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京都にすむ中年 身体の変化を中心に綴る忘備録

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記事一覧

リヒター愛

これはもちろん私の独断なのだけれど リヒターの作品は実物を観なければ見たことにならない 巨大な引っ掻き傷は そこにあったなんらかの光の面影を残していて それは『あっ…

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6か月前
1

再考リリィシュシュのすべて

一番好きな映画は何、 という質問に答えるのは難しい 何故なら「好き」の中に「嫌い」を内包している そんな種類の「好き」な映画が最も魅力的だと思うから 好きな映画の…

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7か月前
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Bugg reports from far

Kという職業的アーティストの友人がいて ある時、お祭りの後のゴミが散乱した広場をみて このランダムに散らかってる状態こそ、僕が作りたいものなんだ、 と言っていた …

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7か月前

タレルの境界に目を凝らす

人によっては卑猥に感じるかも知れない話なのでご注意 旅行は感覚を研ぎ澄すいい機会 計画を程よく立て、程よくその場任せに、 いい流れを作るのが楽しむコツだと思う 四…

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7か月前
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撮りたいならご自由にどうぞ

外見のはなしが嫌いです 相手がどんなにいい人でも 自分の外見の話に触られると カタツムリの目のように引っ込みます どういうアレでそうなったのか 小学生で転校してきた…

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7か月前

20年目の9月に

【死に正しいも正しくないも自然も不自然もない。】 少し前に宇多田ヒカルさんが発言した言葉です 彼女と同じく9月は私の母の命日がある月  今年は20年目になる  母の…

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7か月前
3

イエスタデイ

夢がきっかけになることがたまにある 夢を通じて、自分が想っていたことに気づいて それが現実に近づいてくるということが  村上春樹の少し前の短編でそんな話があった …

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7か月前
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自分のあたまのこと

京都に住んで8年くらいになる 6年前、ふとしたきっかけでMRIをとってみたら、影が見つかった 開けてみないとなんだかわかりません そんな身も蓋もない診断で、特に大きく…

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7か月前
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リヒター愛

リヒター愛

これはもちろん私の独断なのだけれど
リヒターの作品は実物を観なければ見たことにならない
巨大な引っ掻き傷は
そこにあったなんらかの光の面影を残していて
それは『あった』と感じさせるに足る
けれど不思議なことにそれは絵の具という物質からでなくては感じられない
印刷物やモニター上の圧縮された画像には認められない

あれは抽象ではなく
思い出の残骸の具象化なのだと思う

消し去ってもなかったことにはなら

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再考リリィシュシュのすべて

再考リリィシュシュのすべて

一番好きな映画は何、
という質問に答えるのは難しい

何故なら「好き」の中に「嫌い」を内包している
そんな種類の「好き」な映画が最も魅力的だと思うから

好きな映画の監督とは会いたくないと思う
例外もいるにはいるが

「リリィシュシュのすべて」はもうかなり古い映画
とにかく映像として美しく中毒性がある
何度も繰り返し観るうち、ストーリーの重さは気にならなくなっていた

岩井俊二の作品は寓話的なもの

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Bugg reports from far

Bugg reports from far

Kという職業的アーティストの友人がいて
ある時、お祭りの後のゴミが散乱した広場をみて

このランダムに散らかってる状態こそ、僕が作りたいものなんだ、
と言っていた

不特定多数の人によって散らかされた、ということは物理的に持って来た誰か、また遡ってそれを作った誰か、などゴミのひとつにもそれぞれがそれぞれに登場人物のいる物語がある。
その集積が勝手にある瞬間に偶然にも自分の目に留まった、そのことが美

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タレルの境界に目を凝らす

タレルの境界に目を凝らす

人によっては卑猥に感じるかも知れない話なのでご注意

旅行は感覚を研ぎ澄すいい機会
計画を程よく立て、程よくその場任せに、
いい流れを作るのが楽しむコツだと思う

四国へ行く旅の途中
宿の付近にかなり早くに到着して
近くの美術館を調べてみると
好きなアーティストの作品が観れそうだった

James Turrell

【私の作品には対象もなく、イメージもなく、
焦点もありません。
対象もイメージも

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撮りたいならご自由にどうぞ

撮りたいならご自由にどうぞ

外見のはなしが嫌いです
相手がどんなにいい人でも
自分の外見の話に触られると
カタツムリの目のように引っ込みます

どういうアレでそうなったのか
小学生で転校してきたらなぜか
「汚い」
というスタンプを押されてしまったようで
卒業まで消えなかったのだけど中学になったら
「きれいよね」と言われ出した
よくわからない、よそ様らの基準
わたしが彼らに近づいていい資格は
きれいとかそういうことなんですね

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20年目の9月に

20年目の9月に

【死に正しいも正しくないも自然も不自然もない。】

少し前に宇多田ヒカルさんが発言した言葉です
彼女と同じく9月は私の母の命日がある月 
今年は20年目になる 

母の死因は骨髄腫
彼女自身の宗教的ポリシーから輸血という選択肢がなかったために、治療がうまくできず
あっというまに病状は悪化して亡くなりました

最近よくそんなことに思いを巡らすのは
20年の節目だからか
自分が脳腫瘍の疑いがあるからか

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イエスタデイ

イエスタデイ

夢がきっかけになることがたまにある
夢を通じて、自分が想っていたことに気づいて
それが現実に近づいてくるということが 

村上春樹の少し前の短編でそんな話があった
氷の月を恋人と眺めるという美しい夢から
完璧な関係に不安が広がってゆく
別れても記憶を反芻する
いつまでも

忘れたくない、もしくは忘れられない情景は
現実であっても夢であっても関係ない
ただそれが自分にとって手放しがたく 
大事な記憶

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自分のあたまのこと

自分のあたまのこと

京都に住んで8年くらいになる
6年前、ふとしたきっかけでMRIをとってみたら、影が見つかった

開けてみないとなんだかわかりません

そんな身も蓋もない診断で、特に大きくもならず症状もなく今まで放置
その間に子供も産まれて 落ち着いてきた最近

そろそろ取りませんか 取らないと危ないですよ

半年に一度の定期化したMRI画像を眺めながら
言われてしまった

グリオーマ っていうんですけどね
今はい

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