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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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#tanka

あくまのこ

心臓にまで染み込んでいる煙草の匂いが未だにどんな匂いか分からない、わたしは獣じゃない、かといって魔女でもない、
いつか魔女にあったとき、その甘い香りでそのことにきっと気づいてしまう、それがかなしい。
 
 
無花果をゆっくり食べる心臓に甘い匂いが染み込むように
 
 
指の先にまで流れている激情の炎のことを血液と言うのなら、わたしはやっぱり悪魔の子なのかもしれなかった、それならそのほうがずっとよ

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スパイス・オブ・ライフ

 
さみしさを重ねるたびに背は伸びてサンドイッチは整ってゆく
 
 
わかぞうはおやぶんになり君はずっと愛しい子どものまままた春が来る
 
 
Variety is the spice of life. 転がるボールはまた君の手へ
 
 
開かれた本は白紙で童話より近くで光るぼくらの宝
 
 
ミライへはゆっくり行こう思い出を詰めたリュックは重いだろうし


(愛してやまないポケモン

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猫になりたい / スピッツ短歌

猫になりたい / スピッツ短歌

薄闇の衛星みたいなダイニングきみの声ばかりひかってしまう

もう湯気はたたない青いマグのなか異国の浜辺に似ているミルク

さみしさは季節みたいにめぐるからだから言い訳にちょうどよかった

言葉など役にたたない肌寒いソファーのうえの甘いまぼろし

このあいだ猫に引っかかれたんだよねさわれない腕消えかけのキズ

『こいびとは犬と暮らしていたらしい』

胎教もスピッツにしたいねと笑ってはカラオケでわたし

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Home, Sweet Home

Home, Sweet Home

昼時のニュース刺したひと、刺されたひと、そのどちらにも似ているわたし

身を投げるならば綺麗な海がいいマイストローを洗う水音

焼いたことないものだけが永遠でつぶれたシフォンを思い出す犬

果物を切るためだけにつくられたナイフみたいに光りたかった

切りたての桃をひとかけ盗むようにこっそり大人になってゆくこと

プラスチック・ミューズ(ver.T)


神様はわたしの睫毛をのばさないきりんの首をのばしたくせに


カブトムシ歌うあの子のサンダルのヒールを折って角にする夢


星よりも愛したいんだよイルミネーションまぶたが勝手に光るわけない


天使でもないのにあの子は愛されて頭に輪っかをもらったらしい


アイライン伸ばした分だけロケットは遠くの星に行けるって噂










Kitchen Singer

Kitchen Singer

ぎんいろの蛇口をひねるごと願う冷たすぎずにありますように


ぎこちないメッセージアプリ不器用に林檎の皮をむくようにして


空腹と間違えたくて間違ったおなかのあいたような淋しさ


ごみ箱も余剰だよって笑ってるカヌレの包みがひとつこぼれる


真っ白なお皿は落ちて星になる今日のぶんの心臓割れちゃった


卵から産まれてないからためらわず卵を割れるひとのオムレツ


侘し

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【短歌】イマジナリー・ギャルズ・ワナビー

【短歌】イマジナリー・ギャルズ・ワナビー

いつまでも落ちない体重あたし以外みんな翼が生えてるんでしょ

理由とかなくてもケーキ食べたいねハッピーバースデーのオルゴール

輪郭を沿わせて彼を駄目にするソファーになるためにやわらかいのに

ダイエットアプリのために買うサラダAIにさえ舐められたくない

ふくらんだ自尊心しまえないだろうし小さい鞄は買えないでいる

飛べなくていいよと言われるためだけに飛びたいふりをペンギンもした

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スーパーマーケット・ドーン

スーパーマーケット・ドーン

スーパーでお菓子売り場に捨てられたちくわを群れへと帰す仕事です

生きたまま腸に届かなくてもいいやさしいだけのはちみつヨーグルト

パック寿司先輩がそっと割引のシールをくれて少女を辞める

来週を迎えられない気分でも卵が安くて木曜は春

ぼんやりとひかるスーパーをあとにするおじさんぼんじり二本ください

cannot望郷

cannot望郷

東京をトーキョーと呼ぶじいちゃんはけむりになって町を出てった
 
 
ふるさとと呼ぶには少し億劫な町で蛙は揚々と鳴く
 
 
腹痛に子宮を余らせる朝わたしを産んだひとが割る卵
 
 
腐敗でなく発酵としてふくらんだ身体で焦げたパンの骨をひろう
 
 
見なくてもよかったニュースいなくてもよかった回転寿司屋のPepper
 
 
なくてもいいものだけ詰めてたクッキーの缶にわたしを入れて抱いてる
 

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未・革命

タイムイコールマネーのくらし喫煙所には寿命屋がたまにいるらしい

有り金をはたいて買える数日じゃ消化できない積読の丘

病名がつくのもつかないのもこわい病院は隣町にしかない

降りたことない駅が減っていくたび逃げ場をうしなうような気がする

馬鹿にしか見えない電車ぼくだけをおいて列車は幸福駅へ

別れたら死ぬって泣いてた別れても死なない元カノより重い病

ご近所の夫婦喧嘩で心臓が逆再生

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泣けるほどおいしいだけで未来などおしえてくれない占いグラタン(0815)

このあいだいったばかりのライブハウスが閉館するらしい、気づいたらタイムラインからたぶん、リプライで話したことのあるひとが消えている、誰かが分岐点に立っているあいだ、ぼやけたまま変わらないわたしの生活、雑なお弁当の占いグラタンの星、よっつ、よっつもあってうれしいね、よりも、ひとつ欠けているな、と、先に思ってしまうこと、感性が豊かねって、褒めてくれるひとがもしいたとして、わたしは、そのひとの明度の高さ

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えぶりでい決行前夜

踏切のあぶないですよの音までがしんでしまえに聞こえる朝は


狂わないことと狂ってしまえないこと最寄り駅ホームの清潔


スイミングスクール通えばよかったな息もつけない人の波、波


夕焼けがやけに赤くてきれいだしぼくたちもっと軽率でいい


あの川へスマホを投げてやわらかに行方知れずになってしまえば


歯を磨き白いベッドに横たわり電気を落としてころした羽虫


おだやか

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ネオ・丁寧な暮らし

ネオ・丁寧な暮らし

化粧水飲んじゃいたいな子宮まで乾燥してる(ような気がする)  

花ひとつない家だけどブラジャーの薔薇が咲くから今日はしとやか

即席の愛をふりまく彼のよに名のないクマのほこりを払う
 
お皿にはうつしてやらないバターケーキ落としたかけらがいつかなる星

くたびれたこころにだけはやさしくて身体に悪いネオ・丁寧な暮らし




ねじのゆるんだ眼鏡を拭うところからはじまる生活、の、堕落を軽蔑す

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メアちゃんはそんなに青くない

メアちゃんはそんなに青くない

 
教室は世界のくせにグッピーの水槽よりもずっとちいさい

感情の8割恋と反抗にすり替えられちゃう赤いセイシュン
  
500円あれば佐々木は過去になるメアちゃんは走るのが速い

恋なんてわからないからもう全部花占いに決めてもらおう 
  
カラフルな広告紙に落ちていくかつて前髪だったものたち
 
校則といっしょに破ったスカートの切れ端でぬぐうミルクティー甘い

 
ツイッターのタイムラインにメア

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