マガジンのカバー画像

ぽっぽのエッセイもどき

81
エッセイと呼んでもいいのか分からない。
運営しているクリエイター

記事一覧

飲み込んだコトバをカタチにする

飲み込んだコトバをカタチにする

それは承認欲求なんじゃない?
いいこと言いたい、そしてそれを認めてもらいたい、っていう。

そうなんですかねぇ。
うーん、そうなのかもしれないですねー。

そんな会話をしてから、ほんのりと、けれどずっと考えていました。わたしはどうして文章を書くのだろう、書きたいと思うのだろうか、と。

自分の気持ちをつらつらと書いたものが誰かに読まれて、その誰かの気持ちに何かが届いた証にリアクションをもらったとき

もっとみる
めくり、めくる、習慣。

めくり、めくる、習慣。

あっ という間に過ぎ去ったことなんてないのに、その背中に手を振りながら思うことはいつも決まって、「あっという間だったなぁ」なのです。

一瞬で過ぎていったモノゴトなんてないのにな。季節は移ろい、巡ってゆく。その間にいくつものシーンが生まれ、その度に感情が湧いている。

あらゆるものをひとつずつ積み重ねているはずなのに、ひとたび過ぎ去れば、あっという間だったね〜と、それをひと塊りで数えてしまうような

もっとみる
大丈夫を渡せるように

大丈夫を渡せるように

与えてもらうばかりで、更に与えてもらうことを待ち望んでいた20代前半。何故だかわたしにだけ魔法がかからなくて、奇跡も起きない。いつも待っているだけのわたしは、そんな風に嘆いていました。

20代後半に差し掛かると、与える人になりたいという気持ちが漠然と膨らんできました。これというきっかけはなかったけれど、不思議と確かに芽生えていった感情です。

そう考えるようになると、わたしは自ら行動を起こしてい

もっとみる
七色に光るジュエリーを身に纏って

七色に光るジュエリーを身に纏って

キラリと輝くジュエリーに興味を持ったことはありませんでした。そんなわたしだから、デパートに行ってどれが欲しいか見ておいでよと母から言われても、その下見を先延ばしにしてばかりいたのです。

「厄年には、親から長いものをプレゼントするんよ。何がええ?」

そう問われたのはもう1年以上も前のことで。そういえばわたしが幼い頃、母が祖母からネックレスを買ってもらっていたことを憶えています。わたしもこれは母へ

もっとみる
五年先のカレンダーに丸をつけた

五年先のカレンダーに丸をつけた

また明日!京都集合で!

終電ギリギリまでカラオケだなんて、学生のような夜を本当に学生時代ぶりに過ごした4月の日、解散した後に先輩から受け取ったひと言。

相変わらず急な提案だけど、この先輩の良くないところは絶妙にクリアできそうなラインの提案をしてくるところ。そしてどうして明日のわたしに予定がないことを知っているのか。

とかなんとか言いながらもお出かけの用意を進めるわたしは、この人の周りでは結構

もっとみる
こころウカブ珈琲屋さん

こころウカブ珈琲屋さん

あなたにとってのチャージスポットはどんな場所ですか?

なんだか元気が欲しいとき、こころが沈んでしまったとき、誰かと話をしたいとき、ふうーっと肩の力を抜きたいとき。

そんなとき、訪れたくなる場所はありますか?

人が相手に質問をするとき、大抵の場合は自分のことも相手に聞いてほしいのだ、と何かで読んだことがあります。

それがまさに今のわたし。わたしにはあるんです、とっておきのチャージスポット。そ

もっとみる
ひとり暮らし、初めての発熱の巻。

ひとり暮らし、初めての発熱の巻。

2年前の夏にコロナウイルスに感染して以来の発熱です。

ひとり暮らしで体調は崩せないぞ絶対に!という気合いと根性で1年半やって来ましたが、遂に。

今月に入って飛ばし過ぎていることは分かっていました。舞い込む業務にプラスして自分が会社でやっていきたいことに対してあれもこれもと動いた結果、ちょっと無理してしまっていたみたいです。

体調を崩したときは、きっと少し休みなさいってことだな、と解釈するよう

もっとみる
いただきます、ごちそうさまでした。

いただきます、ごちそうさまでした。

好きな日本語なんて沢山あるけれど、最初に思い浮かぶのは2つのことば。

いただきます と、 ごちそうさま。

食べることが大好きな食いしん坊一家で育ったから、この2つのことばが特に好きなのかもしれません。好きなだけではなく、大切にしていることばです。

オーストラリアでホームステイをしたとき、ご飯を食べ始めるときの挨拶は英語で何て言うの?とホストファザーに聞くと、彼はうーんと考えた後に「ない!」と

もっとみる
キレイゴトのあるセカイ

キレイゴトのあるセカイ

社会に出て、大人になって気付いたこと。世の中には悪意をもって何かをする人がいて、それを隠すためなら手段を選ばない人もいるということ。

自分を守るために他人の気持ちを簡単に踏みにじれてしまう人がいるんだと知ったとき、自分の生きる世界が汚れていると感じ、絶望しそうでした。

それでも、自分の眼の水晶体だけは濁らせたくない。世界はきっと美しいはずなんだ、と言い聞かせながらもがいた結果、わたしの心は殆ど

もっとみる
見つからない正解を求め、存在しない間違いを怖れて

見つからない正解を求め、存在しない間違いを怖れて

苦手なことがあります。

それは、仕事のグループチャット内で発言すること。

元々仕事中は仕事をする自分になりきっている感覚が強く、普段の自分が解放度100%とするならば、仕事モードの自分は解放度30%+俳優度70%といった感じです。

解放度100%の自分でいると、大抵の場合周りの人はわたしのことを天然などと呼びます。変わってる、ちょっとズレてる、発想がおかしい、と言われることもあります。

もっとみる
誕生日をいつも通り過ごして思ったこと

誕生日をいつも通り過ごして思ったこと

今年、誕生日当日はいつも通り過ごしてみようかなと思いました。昨年の誕生日は何か新しいことをしてみようと思い立って乗馬体験を申し込みましたが、今年は何となく。いや、前祝いを十分にしてもらったというのも大きいですが、普段の平日と何ら変わりのない1日を過ごそうと。そう思ったのです。

誕生日の朝、相変わらず低血圧の身体を起こしてカーテンを開けます。空が青くて、嬉しい。日めくりカレンダーをめくるのは、あっ

もっとみる
続かなかった努力が毎朝の楽しみに変わりつつある

続かなかった努力が毎朝の楽しみに変わりつつある

努力は報われるらしいけれど、努力って続かない。わたしの場合、本当に続かない。それが努力である限り。

たびたび耳にするのは、何かを続けるためにはそれを習慣化するといい、ということ。例えば朝起きて歯磨きをするように、外出先から自宅に帰った際に手洗いうがいをするように。つまり、努力をしているという感覚さえなくなってしまえば、それはもうこちらのものだと。

近年は、頑張り過ぎない頑張らないという言葉を目

もっとみる
顔を合わせて、ことばを交わして、人と生きる。

顔を合わせて、ことばを交わして、人と生きる。

数年前、感染症の流行により人と人が簡単には会えない状況に陥りました。その時テクノロジーは進化を遂げ、人と人が会えない中でも物事を進めることは可能だということに、私たちは気付いてしまいました。

社屋という場所に社員が集わなくても仕事が出来るという、いつしか流れたコーヒーのテレビコマーシャルが描いた未来は予想より早くやって来ました。概念は変わる、変えられる。システムや制度は柔軟に変化・対応していき、

もっとみる
だから私は声を掛けよう

だから私は声を掛けよう

つい先日、大阪のとある商業施設に母と出掛け、レストランの順番待ちをしていた時のことです。

母を背に前方を眺めていたら、ドタンっという音が聞こえました。振り返ると、母が床に倒れ込んでいました。驚くと同時に彼女の顔を覗き込んで呼びかけましたが、意識はあってゆっくりだけど受け応えも出来る様子。ただとてもしんどそうで、立ち上がることは難しそうでした。

その光景を見たお店の方がおしぼりとお水を渡しに来て

もっとみる