文構造の謎、再び
受験英語界では「英文解釈」というのは、英語の文章の中の文1つ1つを「構文解析」つまり、主語、述語動詞、目的語、補語、修飾語句を指摘するような「読み方」が必要と言われている。「文構造」の分析ってやつ。
「文構造」がわからないと文の意味が正確にとれないということになっている。
でも、オレは逆だと思っていて、意味がわかるから文構造がわかる、つまり意味が先だと思うのだ。もちろんいろんな文構造のパターンを知っている、つまりこういうパターンの文はこういう意味になるということは知ってなきゃいけないが、英文を読むときに「文構造分析」からやるのは不可能な場合が多いのではないか、と思う。
そういう例は今まで何度も見ているが、見るたびにメモっておく。今回は高1の教科書から。
Then one day a music teacher from El Sistema gave him an instrument.
It was the chance that let him start a new life.
「それから、ある日、El Sistemaの1人の音楽教師が彼に楽器を与えた。それが、彼が人生をやり直すチャンスだった」
Itからの文。Itはその前の文、つまり音楽の先生が彼に楽器を与えたことを指して、thatはthe chanceを先行詞とした関係代名詞になる。
でも、この文、意味を無視して「文構造」を解析したらいわゆる「強調構文」とも解釈できる。強調構文ではなく、上で述べた「文構造」に分析するのはあくまで「文脈」、つまり「意味」の解釈なのではないか。
つまり、意味がわからないと文構造は把握できないということ。
さらに、入試問題に答えるには意味を正確に理解できればいいわけで、文構造分析は必要ないのでは、ということ。
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