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海外生活振り返り日記-ニュージーランド前編-#18

ワイヘケアイランド

 友達がニュージーランドに来てから5日目。この日はオークランドにある離島のワイヘケアイランドに行ってみることにした。
 ワイヘケアイランドはワインで有名な島で、ランギトトアイランドの近くにある島だ。自然豊かなワイナリーの風景が見れるということで面白そう。島の色々な場所にワイナリーがあり、そこに併設されたレストランやお店でワインテイスティングが出来る。島をまわるのにレンタカーを借りた方が便利なのだが、この日は皆でワインテイスティングをする予定だったのでバスと歩きでまわることにした。
 太陽がサンサンとした中歩いてるのは我々くらいで、田舎の方は車もあまり走っていなかった。太陽で思い出したがニュージーランドはオゾンホールのあるオーストラリアから近いため紫外線が日本の7倍強いと言われて、ホストファミリーも毎朝欠かさず日焼け止めを塗っているのだが、焼けるのが嫌だとかシミになるのが怖いとかそんな生優しい理由ではなく皮膚がんになるリスクがあるからである。学校の先生の中でも親戚が皮膚がんになった人がいたらしく、我々生徒にも気をつけるよう言っていた。ニュージーランドでは結構身近な問題らしい。

 話が逸れてしまったが、ここワイヘケアイランドでは歩いていてワイナリー以外お店をあまり見かけなかった。折角遠くまで歩いたのに閉まっているワイナリーもあったりしてがっかりしたが、こんな所にあるの!?というワイナリーもあればしっかりとした高級レストランの様な所もあって面白かった。印象に残っている所は、見晴らしのいい小高い丘の様な所で、大きなクッションやソファーが芝生の上に直に点々と置かれ、自由に座って海を眺めながら食事やワインを楽しめるレストラン。広々と開放的な感じで良いなと思ったが残念ながらこの時席が空いていなかったのと、一番初めに辿り着いたレストランという事もあったので他も見てみよう、と別の所へ行く事にした。
 そして我々が選んだワインテイスティングが出来るお店は、外の芝生に座りながらピクニックの様に楽しめるような所だった。入り口にはカラフルな花が咲いていて可愛らしい。ちょっと小ぢんまりとした隠れ家のような、誰かの家の裏庭の様な雰囲気だった。芝の生えた小さな丘のような場所に何本か木が生えていて、その木陰でゆったりとくつろぎながら5種類のワインを楽しんだ。周りも芝生に寝そべりながら楽しそうに過ごしている。私はお酒は弱いのでちびちびと飲み、どれが美味しいのかよく分からなかったが、自然の中で友達とゆったりと過ごせたのがとても楽しかった。
 日陰とはいえ夏なので暑さでアルコールの回りもよく直ぐに真っ赤になる。普段お酒に強い友達もそのせいで気分が悪くなっていたらしい。だがそんな素振りは一切見せていなかったので、誰もその事には気が付かず、その後島の浜辺で帰りのフェリーの時間まで遊んでいた。
 最近になって3人で当時の思い出話をしていたらその時物凄く気分が悪くて歩きながら人知れずひっそりと吐いていて大変だったと打ち明けられ、8年越しに私ともう一人の友達は今更ながらとても驚いた。しかし8年経ってもあの島を思い出して楽しかったねと語り合える友達が居るというのは本当に良い。一人で旅行も楽しいが後になって思い出を共有できる人が居ると嬉しいし記憶も鮮やかに蘇る。

 この日は暑い中沢山歩いたので3人とも疲れ切っていた。フェリーで街に戻った後どこでも良いから近くで休みたかったのでスーパーにあるカフェで大きなミルフィーユを食べて一休み。
 2人は次の日の朝日本に帰るという事でここでもうお別れ。今思うと何で空港まで見送りに行かなかったんだろうと思ったが、多分朝早過ぎて家からのバスがなかったのか、もしくは2人いるから大丈夫だろうと信じて行かなかったのか忘れてしまった。
 5日間の小旅行は彼女たちにとっては日本からの大旅行。見ていた景色は同じだったが見え方や感じ方は同じだっただろうか。普段日本で仕事をしていたら遠くの友達と3ヶ月会わないことなんてよくある事だが、ニュージーランドに来てから3ヶ月ぶりの友との再開は本当に嬉しかった。

つづく

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