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感情のエッセイ

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気持ちを込めて書いた文章
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#酒

滲む酒

滲む酒

友達に会いに新潟に行った。初めての土地で、初めてのお酒を交わしに。



その日は夜勤明けだった。急いで家に帰ってシャワーを浴びる。
綺麗な自分を見てほしい。それなのに、男の体というのは髭も生えれば汗も臭う。
洗いたての自分に満足するけれど、到着する頃には汚くなっちゃってるんだろうなって、すこし陰る。

最初こそ運転したものの、ほとんど嫁さんの運転でホテルに着いた。はじめは一人電車で行くと言って

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びしょ濡れの僕らと飲み干せない友情

びしょ濡れの僕らと飲み干せない友情

盆に友達四人で宅呑みをした。場所はいつもの、山小屋みたいなアパートだった。

暑い日差しの昼過ぎ。皆が揃うと、時間などお構いなしに宴は始まった。ローテーブルに買い出ししてきた惣菜を雑に広げ、グラスにビールを注ぐ。

一人一人とはたまに遊べても、中学校の友達4人が全員揃うタイミングは少ない。こうして集まって、皆の顔をみながらグラスを鳴らせることがとても嬉しい。
前は肉ばかり並んでいた机に、いまはゴ

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冷酒のように味わって

冷酒のように味わって

夜。風呂上がりに涼もうと外に出る。ひんやりとした風が気持ちいい。
月がでている。そこいらのコンクリに腰かけて、ゆっくりと味わうように息をすいこむ。

日中に揮発した草や土の水分がいっぱいに溶け込んだ空気。ゆっくりと冷やされたそれが、ひとつの贅沢として僕をみたしていく。

あぁ、夏の夜の匂いだ。

季節を彩る香りのなかで、最も芳醇で豊かな味わい。味わうごとにいろんな思い出が通り抜けていって、火照った

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ながら

久しぶりに音楽をかけながら文章を書いている。それだけで、いつもと違う夜だ。

普段は大抵アニメを見ながら書いている。アニメが面白ければそっちに集中して、文章が乗ってきたらアニメを止めて。どっちも普通だったら並行したりしている。

もっと言えばAVが流れている時もある。過去のnoteの中には、合間に自慰が挟まれたものが沢山ある。
まじめな文章でも、制作現場が煩悩まみれでちょっと面白い。

高校

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