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高校英語教員。好きなもの→中日ドラゴンズ、フットボール(ペップ・グアルディオラ、マルセ…

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高校英語教員。好きなもの→中日ドラゴンズ、フットボール(ペップ・グアルディオラ、マルセロ・ビエルサ)、ブラック・ミュージック(ブルース、R&B、ソウル、ジャズ)、ギター、村上春樹。

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    真の指導者、教育者である落合博満氏に強く影響を受けた高校英語教師が、日本の教育の矛盾をつきます。英語教育ネタが中心。

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記事一覧

文構造の謎、再び

受験英語界では「英文解釈」というのは、英語の文章の中の文1つ1つを「構文解析」つまり、主語、述語動詞、目的語、補語、修飾語句を指摘するような「読み方」が必要と言…

すーじー
2年前
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文構造は宗教

高校で英語を教えていると、やたらと「文構造」と言われます。読解の時は「文構造」をしっかり教えないと読解力がつかない、とか。生徒はわからない文があると「文構造がわ…

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3年前
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読書メモ『脱属国論』

https://amzn.to/3093be6 アメリカが日本の同意なしに在日米軍基地を使って他国への攻撃を始めた場合、日本はアメリカの後方支援としてアメリカの戦争に立派に参加してい…

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3年前

アンチ単語帳

この時期になると、あわてて単語帳を勉強し始める高2を毎年見ている。 彼らのパターンとしては、高2の「センター同日模試(今は「共通テスト同日模試)」というやつ、つ…

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3年前
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文構造という病

高校の英語ではやたらと「文構造」を理解することが大事と言われる。 英語の先生は大好きだけどほとんどの人が大嫌いなS, V, O, C, Mとか、どこがどこにかかっている、と…

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3年前
4

大学入試共通テスト 英語について

早速やってみましたけど。 つまんない。くだらない。読む気がしない、が第一印象。 文法問題がなくなったのは歓迎しますが、リーディング問題の内容がしょぼすぎる。 こ…

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3年前
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ORTで学ぶ高校英文法 Stage 2 The Wishing Well

高校英文法の「ハイライト」とでもいうべき「仮定法」。難しい英文法の代名詞みたいになってますが、普通に日常的に使う用法であって、そんなに難しいわけではないと思いま…

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3年前
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大学入試の下線部和訳について

大学入試の定番に「和訳」がありますが、長文の中でいくつかの文に下線が引いてあって、その部分を和訳するというのがよくあるスタイル。で、こういう問題なんですが、果た…

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3年前
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受験英語のカリスマを考える #1

この本なんだけど、結構多くの学校で採用している。で、例文丸暗記の小テストを毎週やるというわけ。 100文に凝縮ってすごいなあ。さらに東大合格者が最も信頼を寄せる…

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3年前
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文法学習の弊害

ほんとに英語の先生文法好きだよね。ある生徒から聞いたんだが「〇〇先生はフォレストが大好きで、どこへ行くにも肌身離さず持ってるって」。 キモくないですか。 いや、…

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3年前
3

辞書指導について

高校生20人ほどをスペインホームステイプログラムで引率したことがある。生徒たちは午前中語学学校で授業を受ける。オレはやることがないので、授業を見たり、語学学校の…

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3年前
1

「学習」「指導」からの脱却

結局、日本の英語教育がうまくいかない、つまりいくら「教えて」も「英語が使える」人間が育たないってのは、生徒側から見ると「学習」から抜けられない、教える側からみる…

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3年前
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生徒を見るということ

英語の授業で生徒に音読させるってのは、どの先生でもやってると思うんだけど、生徒が音読させているとき、先生って何やってるかという話。 ほとんどの先生は教科書を見て…

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3年前
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発音指導について

発音指導ってどの程度必要なんだろう。こないだ「ある中学の先生は、中1~中2までに、徹底的に発音指導をしている。例えば、thを大げさに舌を歯の間から出させて全員でき…

すーじー
3年前
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文構造の謎、再び

受験英語界では「英文解釈」というのは、英語の文章の中の文1つ1つを「構文解析」つまり、主語、述語動詞、目的語、補語、修飾語句を指摘するような「読み方」が必要と言われている。「文構造」の分析ってやつ。

「文構造」がわからないと文の意味が正確にとれないということになっている。

でも、オレは逆だと思っていて、意味がわかるから文構造がわかる、つまり意味が先だと思うのだ。もちろんいろんな文構造のパターン

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文構造は宗教

高校で英語を教えていると、やたらと「文構造」と言われます。読解の時は「文構造」をしっかり教えないと読解力がつかない、とか。生徒はわからない文があると「文構造がわからない」と言います(ずっと文構造を教わってるからね)。

でも、英語を読む、高校の場合は特に入試の読解問題を読むときに文構造の理解が必要かずっと疑問に思ってます。

今教えている教科書にこんな文がありました。

In Japanese

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読書メモ『脱属国論』

https://amzn.to/3093be6

アメリカが日本の同意なしに在日米軍基地を使って他国への攻撃を始めた場合、日本はアメリカの後方支援としてアメリカの戦争に立派に参加していることになる。自動的にアメリカの戦争に巻き込まれ、敵国からの反撃を受けるリスクを背負うことになる(p.25)。

北朝鮮ですら国際法を守っている。「火の海にしてやる」といっても「原発を狙ってやる」とは言わない。原発へ

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アンチ単語帳

この時期になると、あわてて単語帳を勉強し始める高2を毎年見ている。

彼らのパターンとしては、高2の「センター同日模試(今は「共通テスト同日模試)」というやつ、つまりセンター試験(今は共通テスト)の問題を高2でやってみるというやつで、あまりにできなくて「こんなんで受験間に合うんだろうか」とショックを受けることから始まる。

で、単語知らな過ぎて文章が読めない→とりあえず単語だ!

となるわけ。

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文構造という病

高校の英語ではやたらと「文構造」を理解することが大事と言われる。

英語の先生は大好きだけどほとんどの人が大嫌いなS, V, O, C, Mとか、どこがどこにかかっている、とか。

生徒も「文構造がわからないと英語は読めるようにならない」と言われているので質問に来ると「文構造を教えてほしい」と言う。で、しっかり教えたうえで意味を言わせる(か、和訳させる)と、ちょっと何言ってるかよくわかんないことを

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大学入試共通テスト 英語について

早速やってみましたけど。

つまんない。くだらない。読む気がしない、が第一印象。

文法問題がなくなったのは歓迎しますが、リーディング問題の内容がしょぼすぎる。

これって大学入試ですよね。つまり、大学で必要な英語力があるかないかをテストするんでしょ?それが何でこんな内容になるわけ?

全部和訳している親切な方がいるので、こちらをざっと読んでみてくださいな。

ちなみに6年前のセンター試験はこんな

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ORTで学ぶ高校英文法 Stage 2 The Wishing Well

高校英文法の「ハイライト」とでもいうべき「仮定法」。難しい英文法の代名詞みたいになってますが、普通に日常的に使う用法であって、そんなに難しいわけではないと思いますよ。要は慣れの問題じゃないですかね。

ORTでもStage 2で早速出てきます。これ。

Biff, Chip and Kipperがそれぞれ、

I wish I had ... 「...があったらいいなぁ」

とmaking a w

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大学入試の下線部和訳について

大学入試の定番に「和訳」がありますが、長文の中でいくつかの文に下線が引いてあって、その部分を和訳するというのがよくあるスタイル。で、こういう問題なんですが、果たして文章を読まずに訳してもできるのかな、と。

そこで、実験したいのですが、英語できる方、ちょっとこれ訳してみてもらえますかね。

1) Once cooking allowed us to expand our cognitive cap

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受験英語のカリスマを考える #1

この本なんだけど、結構多くの学校で採用している。で、例文丸暗記の小テストを毎週やるというわけ。

100文に凝縮ってすごいなあ。さらに東大合格者が最も信頼を寄せる、とかどうやって調査したのか。。。まぁ受験業界なんてこんなものなんだけど。

でも、この本の解説がそりゃまたすごい。「時制と論理に重点を置いている。英作文に必要な論理思考が身につけられる」「丁寧な解説により英語的発想が身に付き単なる丸暗記

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文法学習の弊害

ほんとに英語の先生文法好きだよね。ある生徒から聞いたんだが「〇〇先生はフォレストが大好きで、どこへ行くにも肌身離さず持ってるって」。

キモくないですか。

いや、ほんとに日本人が英語を「使えるように」ならないのって、文法学習が原因(の1つ)だと思う。どの高校行っても、英語の先生は「うちの生徒は文法が弱い!」といって文法問題集ばかりやらせている。「コミュニケーション英語」という名の授業ではコミュニ

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辞書指導について

高校生20人ほどをスペインホームステイプログラムで引率したことがある。生徒たちは午前中語学学校で授業を受ける。オレはやることがないので、授業を見たり、語学学校の先生とかスタッフと雑談していた。そこで、こんな話を聞いた。

「日本人が会話のレッスンに来たら、必ず言わなきゃいけないことがあるんだ。なんだかわかる?辞書を持ってくるなってことなんだ。日本人はこっちが何か話してもすぐに辞書をひく。少人数の会

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「学習」「指導」からの脱却

結局、日本の英語教育がうまくいかない、つまりいくら「教えて」も「英語が使える」人間が育たないってのは、生徒側から見ると「学習」から抜けられない、教える側からみると「指導」から抜けられない、ってことなんだろうね。

Paul Nationさんという学者は、

(1) meaning-focused input 
(2) meaning-focused output
(3) language-focu

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生徒を見るということ

英語の授業で生徒に音読させるってのは、どの先生でもやってると思うんだけど、生徒が音読させているとき、先生って何やってるかという話。

ほとんどの先生は教科書を見ている。生徒と一緒に音読している先生もいる。研究授業等で見学している先生も音読のときには教科書を見ている。

これ、ダメだと思わん?

ということで「オレ流」監督の視点をみなさんにシェアします。

まずはこれ。もう10年前だけどオレ流監督の

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発音指導について

発音指導ってどの程度必要なんだろう。こないだ「ある中学の先生は、中1~中2までに、徹底的に発音指導をしている。例えば、thを大げさに舌を歯の間から出させて全員できるまでやらせる。こうすることで、後々きれいな発音になる」という話を聞いた。

でも、そういう細かい部分にこだわる必要あるのかね、今の時代。「今の時代」ってのはEnglish as an International Language (EI

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