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煩悩のエッセイ

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力を抜いたアホな文章
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#夏

いつかの夏に乾杯を

いつかの夏に乾杯を

ビールがおいしく飲めるようになったのはいつからだったろう。よく覚えていない。

はじめてその味に触れたのは、親父にちょっとだけと言ってもらったのだったか、お茶と間違えて飲んだのだったか。
いずれにしろ、衝撃的にまずく感じたことだけが確かだ。

毒だ。これは毒だと思った。これを喜んで飲んでる大人達は頭がどうかしてると思った。

それでも周りがやたらとうまそうに飲むものだから、なにか秘密があるのだろう

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蛾のおっぱい

蛾のおっぱい

虫が多い。梅雨で、ムシムシしているから。

おまえら今までどこに隠れてたんだってくらいいる。
車にはいつのまにか蜘蛛の巣ができてるし、家の扉をあけるとそのまま蛾が入ってくる。ここはおまえんちじゃねーよ。

今日も会社から帰ってくると、玄関の前にミドルサイズの蛾がいた。たまーにこの世の邪悪を詰め込んだような柄とサイズのヤツもいるから、それに比べりゃかわいいもんだ。
それに、蛾ってのはある程度の大きさ

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車内という地獄の中で

車内という地獄の中で

諸事情で自家用車をヴォクシーに変えることになり、現在は代車に乗って生活している。

それはトッポBJという古い軽自動車。新社会人の頃、はじめて自分の車として迎え入れた車と同じ系統の車である。ちなみにそいつはタウンビーという名で、出目金のようなライトが最高にキュートな相棒だった。金が腐るほどあるなら今でもあいつに乗りたい。

そんな愛着のある車の兄弟なので、懐かしいなぁ、と思っていた。だが、そんな懐

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