみてください
「I love you, 今だけは悲しい歌、聴きたくないよ〜」
尾崎豊が歌っている風景が見えたかもしれませんね。
これは日本ではよく知られたラブソングの有名なセリフです。
もしあなたが古代のエルサレムで一日過ごせば、このようなセリフを口ずさむ人々の声を耳にしたことでしょう:
「彼の口づけで私にキスをさせてください、あなたの愛はワインよりも愉し

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箴言:人間の知恵が神聖なものになる道

お父さんとお母さんの言うことを聞くように、、、『箴言集』を開き、冒頭の「イスラエルの王、ダビデの子ソロモンの箴言」(1:1)を読むとき、あなたは箴言、つまりパンチの効いた短くて気の利いた格言を読み始め、良い人生についての何らかの知恵を与えてくれるものと期待するでしょう。しかし、そうではありません。その代わりに、父親から息子への10編の長くまとまったスピーチと、「知恵の女神」から人類への4編の詩が織

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ヨブの苦しみに対する神の答え

今日はヨブ記の最後の章を探求しましょう。この章は不可解で独特の深さがあります。前回のブログでは、ヨブ記の序章(ヨブ記1-2章)と、ヨブ記の苦しみの意味についてヨブ記の友人たちと交わされる対話を紹介しました。やがて、ヨブとその友人たちは互いに何も言うことがなくなり(ヨブ記3-27章)、ヨブは29-31章で神の前に最後の言葉を投げかけます。彼は、体が健康で家族や友人に満たされた過去の日々を嘆き(ヨブ記

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ヨブ記 序章の舞台設定

日々の聖書の朗読はいかがでしょうか?旧約聖書のヨブ記にはいりましたね。おめでとうございます!ヨブ記を通して突入する感情のジェットコースターに備えてくださいね!今手にとって開いているのは、聖書の中でも最も洗練され、頭を悩ます文学作品の一つです。この書は、神の性格と人間の苦しみの意味について大きな疑問を提起し、あなたの心と頭を刺激するように設計されています。でも、あなたが知っておくべきことは、ここには

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ナホムの託宣とハバククの不満

「12人の巻物」、またはキリスト教の伝統で「小預言書」と呼ばれるものは、互いに孤立して読むことを意図したものではなく、統一された書物として読むべきものです。異なる預言者の書(または「章」とでも呼ぶべきでしょうか)のテキスト内部の文学的なつながりが、このアンソロジーを一緒に織りなす働きをしています。これらの預言者が一人だけで成り立つわけではないということを覚えておくことが極めて重要です。したがって、

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ホセアとアモス:契約違反の二つの側面

イントロ「十二小預言書」(通常は「マイナープロフェット」と呼ばれます)を読むことは、本当に混乱を招くことがあります。これらの書籍には詩的な言葉、比喩、現代の読者には馴染みのないイメージが満載です。また、神の審判についても多く語られており、それに耐えることは難しいことがあります。しかし、全ての奇妙なイメージや未来の終末についての話は目的を持っています - 預言者たちは、イスラエルの契約の失敗と神の差

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イザヤと苦難のしもべモチーフ



最も奇妙な喜ばしいニュース

イザヤ書では、1-39章で審判、希望、未来のメシアの王について語られています。神のダビデへの約束は、ダビデの子孫たち全てに対して提示されました。彼らは一人ひとりが忠実でなかったため、約束の成就を受け継ぐことはありませんでした。彼らの不信仰は、イスラエルの民がバビロンへの追放されるという、イスラエルの信仰を根底から揺さぶる壊滅的な結果をもたらしました。イザヤ39章で

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イザヤ書とメシアの王

遠い未来への希望

聖書の預言者を読むのは難しいことです。それらは古代ヘブライ語の詩と語り口で書かれており、現代の詩や語り口とはかなり異なっていますね。また、これらの書物は、読者がイスラエル王国の悲劇的な終焉に至る最後の2世紀をかなりよく理解していることを前提としています。
創世記から第二列王記までを読んで、これまでの物語を追ってきたのであれば、聖書の預言者たちを、今まで読んできた物語の中に位置づ

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「神様はどこにおるん?」みなさんならどう答えますか?

最近、友人と話していて「神様はどこにおるん?」という質問をされた。その時はなんとか答えたつもりだが、自分が感動するポイントや、自分にとって確かだと確信している考え方が必ずしもその人の頭に入るわけではない。

みなさんならこの質問になんと答えますか?

話している中で、私自身が驚かされたのは私は、数学的、物理的な説明がとても楽しいということだ。数式を見せ、科学者の見解を語り、その合理性を提示して神が

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創世記1章-古代人の宇宙感で読み解く

はじめに、神は天と地を創造された。

これは聖書の冒頭を飾る言葉であり、創世記1章で「神の創造的な働き」を要約したものです。「神が天と地を創造された」という文字を読んで、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
あなたの思う天国を想像してみてください。何が見えますか?
雲?真珠のような門?黄金の壁?
死んだらそこに行くところ?
神秘的でスピリチュアルな都市?
それらのことは、頭の隅に置いて聖書的なもの

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虚構主義、頭のいい人、悪い人、

虚構主義、頭のいい人、悪い人、

最近、哲学教授スコット・ハーショヴィッツを紹介している記事を目にした。記事のタイトルは、『【思考実験】「頭がいい人、悪い人」がわかる1つの質問』

この記事の中では、彼が書いた本が紹介されていた。あの東京大学准教授、斎藤幸平も絶賛しているそうだ。この本を読むと、哲学者の考え方や、アプローチしているトピックが理解できる一冊となっている。

本の内容は、ハーショヴィッツ教授が小さな子供たちと哲学的なト

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なぜイエスは三日目に復活したのか?

新しい命、契約、そして古代のパターン

なぜイエスの復活は死の三日後に起こったのでしょうか?

キリスト教会は数世紀にわたり、イエス・キリストの復活を祝うために、良い金曜日の死を追悼した三日後の日曜日に行ってきました。この三日間のタイムラインは、新約聖書における数多くの言及に基づいています。イエスは何度もそれを予言し、使徒たちは福音宣言の中でそれを記しています(たとえば、マタイ12:40、マルコ8

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聖書を読むコツ:いのちの木④       ー 木の役割 ー

聖書を読むコツ:いのちの木④      ー 木の役割 ー

ノアと木創世記には二つの木が見れます。一つ目のいのちの木は、人に与えられた「神の臨在の中にあるいのちのギフト」を表しています。この表現は古代の文化においてありふれたシンボルです。二つ目の木は善悪知識の木であり、私たちすべてが神様のことに聞き従うか、自分たちのために善悪を決めるかと言う選択肢を表しています。

人類がエデンの外から追い出された後も、私たちは人類が続けて同じ間違いを「園」で繰り返してい

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