吉村うにうに

はじめまして。小説を書いております。猫が主人公の長編小説や不思議でコミカルな短編を書き…

吉村うにうに

はじめまして。小説を書いております。猫が主人公の長編小説や不思議でコミカルな短編を書きます。 ショートショートnote杯に参加したくて登録しました。 飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットで、毛玉の天使です。 https://twitter.com/NFCnozomi0419

マガジン

  • 自分語り・小説の書き方

    ここでは、自分の来歴、小説執筆のスタイル、これまでに学んだこと、作品の解説、受賞コメントなどを載せています。自分語りもちょいちょい混ざっております。

  • ちょっと嬉しかったこと(つぶやき中心)

    記事を採用して頂いたこと、ちょっとしたラッキーなことを載せていきます。

  • 毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

    連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。

  • 猫さんとの生活

    おうちにいる猫さん(ノルウェイジャンフォレストキャットの女の子)との日常の一コマを切り取って紹介します。

  • シリーズ読書感想文|一冊を精読・整理・思索する

    毎回、一冊の本を取り上げ、感想やまとめ、そこから広げた思考についてつづっていきます。形式は変わっていますが、読書感想文のようなものです。

記事一覧

固定された記事

自己紹介記事を書いてみました。

名前 こんにちは、そして初めまして(の方もいらっしゃると思います)。吉村うにうにです。名前の由来はこちらです。 普段は小説、エッセイ、詩などを書いております。…

吉村うにうに
4週間前
51

note placeにて創作大賞イベントがあります

はじめにこんにちは。吉村うにうにです。普段は、小説、エッセイ、詩などを書いております。ちなみに飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットの女の子です。 今日は…

吉村うにうに
6時間前
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水深800メートルのシューベルト|第903話

 目の前で封を開けるのを躊躇えば、やましい内容だと誤解されかねないので、ビリビリと乱暴に封を割いた。  手紙の主はやはりメリンダで、出所していたこと、近くに来た…

吉村うにうに
7時間前
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5月6日は四ツ谷のntoe placeにてオフライン創作会&新川帆立さんと秋谷りんこさんのトークイベントがあって、現地で参加しようと考えています。楽しみです。他にオンラインかオフラインで参加するぞって人はいますか? どんな方がいらっしゃるのか楽しみです。

吉村うにうに
17時間前
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水深800メートルのシューベルト|第902話

「ルースお婆ちゃん。海の中って、郵便屋さんも来ないんじゃない?」  アビアナの声の後、笑い声がこだましていた。  グレーのパンツとTシャツに着替えると、三人がい…

4

水深800メートルのシューベルト|第901話

「早くシャワーを浴びてきたら? 服も替えてよね」  アビアナは怒ったように言うので、黙ってバスルームへ向かうより他なかった。    シャワーの水を止めると、ポタポ…

6

水深800メートルのシューベルト|第900話

「アビアナ! パパはね、潜水艦でずっと海に潜っていたのよ。仕方ないでしょう。向こうじゃ、お風呂に入れないんですからね」  トリーシャが叱るように言ったが、娘には…

3

水深800メートルのシューベルト|第899話

「コーヒー淹れるけど、アビアナは?」  ルース叔母さんが尋ねた。 「私、コーヒー要らない」  彼女はお気に入りらしいフリルのスカートが膨らまないよう手で押さえなが…

5

今日はやや肌寒かったです。雨が降りしきる中、外出してカフェでチーズケーキを食べながら執筆や物理の勉強をしました。濃厚で美味しかったです。優しい香りの紅茶も+300円でつけられます。ついこの前紹介したシャーベットが美味しいカフェです。天気のせいか平日だったせいか、空いていました。

6

水深800メートルのシューベルト|第898話

母親に似て滑らかそうな褐色の肌に、丸みを帯びた目。僕を認めて立ち止まると、けだるそうに目を向けてきた。 「アシェル君、おかえりなさい」  そう、そっけなく言った…

3

誕生日のサービスとして、通院先の獣医さんが無料で尿検査をしてくれました。ついでに体重を計ってもらうと4.72㎏!一時5㎏超えていたのが戻りました。猫さん頑張りました。しかし、尿検査の結果「無菌性膀胱炎」疑いでしばらく経過観察、トホホ。ご飯の試供品とハンカチを頂いて帰りました。

7

水深800メートルのシューベルト|第897話

「あらそう。この子が次に母乳を飲んでくれるようなったら、食事に招待したいわね」  トリーシャは胸から口を離したこの背中を、軍務を中断してから丸みを帯びた手で優し…

3

水深800メートルのシューベルト|第896話

変わったことと言えば、粉ミルクしか飲まなかった赤子が、母親の胸に吸いついている光景だけだった。母親はとても幸せそうで、叔母の言っていたことは杞憂だったんじゃない…

3

水深800メートルのシューベルト|第895話

 妻は玄関で、赤子を抱いた状態で待っていた。 「おかえりなさい。ごめんね、やっと授乳ができるようになったの。このタイミングを逃したくなくて」  眉を寄せ、すまな…

4

カフェでシャーベット食べながら執筆しています。パソコンへの打ち込みです。早くしないとシャーベットが溶けるので焦りました。シャーベット美味。
シャーベット400円にドリンク300をつけることができます。机も広くて執筆しやすかったです。あまり長居にならないよう手早く打って帰りました。

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水深800メートルのシューベルト|第894話

「では、なれそめは次回訊くことにしよう。アシェル、子どもに思う存分子守唄を演奏してやりなよ」  セペタは大きな手で僕の方に手をやると、そのままキャディラックに乗…

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自己紹介記事を書いてみました。

自己紹介記事を書いてみました。


名前

こんにちは、そして初めまして(の方もいらっしゃると思います)。吉村うにうにです。名前の由来はこちらです。

普段は小説、エッセイ、詩などを書いております。ショートショートnote杯をきっかけにnoteを始めまして、現在まで更新を続けております。ちなみにショートショートはこんな感じです。↓

SNSアカウント

xはこちら fumi(吉村うにうに)(@NFCnozomi0419)さん /

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note placeにて創作大賞イベントがあります

note placeにて創作大賞イベントがあります


はじめにこんにちは。吉村うにうにです。普段は、小説、エッセイ、詩などを書いております。ちなみに飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットの女の子です。

今日は創作大賞の関連イベントということで、オフラインの創作会に来ております。会場はnote placeで入り口はこんな感じ。場所は東京の四ツ谷にあります。

周囲で時間を潰して11時に入りました11時から場所をお借りして、創作をしていても良いと

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水深800メートルのシューベルト|第903話

水深800メートルのシューベルト|第903話

 目の前で封を開けるのを躊躇えば、やましい内容だと誤解されかねないので、ビリビリと乱暴に封を割いた。

 手紙の主はやはりメリンダで、出所していたこと、近くに来たから会いたいということ、迷惑だったら来なくていいよというようなことが、簡潔に書かれていた。

「あなたの顔つきからして、昔の悪い仲間からじゃなさそうね」
 トリーシャは穏やかに微笑んでいた。
「そんなんじゃないよ。ところでメールではフェリ

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5月6日は四ツ谷のntoe placeにてオフライン創作会&新川帆立さんと秋谷りんこさんのトークイベントがあって、現地で参加しようと考えています。楽しみです。他にオンラインかオフラインで参加するぞって人はいますか? どんな方がいらっしゃるのか楽しみです。

水深800メートルのシューベルト|第902話

水深800メートルのシューベルト|第902話

「ルースお婆ちゃん。海の中って、郵便屋さんも来ないんじゃない?」
 アビアナの声の後、笑い声がこだましていた。

 グレーのパンツとTシャツに着替えると、三人がいるリビングを黙って通り、自分の部屋に入った。デスクの上に淡いブルーの手紙が置いてあった。封筒の表には住所は書いておらず僕の名前だけが記載されており、裏にはMとイニシャルがあった。すぐにメリンダだとわかった。開封した跡はなかったのだが、勘の

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水深800メートルのシューベルト|第901話

水深800メートルのシューベルト|第901話

「早くシャワーを浴びてきたら? 服も替えてよね」
 アビアナは怒ったように言うので、黙ってバスルームへ向かうより他なかった。
 

 シャワーの水を止めると、ポタポタと滴がマットに落ちる音の間に、リビングでの会話が漏れ聞こえてきた。
「アシェルもねえ、いくら訓練だからって、夜にメールくらいはできるでしょうに……」
 ルースさんの声だった。

「叔母さん、無理言わないで。勤務期間は自由時間でもメール

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水深800メートルのシューベルト|第900話

水深800メートルのシューベルト|第900話

「アビアナ! パパはね、潜水艦でずっと海に潜っていたのよ。仕方ないでしょう。向こうじゃ、お風呂に入れないんですからね」
 トリーシャが叱るように言ったが、娘には一向にこたえていないようだった。

「だって、臭いんだもん。あ、駄目! 座らないで」
 僕はソファに降ろしかけた腰を上げた。
潜航中も勤務時間を終えると三分だけシャワーを浴びることができる。しかし、毎日というわけではないし、バスタブもなかっ

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水深800メートルのシューベルト|第899話

水深800メートルのシューベルト|第899話

「コーヒー淹れるけど、アビアナは?」
 ルース叔母さんが尋ねた。

「私、コーヒー要らない」
 彼女はお気に入りらしいフリルのスカートが膨らまないよう手で押さえながら、方に届きそうになった髪を揺らして返事をした。
「そうね、子どもが飲み過ぎると良くないものね」

 叔母さんは湯気を顔に帯びながら呟くように言った。アビアナは近づいて来ると、僕の服に鼻を寄せて不満げに見上げてきた。
「アシェル君、臭う

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今日はやや肌寒かったです。雨が降りしきる中、外出してカフェでチーズケーキを食べながら執筆や物理の勉強をしました。濃厚で美味しかったです。優しい香りの紅茶も+300円でつけられます。ついこの前紹介したシャーベットが美味しいカフェです。天気のせいか平日だったせいか、空いていました。

水深800メートルのシューベルト|第898話

水深800メートルのシューベルト|第898話

母親に似て滑らかそうな褐色の肌に、丸みを帯びた目。僕を認めて立ち止まると、けだるそうに目を向けてきた。

「アシェル君、おかえりなさい」
 そう、そっけなく言った。叔母さんは、それを聞いて肩をすくめた。以前「アビアナ、アシェル君じゃなくてパパと呼べない?」と訊いたことがあったので、きっと「パパ」と呼べないことへ呆れているといったサインだ。
「アビアナ、学校はどうだい? 三年生だっけ?」

 彼女に

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誕生日のサービスとして、通院先の獣医さんが無料で尿検査をしてくれました。ついでに体重を計ってもらうと4.72㎏!一時5㎏超えていたのが戻りました。猫さん頑張りました。しかし、尿検査の結果「無菌性膀胱炎」疑いでしばらく経過観察、トホホ。ご飯の試供品とハンカチを頂いて帰りました。

水深800メートルのシューベルト|第897話

水深800メートルのシューベルト|第897話

「あらそう。この子が次に母乳を飲んでくれるようなったら、食事に招待したいわね」
 トリーシャは胸から口を離したこの背中を、軍務を中断してから丸みを帯びた手で優しくさすった。

「アシェル、あなたの奥さんの代わりにコーヒーを淹れるわよ」
 叔母さんがキチネットに向かい、ガスコンロに火を点けていた。
「いや、僕がやりますから。こういうの慣れているんです」

 慌ててついて行くと、ルースさんは手で制して

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水深800メートルのシューベルト|第896話

水深800メートルのシューベルト|第896話

変わったことと言えば、粉ミルクしか飲まなかった赤子が、母親の胸に吸いついている光景だけだった。母親はとても幸せそうで、叔母の言っていたことは杞憂だったんじゃないかという気がしてくる。

 後ろから大きな音を立てて、ルース叔母さんが入って来た。
「またこの子ったら、レトロな車で大きな体の上官に送ってもらったのよ」
「上官じゃないです」

 僕は、フェリックスの髪をそっと触る。僕に似た金色の髪は、汗で

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水深800メートルのシューベルト|第895話

水深800メートルのシューベルト|第895話

 妻は玄関で、赤子を抱いた状態で待っていた。
「おかえりなさい。ごめんね、やっと授乳ができるようになったの。このタイミングを逃したくなくて」

 眉を寄せ、すまなそうな顔をして言った。
 彼女は、服をはだけさせて、フェリックスに褐色の胸を含ませていた。
「いいんだ、トリーシャ。気にしてないよ。それより、飲むようになったって?」

 彼女は、子どもが乳を吸うのを邪魔しないように黙って微笑んだ。
その

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カフェでシャーベット食べながら執筆しています。パソコンへの打ち込みです。早くしないとシャーベットが溶けるので焦りました。シャーベット美味。
シャーベット400円にドリンク300をつけることができます。机も広くて執筆しやすかったです。あまり長居にならないよう手早く打って帰りました。

水深800メートルのシューベルト|第894話

水深800メートルのシューベルト|第894話

「では、なれそめは次回訊くことにしよう。アシェル、子どもに思う存分子守唄を演奏してやりなよ」
 セペタは大きな手で僕の方に手をやると、そのままキャディラックに乗り込んだ。何度かエンジンが空回りする音の後に、発火音が鳴って車体が震え、元来た砂利をタイヤで擦りつけながら去って行った。

 車が見えなくなるまで手を振ってから、再びバルコニーに目を向けたが、変わらず誰もいなかった。そそくさと、アパートメン

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