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誕生日をいつも通り過ごして思ったこと


今年、誕生日当日はいつも通り過ごしてみようかなと思いました。昨年の誕生日は何か新しいことをしてみようと思い立って乗馬体験を申し込みましたが、今年は何となく。いや、前祝いを十分にしてもらったというのも大きいですが、普段の平日と何ら変わりのない1日を過ごそうと。そう思ったのです。



誕生日の朝、相変わらず低血圧の身体を起こしてカーテンを開けます。空が青くて、嬉しい。日めくりカレンダーをめくるのは、あっという間に思えてしまう時の流れの中で1日1日を刻んでいることを忘れないように。結局後半は急ぎ足で身支度をして、電車に揺られ出社する。最近のお供はとある小説。

さて、会社に着いたらコーヒーをひと口、お仕事モードに切り替えてゆく。交わす、おはようございますの挨拶。時にディスプレイとにらめっこしたり、解決できない時は誰かに相談したり。尊敬している人との会話の中に、留めておきたいと思うことばがあったり。お昼休憩にはざっくばらんなメンバーで談笑して。

そんな、いつもの1日。嬉しかったことは、育てている植物の成長が垣間見えたこと。終業後に会社を出て見上げる空はやっぱり綺麗で、今日も頑張ったよねと思わせてくれるのでした。


オーストラリアでワーキングホリデーをしていた頃に迎えた誕生日は、この街で過ごす誕生日は最初で最後かもしれないと考えて大胆になっていたことを思い出します。その中でもとっておきのクレイジーな思い出は、駅で道を尋ねてきた人にまで自分が誕生日であることを告げたところ、電車内でその人がバースデーソングを歌ってくれたこと。しかも熱唱。わたし大笑い。

けれど今年の誕生日は、社内で顔を合わせる人にも自分が誕生日であることは告げず。元々知って覚えてくれている人たちにだけ、おめでとうと言ってもらえました。何度かの前祝いでなにかと与えてもらい過ぎてそわそわしていたわたしは、お誕生日ありがとうキャンペーンと題し、おめでとうをくれた方にありがとうのお菓子を渡していきました。誕生日当日の特別な出来事はそれくらいです。


誕生日をイベント化せずいつもの1日として過ごして思ったことが、ふたつあります。

ひとつ目は、日常にはありがとうと思えるコトやモノがたくさん在ること。

朝が来ること、晴れた青空、すてきな小説、おいしいコーヒー、会社という場所、挨拶を交わす相手、ごはん、何気ない会話、取り合える連絡。

立ち止まらなければ見過ごしてしまいそうなコト、当たり前のようにそこに在るけれど実は確約されていないモノ。そういうコトやモノに囲まれて、たくさんの人のおかげで、わたしは今日も1日を過ごせている。そんなことを、じんわりと感じていました。

ふたつ目は、自分で行動しないとやはりドラマは起きないということ。

オーストラリアでのクレイジーな思い出も、自ら声高々に誕生日宣言をしなければ起こり得なかったことのひとつ。あなた誕生日ですよね?なんて、特殊能力保持者でもない限りこちらが黙っていても当ててくれる人はそういません。

それは誕生日に限らず。自分の感じていること、やってみたいと思っていること、夢みているもの、それらは声に出して初めて誰かに伝わります。いや、自分が自分の心の声に気付くのさえ、それらを口にしたり書き出したりした時が初めてかもしれません。頭の中だけでぐるぐる考えている内は、そのイメージは形取られていきにくいものです。

敢えて何もしない誕生日を過ごして、改めて思ったこと。ドラマは、自分で起こしていこう。それも、うんと素敵なものを。思い出し笑しちゃうくらい、面白いものを。時には周りの人を巻き込んで、映画化だってされそうなものを。


訳もなく憧れていた27歳を思いきって生きた後、果たしてこれからの人生であの時間を超えるような充実感のある日々を過ごせるのかと途方に暮れた時期もありました。まさに燃え尽き症候群のような感覚でした。

そんな時期を経て今思うことは、今がいちばん楽しいということです。楽しさの中には、大変さも含まれています。そこから学べることがあるということも楽しさのひとつ。学生時代のような、青春と呼べそうな時間って、十代だけのものではない。いくつになっても、それを求めて行動さえすれば、きっと得られるのだと感じています。

誕生日が4年に1度にならないよう文字通り命懸けで頑張ってくれた母にたっぷりと感謝しつつ、わたしは与えてもらったこの日々をこれから先も楽しんでいこうと思います。本当に、産んでもらえてハッピーだなあ。その気持ちは、夜に電話をかけて伝えました。お誕生日ありがとうキャンペーンです。

せっかく重ねてきた年齢を無視することはできないけれど、年齢に縛られることのないように。ありがとうの気持ちといつでも自分の言動次第でドラマを起こせることを忘れず、1日1日を重ねていきたいです。


じっくり読んでいただけて、何か感じるものがあったのなら嬉しいです^^