Try & Error ③ | プロダクトをいちから創り・送り出すプロセス
前回の記事では部品発注までだった、PEBLWEAR FLAME 開発裏話のつづき。
今回は生産から出荷の道のり、いままで以上に「つくってる」感のある内容を写真多めでお届けします。
部品発注から2週間ほどすると、量産に必要な部品がどんどん手元に届く。これまで設計してきた部品がずらっと詰め込まれた段ボール箱を開ける時は、緊張感と嬉しさが入り混じった感覚。一通り部品の仕上がりが問題ないことを確認して、まずは電気部品の組み立てに取り掛かる。
いきなり沢山の数量を組み立ててしまうと、間違いがあった場合に修正が大変なことになるので、まずは1個、次は10個、と、じわじわモードで組み上げつつ一通り生産の練習。すると課題がいくつか見つかる。発注前に気がつけば良かった。。事前には色々な場合を想定して設計から発注まで行ってはいたものの、まだまだ用心が足りない。
この辺りでは気持ちの余裕はだいぶ無くて、、脳内整理に踏み切る。ああしたらいい、こんな時は、とか考えが巡ったコトを整理して、次のアクションとして紙に定着させていく。 考えを物理的に取り出していくことで、頭の中でグルグルするよりずっと生産的なのです。
試作品の挙動や資料を見返すこと数日。何とか課題の対応方法を導き出すことができたものの、出荷までのスケジュール感も考えると試作して、量産用に発注して、という時間軸では時間がかかりすぎる。冷や冷やしつつも少々のリスク含みで100個単位で修正部品を発注。数日後届いた部品を量産試作に取り付け想定通りに動作したことをチェックできたところでようやく胸を撫でおろし、本番数十台の制作に取りかかる。
ずらっと並んだ半完成品を前に気になってくるのは、完成した製品が本当にお客様の手元で想定通りに動いてくれるか、というところ。外観や形状が機能のすべてのコップや椅子とは違って、電気製品には機能や使用パターンが多くあり(そこが売りなのだが)作る方から考えるとそのぶん確認すべきポイントが多い。
ポータブルランタンとしてスイッチの操作できちんと点灯消灯するか、にはじまり、コンセントやバッテリー、PCからの充電。アプリからの操作。電力消費が想定通りか、などなど。半製品の状態から機能確認を行いつつ仕上げていき、完成となったらまた一通り確認。送り出す前にこれでもかという程確認をしておかないと、落ち着かないのだ。お手元に届いたその瞬間から、喜びを感じてもらうために、胸を張って送り出すために大事な作業。一つ一つ丁寧に仕上げ、梱包していく。
そんなこんなでやっとこさ発送まで漕ぎ着けた。梱包材にも環境負荷を低減する色々な工夫を盛り込んだ。
発送先は日本、アメリカ、イギリス、オランダ、スエーデン、チェコ
チェコのどの辺?→プラハ...
出荷はちょうどゴールデンウィーク。自らお届けに伺いたかった、オリジナルプロダクトの旅立ち。
輸出や輸入の検査で止まってしまわないかな、とかお客様のお手元に無事に届いたかな、とか。発送してからも心配が絶えないモノづくり。
お客様から到着と喜びのお便りを頂けたときには何よりもうれしく、本当にほっと胸を撫でおろして、肩から重いものが降りた感覚に。
プロジェクトをサポート頂いた皆様へ。ありがとうございます。
大量生産とは異なり、一つ一つの工程に自ら関わり仕上げていく適量生産。
何をどのように作り出すか、作り手として全てのプロセスに細い配慮を重ねる。複雑な工程の中で普通は見過ごしがちな色々なことに気づき、反映していく。
こうして創り上げたものが、楽しさや心地よさにつながることを信じて。
モノや情報で溢れる今だからこその、モノづくり。
届いて終わりではなく、使い続けることでじーんと喜びが続くように、これからもアップデートを重ねていくぞー。
そう。何を隠そうこの製品、アプリを通して機能のアップデートができるように仕込んでいて(これを実現するために設計段階で相当な苦労が)使ってもらいながら、進化も続けられるポータブルランタンなのです!
そんな普通ではないポータブルランタンの詳細はこちらから。
そして。
もうすぐリリースのKickstarterプロジェクト
ここでこっそりとリリース。
イベントでの先行展示では好評を頂きつつ準備を整えてきた TENTさんとのプロジェクト。裏話も含めまたnote記事にしていきたいと思います。
PEBLWEAR | クリエイター
赤塚 雄平
PEBLWEARついて
プロダクト作家がつくった2022年度グッドデザイン賞受賞のプロダクトブランド。1点ずつハンドメイドのウェアラブルリモコンなど。リンク先から製作オーダー頂けます。
Made in Matsumoto Nagano Japan.
オリジナルブランドのプロダクトは日々の暮らしやフィールドで使い込むことでより良いプロダクトへ。実際のフィールドで実際に役立てることで見えてくる使い方や気づき。そこから生み出される、ミニマルで心地いいプロダクトを目指して、日々開発と制作を行っています。
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