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『noa』 あらすじ
300年以上も昔、旅人ニレは人智の蓋を開いた。その出来事は人々の心に夢を灯した。
人類最後の目的地noaを目指して、悠久の大地マノアを行く!
主人公は二人、ルヒト・グラトラとサラ・ギリア・ナーズ。
―――また繰り返す。繰り返し続けるから、悠久と呼ぶことにしたのだろう?
by Scott rhino norn
『noa』第三話「豊賀を築く」
「そのブレスレットはアップル・トューリー・タヴァンの一員である印だよ。他にはネックレスとリングがある。全部にそのトューリーのマークがついてる。黒のブレスレットは僕が誘った子、ネックレスはアイナでリングはジル。特に分けた理由はないんだけど、みんなブレスレットにしようって言ったらジルが駄々こねてね。独占欲強いよね、彼女」ユルは本当に楽しそうにものを語る人だった。
「もしルヒトとサラが今と変わらない気持
『noa』第二話「明日はもっと遠くへ行こう」
壊したいなら壊せばいいじゃないか。
神がそれを断じたことなど一度もないのだから。
あるいは、君が可愛らしく謝れば許してくれるかもしれないだろう。(137)
Scott rhino norn 『没落苑』 より一部抜粋
*
マノアに初めて足を踏み入れて、ルヒトがまず一番に感じたことは安堵だった。その次に、喜びが来た。表しようのない歓喜だった。
空気の変化。あらゆるものを通り
『noa』第一話「二人だけの”noa”」
ユルは最後に、私とルヒトに不思議なマークの入った黒い革網みのブレスレットを渡してどこかへ行ってしまった。
「なあ、サラ。俺、noaに行きたい」
折れた心の支え木は、私の知らないところでルヒトの夢になり、芯になっていた。だからそれが、私の夢になった。
*
少年は夢を見ていた。
明け方、霜のついたキャンバスのように薄青い世界の中で、細い路地、積まれた木箱の上に歳の頃十六や十