公務員の災害発生時のこと #2
今日は大きな地震がなかったので、ほっとしてます。
ペットボトル飲料が品切れしているようですが、必要な量を考えて備蓄してほしいな…と思います。
そして、南海トラフ地震であれば、今後2.3年は警戒が必要なので、これで終わらず防災意識を持ってもらいたいです。
医療救護所って知っていますか?
行政の防災対策と言っても実は細かく分かれており、私は保健師だったので「医療救護所」の運営が仕事でした。
医療救護所とは、病院が被災して普段の医療が行えない状況になっても、医療崩壊を生まないように行政が開設する臨時の病院のようなものです。
こちらでは簡単な治療と、重病者を大病院へ送るための「トリアージ」を実施することが主な役目です。
医療救護所にあるのはわずかな薬と外科道具ですので、ケガをして医療救護所に来たとしても思ったような治療はおそらくしてもらえません。
そして、ひどいけがをした人から大きな病院に運ばれ、基本的には避難所や家に帰ってもらうことになります。
医療救護所があるから安心です!ということではなくて、ケガについても基本的には自分で何とかしましょうということです。
ここに来る予定の医師だって被災者です。看護師だって来られるかはわかりません。
どれだけ体制を整えても、やっぱり自分の身は自分で守る!です。
担当者研修会で
県下の担当保健師が集まる研修のなかで、「防災関連の仕事のやりがいがないんです」といっていた方がいました。
海沿いの地域の担当者で「地震による津波が発生したら、うちの地域は乾いた土地がほとんどなくなる。立ち入ることのない山しかない」と言っていたことに驚きました。
津波避難のタワーや、高床式にした倉庫もあるが、最悪の被害想定では何人の職員が生き残れるのかわからないですとも言っていました。
なんだかかける言葉もなく、「ほとんど流されちゃうのに備蓄ってのもな…って思っちゃうんです」と苦笑いしていました。
「最悪な状況」だけをイメージしないで
では、どうせ流れちゃうから何もいらないか?と言ったらそんなことはないです。
あくまでそれは「最悪な状況の時」であり、実際そこまでではない可能性の方が大きいのだと思います。
被災というと、テレビで繰り返し報道される「今回の地震で最大の被害があった街」をイメージしてしまいますが、実際はその周辺の「建物崩壊はしなかったが、断水・停電は続いて大変だった地域」だって多いんです。
家が潰れたら何も出せんし、流されたら終わりだし、ではなく「数日の断水・停電に備える準備」で十分なんです。
台風でもライフラインはあっという間に止まってしまいます、これからのシーズンに向けて少し対策しても良いと思います。
この後は具体的な備えのお話や、災害派遣に行った話、防災訓練でのことなど、もう少し災害のお話をしたいと思います。
今日もお読みいただきありがとうございました。