マガジンのカバー画像

ヲタクの戯言

18
本、ラジオ、アニメ、フィギュアスケート、いろいろ詰め合わせ。
運営しているクリエイター

#読書感想文

『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』読了

『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』読了

2200万DLを誇る一大スマホゲーム「FGO」、誰しも名前くらいは聞いたことがあるだろう。
でもこれはもともと、TYPE-MOON「Fate/stay night」より連なるFateシリーズのひとつだ。
このFateの世界で、どの世界線であれロンドンが舞台となると顔を出すお方の存在をご存じだろうか。

ロード・エルメロイⅡ世という男第四次聖杯戦争で征服王イスカンダルを召喚し、生存者となったウェイバ

もっとみる
【おすすめマンガ】「変わり者」の人間讃歌

【おすすめマンガ】「変わり者」の人間讃歌

『天才柳沢教授の生活』のすゝめ

(長期連載なのでベスト盤からおすすめ、と思ったら絶版という悲劇。)

主人公・柳沢良則氏はY大経済学部教授。
朝6時に起床、夜9時に就寝と規則正しい生活を送る几帳面な人物であり、法と理屈と秋刀魚をこよなく愛する人物だ。
しかし決して四角四面のツマラナイ人物ではない。
一見頑固に見えるかもしれないが、ただ理を重んじるだけなのだ。
そして理を重んじるからこそ、誰が相手

もっとみる
元・阿呆学生の戯言と自己受容

元・阿呆学生の戯言と自己受容

我ら元・阿呆学生のバイブルが課題図書とあらば、もう万難を排して記事を書かねばならぬ。恋人が泣き縋ろうが、上司が怒鳴り込もうが、この任務の前には些末なことだ。だが、いささか見るに堪えない。
責任者はどこか。ここだ。

森見登美彦『四畳半神話大系』(KADOKAWA)

我こそは吉田神社の麓で無為な時を過ごし、鴨川デルタで友と日本酒の一升瓶をあけ、下鴨神社の古本市を闊歩し日々を過ごした阿呆である。

もっとみる
すべての物書きは翻訳家に学べ

すべての物書きは翻訳家に学べ

この本を多くの人に読んでもらうためなら、タイトル詐欺との批判も罵倒もすべて甘んじて受け入れよう。

岸本佐知子『ねにもつタイプ』。

何度も読み返してしまう、座右の一冊。
なんてことはない随筆に見えるかもしれない。
なにげない日常の切り取り方。
それを綴る軽妙洒脱な筆致。
その圧倒的センスに平伏するほかない。

今回は、その中でも特におすすめしたい話を2つばかり、さらりとご紹介。
1本の話で、たっ

もっとみる
「『罪と罰』を読まない」神々の遊び

「『罪と罰』を読まない」神々の遊び

さぁて、お立ち会い。手前、ここに取り出したるは、
「『罪と罰』を読まない」。

誰もが知っているといっても過言ではないドストエフスキー『罪と罰』を読んだことのない4人が集まり、自由奔放に語る試みがなんと書籍になってしまった。文藝春秋さん、腹が据わっていて敬服の至りである。
本書の魅力を、もう読んでしまった凡人たる私めがつらつらと綴ろう。

読んでないのに主人公Disさて通称「未読座談会」開始早々、

もっとみる