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ポプラディアは説明名人~「〇〇とは何か」を説明せよ~

「Z世代って何?」

最近、生徒にされた質問です。
回答できず、困りました。

「〇〇って何?」という質問は、日常生活でも頻繁になされるものです。


【補足】Z世代とは
1990年代後半から2012年頃に生まれた世代のこと。
由来は、アメリカの「ジェネレーションZ」という世代分類から。



説明にも種類がある・・・・・・・・・、ということを第3回で書きました。

【1】内容の説明文
例:NISAとは何か



【2】手順の説明文
例:新社会人に向けたスーツの買い方



【3】価値の説明文
例:パパ力検定の魅力


同じ説明文でも、種類によって書き方のポイントは違います。
それぞれのポイントをおさえて書けば、よりよい説明文が書けるのです。



ラーメン屋が、醤油ラーメンや味噌ラーメンなど種類によって材料や作り方を工夫するのと同じです。

今回取り上げるのは、内容の説明文・・・・・・です。



内容の説明文とは、一言でいえば、

「〇〇は、△△である」

と説明するものです。

noteでもよく書かれるタイプでしょう。





「わかりやすい説明の書き方講座」の6回目です。

現在、5週連続でnote公式マガジンに選ばれています!

【noteの書き方講座】

(1)noteの記事の9割は「説明」です
(2)どうすればうまく書ける?←書く前が大事!
(3)説明とは?〇〇を知らない人はラーメンを説明できない
(4)「理解できる」ってどんなとき?
(5)文章は一人で書けない!?
(6)ポプラディアは説明名人~「〇〇とは何か」を説明せよ~ 👈今ココ
(7)具体的に「具体的に書く方法」を説明します
(8)説明に〇〇を加えれば、理解しすくなる
(9)あの作家が39回も実践したこと
(10)noteのコンテストで3回受賞した僕がやっていること


この講座は、

「noteの記事の9割は説明」

という考えのもと、「よりよい説明ができるようになりたい」≒「よりよいnoteを書きたい」という方に読んでほしいと思っています。

本文:約3700字
6分程度で読めます🙋‍♂️

少し長いですが、終盤は「実例」なので流し読み可能です!!





1.【内容の説明文】を書く際のポイント


書く行為のそれぞれの項目(下記の図)ごとに、内容の説明文を書くポイントを記します。

その際、具体例として「ビブリオバトル」を使いながら説明します。



❶主題の決定


主題とは、「最も伝えたいこと」です。
内容の説明文の場合は「説明対象を端的に表した一言」が主題です。


その一言を読めば、相手は、

「オッケー。だいたいわかった」

と、なるものが望ましいです。


例として、ある人物を挙げます。






横井小楠しょうなんを知らなくても、「幕末の思想家」という端的な一言を読めば、

「幕末の人なのか」
「思想家なんだな」

ということがわかります。


ただ、この「一言で表す」ことは、なかなかに難しい・・・・・・。

こんなとき便利なのが、ポプラディアです。


※以下、引用するポプラディアは、すべて『総合百科事典ポプラディア』(第三版/株式会社ポプラ/2021年)の16巻です。

ポプラディアには、わかりやすい「一言」がたくさん載っています。(赤線は、すべて私によるもの)


p23


p44


どれも秀逸な「一言」ではないでしょうか。

「ポプラディアって、【百科事典】ではなく、【説明文の見本】なのでは?」

と思ってしまうほど見事です。


「ポプラディア、全18巻で13万2千円だと!?」

という方は、図書館にいきましょう。
子ども読書コーナーに、たいてい置いてあります。


(お子さんがいらっしゃるなら、買う価値があると思います。子どもが大きくなったら、私も百科事典が家にあるという環境にしてあげたいです)


「一言」の作り方のポイントは、一つ。
『端的に表すキーワード』で終わることです。

【ビブリオバトル】
→書評合戦


【ユーザーインターフェース】
→見かけやしくみ


【ユニバーサル・スポーツ】
→スポーツ

このキーワードを修飾していけば、「一言」ができあがります。


【補足】

「一言」で表わす、は仕事でも使えます。
「〇〇って何ですか?」と質問されたときに端的な一言で返答できればスマートです。
逆に、長々と些細な情報を並べられると・・・・・・😨😱


❷取材


相手の「問い」を想定し、それに対する回答を集めていく作業です。

パンフレットなどで見かける「Q&A」は、「想定した問い」と「回答」を使って説明する見事な手段です。


N高等学校・S高等学校のパンフレット
(2019年度に請求したものです)



そもそも「説明」とは、「相手の『問い』にこたえる行為」です。
その問いは、2種類あります。

✅顕在的な問い
→相手が自覚している・・・・・・問い

✅潜在的な問い
→相手が自覚していない・・・・・・・問い

潜在的な問いを想像し、先回りにして回答すれば、よりよい説明ができまう。


下記の本は、様々な職業について説明しているものです。



『日本の給料&職業図鑑 Plus』
p118-119
(著)給料BANK
2016年/宝島社


説明内容に、「生涯賃金は?」「栄養士との違いは?」といった潜在的な問いも含まれているので、管理栄養士について深く理解することができます。

❸構成 その1

【内容の説明文】の構成の基本は、

❶概要→詳細
❷簡単→複雑
❸既知情報→未知情報

です。


ポプラディアの記述も、基本的に【概要】→【詳細】という構成です。
「説明対象を端的に表す一言」で説明が始まります。

『ポプラディア』
p255


新聞も、【概要(見出し)】→【詳細】という構成で書かれています。



ただ、これは目的が「理解・納得」である場合です。

目的が「知的感動=おもしろい!」であるときは、いきなり概要を書かない方がいい場合もあります。


noteで「知的感動=おもしろい!」を目的としている場合は、応用が必要です。


しかし、要所要所での「概要→詳細」という書き方は必須です。
noteの書き方については、この講座の第10回でお伝えしますね。


❹構成 その2


※お気づきかもしれませんが、取材と連動します



なぜ、こうするのか?
要素に分け、項目を立てて書くとわかりやすいからです。

例として、次の漫画の「説明」を挙げます。

吉本浩二
『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ』
講談社/2020年


わかりやすくするために、簡潔に書きましたが、文章にする際もポイントは同じです。


もし、この漫画の説明(紹介)をnoteの記事に書くなら、それぞれの要素を膨らませればいいのです。
特に「魅力」の部分は、多く書けるでしょう。

「こんな人におすすめ」という項目を作るのもいいですね。

❺記述

長くなるので、次回で説明します。


❻ここまでのまとめ



2.実際の【内容の説明文】

ここで、「内容の説明文」の具体的な例を挙げます。
ビブリオバトルについて説明したものです。
当然、前述した「内容の説明文のポイント」を活かして書きました。

【注意】
簡単なものなので、あまり面白味はないかもしれません🙇‍♂️💦

👇では、どうぞ。


❶概要

ビブリオバトルとは、ゲーム要素を取り入れた書評合戦です。

(下記ツイートの写真をご覧になれば、イメージがつかみやすいと思います)



❷ルール


公式ルールは、下記のとおりです。
知的書評合戦ビブリオバトル公式サイトより

①発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。

②順番に1人5分間で本を紹介する。

③それぞれの発表の後に,参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分間行う。

④全ての発表が終了した後に,「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員が1人1票で行い,最多票を集めた本をチャンプ本とする。


※補足
原稿やプレゼン資料などは使用しません。


❸魅力

キャッチコピーである、

人を通して本を知る
本を通して人を知る

に、ビブリオバトルの魅力が端的に表現されています。


「人を通して本を知る」


普段は小説しか読まない人も、ビブリオバトルを通して鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。という痛快なエッセイと出会える可能性があります。



最近は多くのWebサービスにおいて『過去の購入履歴や閲覧履歴』に基づく「あなたへのおすすめ」情報を受け取っています。

そのため、どうしても同じような本に接しがちになってしまいます。


ビブリオバトルなら、まったく興味のなかった本と出会える可能性があるのです。
異なるジャンルの本を読めば、より多面的な見方で物事を観ることができま


「本を通して人を知る」


普段は物静かな同僚(女性:23歳)が楽しむ! 極める! キャンプ完全ガイドを紹介したら、意外性に驚くかもしれません。



温厚な上司(55歳:男性)が『妻と娘にモテたいレシピ』を紹介したら、その上司のことがますます好きになるかもしれません。



ビブリオバトルは、コミュニケーションゲームです。
紹介する・聞く・質問するというコミュニケーションを通して、相手のことをより深く知ることができるのです。


❹経験者の声


2名紹介します。

職場ではあまり話すことのない先生の趣味がわかって驚いた。
(30代・中学校教師)




ビブリオバトルを使った実例紹介は、以上です。


★実際につかった構想メモ★



字が汚くてスミマセン。
縦書きでないと、丁寧に書けない体質になってしまいました


👆まず相手・・を想定します。
目的・・も決めます。

主題・・(最も伝えたいこと)は、左上の「ビブリオバトルの内容説明」です。


👆書くべき項目を考え、付箋に書き出します(集材の段階)
この段階では、質のことは考慮せずできるだけ多く付箋に書き出します。


👆書くべき項目を絞ります(選材・構成の段階)
概要以外に3項目あればいいでしょう。絞れないと長い文章になるので。


👆絞った項目ごとに、書くべき内容を具体化します(選材)
あとは、この構想メモを使って文章にします。



👇こちらの記事が収められているマガジンです!

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