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下町風俗資料館に展示されている吉原遊廓の模型(三浦屋)を観て思ったこと

下町風俗資料館に展示されている吉原遊廓の模型(三浦屋)を観て思ったこと

台東区上野公園内にある下町風俗資料館の企画展『「江戸風俗人形」の世界 〜建物・人形・小物の三位一体の妙〜』(会期:2019/12/7〜2020/2/24)を観てきました。

同展では吉原遊廓にあった妓楼・三浦屋を再現した模型(建物・小物・人形)が展示されており、SNSでも遊廓に興味のある人たちを中心に少し話題になっていました。

どのように時代考証されたのか?私は一点、気になりました。それは考証で

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私は遊廓を取材したいです。活動費のサポートをお願いします。

私は遊廓を取材したいです。活動費のサポートをお願いします。

はじめに2010年前後から、かつて国内全域に偏在した娼街(遊廓、赤線など)の取材を続けています。昭和33年に全国(沖縄県を除く)で施行された『売春防止法』から半世紀以上が経ち、現在では建物や文献といった記録はもとより、当時を知る人々も鬼籍に入りつつあり、記憶もまた急速に失われつつあります。

こうした時代背景から「遊廓の歴史が失われる」といった言葉も散見されます。一方で、Amazonで検索すれば、

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住職にたしなめられた話と歴史の自照性/取材記(2022/9/25)日光例幣使街道・倉賀野宿

住職にたしなめられた話と歴史の自照性/取材記(2022/9/25)日光例幣使街道・倉賀野宿

中山道・倉賀野宿を取材しました。当宿は中山道と日光例幣使街道との分岐にあたり、また利根川水系の最上流にあたる河岸を備えていたことから水運の街としても栄え、飯盛女が多かったことでも知られています。

飯盛女の墓や寄進物が遺されている寺院と神社をそれぞれ4寺、3社尋ねました。今回に限らず、取材先のそれぞれの寺社仏閣では、墓(ないし寄進物)の有無と、撮影許可をお尋ねするのですが、今日はあるお寺でお断りを

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テレビ東京『出没!アド街ック天国』からの失礼な依頼に関して(2023/6/1追記〉

テレビ東京『出没!アド街ック天国』からの失礼な依頼に関して(2023/6/1追記〉

※2023/6/1追記。番組担当者から謝罪の連絡を頂戴しました。本稿はもとより個人を指弾する目的ではなく、テレビ制作における外部協力者が受ける不条理を実例を持って示すことが目的でしたので、謝罪の有無にかかわらず、すでに私の目的は達しています。加えて、今回頂戴した謝罪はこちら恐縮するほど丁重なもので、その意味でもこの記事を元にして、関係者および第三者に迷惑が及ぶことを望まないことを再確認します。一部

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非道の独裁者、原動力は「怒れる正義」だった _feat.ヒトラー<アンガーマネジメント編 #2/3>

非道の独裁者、原動力は「怒れる正義」だった _feat.ヒトラー<アンガーマネジメント編 #2/3>

「許せないことが多すぎる……!」

いつも怒っている人について、「個人の倫理観が暴走している状態」という話を前回しました。
前回はコチラ▷▷▷ 「許せない」「ありえない」は暴走のはじまり _feat.ロベスピエール <アンガーマネジメント編 #1 /3>

倫理観が暴走してしまうといい結果にならないということをまとめました。もう1人、その暴走が世界中を巻き込んで不幸にした「倫理観暴走タイプ」を紹介し

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島での弔いのかたち

島での弔いのかたち

「本当は恐ろしい映画『めがね』の話」 で、与論島の死生観についてちらりと書きました。今回はその話。

 与論島に火葬場ができたのはなんと平成15年、ということは2003年。そう、21世紀に入って、初めて火葬という文化がもたらされたのです。それ以前は、ごく一部の希望者が隣の沖永良部島、あるいは沖縄まで運ばれて火葬された他は、かつて全国で広く行われていたように土葬で死者を弔っていました。
 ただ、ちょ

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週刊漫画Timesを読んでいる。

週刊漫画Timesを読んでいる。

この雑誌を読み始めたのは、青木幸子「茶柱倶楽部」を横浜の有隣堂書店の地下で見かけて買ってみて、面白いから連載でも読んでみようと思ったのがきっかけなので、多分2012年ごろから読んでいると思う。その間にもだいぶ連載陣は変わったのだが、二つ続いているのが石井さだよし・星野茂樹「解体屋ゲン」と梶川卓郎「信長のシェフ」だ。宇治谷順・向後次雄「なみだ坂診療所」も長期連載だ

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「林檎の樹」と「夏の葬列」

「林檎の樹」と「夏の葬列」

ほんの感想です。 No.50 山川方夫作「夏の葬列」 昭和37年(1962年)発表

「国木田独歩がゴールズワージーの影響を受けた」という記憶があり、ゴールズワージーの「林檎の樹」を読んでみました。しかし、どうもおかしい。

「林檎の樹」は、イギリスのある小さな町を舞台に、若い男女の初々しく始まった恋が熱を帯びる様を描いています。しかし、それだけで終わらない、「絶対に後半を見逃すな!」という内容だ

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