ポプラディアは説明名人~「〇〇とは何か」を説明せよ~
「Z世代って何?」
最近、生徒にされた質問です。
回答できず、困りました。
「〇〇って何?」という質問は、日常生活でも頻繁になされるものです。
説明にも種類がある、ということを第3回で書きました。
同じ説明文でも、種類によって書き方のポイントは違います。
それぞれのポイントをおさえて書けば、よりよい説明文が書けるのです。
ラーメン屋が、醤油ラーメンや味噌ラーメンなど種類によって材料や作り方を工夫するのと同じです。
今回取り上げるのは、内容の説明文です。
内容の説明文とは、一言でいえば、
と説明するものです。
noteでもよく書かれるタイプでしょう。
「わかりやすい説明の書き方講座」の6回目です。
現在、5週連続でnote公式マガジンに選ばれています!
この講座は、
という考えのもと、「よりよい説明ができるようになりたい」≒「よりよいnoteを書きたい」という方に読んでほしいと思っています。
1.【内容の説明文】を書く際のポイント
書く行為のそれぞれの項目(下記の図)ごとに、内容の説明文を書くポイントを記します。
その際、具体例として「ビブリオバトル」を使いながら説明します。
❶主題の決定
主題とは、「最も伝えたいこと」です。
内容の説明文の場合は「説明対象を端的に表した一言」が主題です。
その一言を読めば、相手は、
と、なるものが望ましいです。
例として、ある人物を挙げます。
横井小楠を知らなくても、「幕末の思想家」という端的な一言を読めば、
ということがわかります。
ただ、この「一言で表す」ことは、なかなかに難しい・・・・・・。
こんなとき便利なのが、ポプラディアです。
ポプラディアには、わかりやすい「一言」がたくさん載っています。(赤線は、すべて私によるもの)
どれも秀逸な「一言」ではないでしょうか。
と思ってしまうほど見事です。
という方は、図書館にいきましょう。
子ども読書コーナーに、たいてい置いてあります。
(お子さんがいらっしゃるなら、買う価値があると思います。子どもが大きくなったら、私も百科事典が家にあるという環境にしてあげたいです)
「一言」の作り方のポイントは、一つ。
『端的に表すキーワード』で終わることです。
このキーワードを修飾していけば、「一言」ができあがります。
❷取材
相手の「問い」を想定し、それに対する回答を集めていく作業です。
パンフレットなどで見かける「Q&A」は、「想定した問い」と「回答」を使って説明する見事な手段です。
そもそも「説明」とは、「相手の『問い』にこたえる行為」です。
その問いは、2種類あります。
潜在的な問いを想像し、先回りにして回答すれば、よりよい説明ができまう。
下記の本は、様々な職業について説明しているものです。
説明内容に、「生涯賃金は?」「栄養士との違いは?」といった潜在的な問いも含まれているので、管理栄養士について深く理解することができます。
❸構成 その1
【内容の説明文】の構成の基本は、
です。
ポプラディアの記述も、基本的に【概要】→【詳細】という構成です。
「説明対象を端的に表す一言」で説明が始まります。
新聞も、【概要(見出し)】→【詳細】という構成で書かれています。
ただ、これは目的が「理解・納得」である場合です。
目的が「知的感動=おもしろい!」であるときは、いきなり概要を書かない方がいい場合もあります。
noteで「知的感動=おもしろい!」を目的としている場合は、応用が必要です。
しかし、要所要所での「概要→詳細」という書き方は必須です。
noteの書き方については、この講座の第10回でお伝えしますね。
❹構成 その2
なぜ、こうするのか?
要素に分け、項目を立てて書くとわかりやすいからです。
例として、次の漫画の「説明」を挙げます。
わかりやすくするために、簡潔に書きましたが、文章にする際もポイントは同じです。
もし、この漫画の説明(紹介)をnoteの記事に書くなら、それぞれの要素を膨らませればいいのです。
特に「魅力」の部分は、多く書けるでしょう。
「こんな人におすすめ」という項目を作るのもいいですね。
❺記述
長くなるので、次回で説明します。
❻ここまでのまとめ
2.実際の【内容の説明文】
ここで、「内容の説明文」の具体的な例を挙げます。
ビブリオバトルについて説明したものです。
当然、前述した「内容の説明文のポイント」を活かして書きました。
👇では、どうぞ。
❶概要
ビブリオバトルとは、ゲーム要素を取り入れた書評合戦です。
(下記ツイートの写真をご覧になれば、イメージがつかみやすいと思います)
❷ルール
公式ルールは、下記のとおりです。
(知的書評合戦ビブリオバトル公式サイトより)
❸魅力
キャッチコピーである、
に、ビブリオバトルの魅力が端的に表現されています。
普段は小説しか読まない人も、ビブリオバトルを通して『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』という痛快なエッセイと出会える可能性があります。
最近は多くのWebサービスにおいて『過去の購入履歴や閲覧履歴』に基づく「あなたへのおすすめ」情報を受け取っています。
そのため、どうしても同じような本に接しがちになってしまいます。
ビブリオバトルなら、まったく興味のなかった本と出会える可能性があるのです。
異なるジャンルの本を読めば、より多面的な見方で物事を観ることができま
普段は物静かな同僚(女性:23歳)が『楽しむ! 極める! キャンプ完全ガイド』を紹介したら、意外性に驚くかもしれません。
温厚な上司(55歳:男性)が『妻と娘にモテたいレシピ』を紹介したら、その上司のことがますます好きになるかもしれません。
ビブリオバトルは、コミュニケーションゲームです。
紹介する・聞く・質問するというコミュニケーションを通して、相手のことをより深く知ることができるのです。
❹経験者の声
2名紹介します。
ビブリオバトルを使った実例紹介は、以上です。
★実際につかった構想メモ★
👆まず相手を想定します。
目的も決めます。
主題(最も伝えたいこと)は、左上の「ビブリオバトルの内容説明」です。
👆書くべき項目を考え、付箋に書き出します(集材の段階)
この段階では、質のことは考慮せずできるだけ多く付箋に書き出します。
👆書くべき項目を絞ります(選材・構成の段階)
概要以外に3項目あればいいでしょう。絞れないと長い文章になるので。
👆絞った項目ごとに、書くべき内容を具体化します(選材)
あとは、この構想メモを使って文章にします。
👇こちらの記事が収められているマガジンです!