吉村うにうに

はじめまして。小説を書いております。猫が主人公の長編小説や不思議でコミカルな短編を書き…

吉村うにうに

はじめまして。小説を書いております。猫が主人公の長編小説や不思議でコミカルな短編を書きます。 ショートショートnote杯に参加したくて登録しました。 飼い猫はノルウェージャンフォレストキャットで、毛玉の天使です。 https://twitter.com/NFCnozomi0419

マガジン

  • 毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

    連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。

  • ちょっと嬉しかったこと(つぶやき中心)

    記事を採用して頂いたこと、ちょっとしたラッキーなことを載せていきます。

  • 猫さんとの生活

    おうちにいる猫さん(ノルウェイジャンフォレストキャットの女の子)との日常の一コマを切り取って紹介します。

  • シリーズ読書感想文|一冊を精読・整理・思索する

    毎回、一冊の本を取り上げ、感想やまとめ、そこから広げた思考についてつづっていきます。形式は変わっていますが、読書感想文のようなものです。

  • 自分語り・小説の書き方

    ここでは、自分の来歴、小説執筆のスタイル、これまでに学んだこと、作品の解説、受賞コメントなどを載せています。自分語りもちょいちょい混ざっております。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介記事を書いてみました。

名前 こんにちは、そして初めまして(の方もいらっしゃると思います)。吉村うにうにです。名前の由来はこちらです。 普段は小説、エッセイ、詩などを書いております。ショートショートnote杯をきっかけにnoteを始めまして、現在まで更新を続けております。ちなみにショートショートはこんな感じです。↓ SNSアカウント xはこちら fumi(吉村うにうに)(@NFCnozomi0419)さん / X (twitter.com) Instagramはこちら 吉村うにうに(@nf

    • 水深800メートルのシューベルト|第893話

       自分の家のバルコニーを見つめた。時折、彼女が出迎える代わりに姿を見せることがあるからだ。しかし、透かし模様の入った金属製のフェンスの向こうには人影がなかった。益々不安になった。  こうなったら、誤解があれば早く解きたい。そのためには、叔母さんがセペタを家に招かなないかと不安になった。送ってくれた彼には悪いが、帰宅して最初の仕事が妻のご機嫌取りなので、余計な気遣いはしたくなかった。セペタは首を傾げた。 「どうした? 喧嘩なら、仲裁に入ってやろうか?」  そう冗談めかして言

      • こんな夢を見たラジオさんから、景品のステッカーを頂きました。見た夢を300字以内で募集していました。6回掲載分で6枚でしょうか? 嬉しい限りです。今は夢を募集していませんが、再開して欲しいです。掲載作品はspotifyで聞けます。   https://open.spotify.com/episode/4dolcLbgvSiLWaJJt4pcCB

        • 水深800メートルのシューベルト|第892話

          「今日は、虫の居所が悪いんだってさ」  そう言うと、彼は肩をすくめた。 「おいおい、今日は話どころか顔さえも見られないのか? アシェル、お前は家でも人を怒らせることをしていたな?」 「人聞きの悪いことを言うなよ。何もしてないよ。ずっと勤務でスマホもないのにどうやって怒らせるのさ?」  僕は、まるで他の場所でもトラブルを起こしているような言い方に不満だった。 「仕掛けていた爆発物が留守中に弾けたんじゃない?」  そういって笑ったが、僕は再び手紙のことが気になりだしていた。爆

        • 固定された記事

        自己紹介記事を書いてみました。

        • 水深800メートルのシューベルト|第893話

        • こんな夢を見たラジオさんから、景品のステッカーを頂きました。見た夢を300字以内で募集していました。6回掲載分で6枚でしょうか? 嬉しい限りです。今は夢を募集していませんが、再開して欲しいです。掲載作品はspotifyで聞けます。   https://open.spotify.com/episode/4dolcLbgvSiLWaJJt4pcCB

        • 水深800メートルのシューベルト|第892話

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        • 毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト
          891本
        • ちょっと嬉しかったこと(つぶやき中心)
          40本
        • 猫さんとの生活
          31本
        • シリーズ読書感想文|一冊を精読・整理・思索する
          3本
        • 自分語り・小説の書き方
          43本
        • クセ字コンテスト
          5本

        記事

          水深800メートルのシューベルト|第891話

          「私、アシェル君の上官を務めております」  彼はまじめな顔つきで、叔母さんに敬礼をしてみせた。 「はいはい、セペタさんでしょう? 嬉しいわ。最近の海軍では、部下を家まで送って下さるのね。で、アシェル・スコットは船を沈めませんでしたか?」  彼女は、笑って彼の冗談に合わせていた。彼女が妻の叔母だということに納得すると、セペタは周囲をキョロキョロと見回した。 「今日は、沈みませんでしたよ。ところで、アシェルの奥様は?」  彼は、叔母さんのノリの良さに笑いを堪えながら言った。

          水深800メートルのシューベルト|第891話

          水深800メートルのシューベルト|第890話

           曖昧に笑っていると、叔母さんは、僕の袖を引き、車を停めて降りて来たセペタに訊かれないような小声で言った。 「あの娘は機嫌が悪いみたいなのよ。ねえ、私、見たんだけど……、手紙が来てたのよ、アシェルに。覚えがないかしら? 女の筆跡だったわ。きっとそれが原因だと思うの」  誰だろう? 彼女が言うからには、手書きの文字で宛名を書いたのだろうか、それとも中身を読んだのだろうか? その言葉を心で繰り返していると、いつの間にか近づいてきたセペタが片手をあげて叔母さんに挨拶をしているのが

          水深800メートルのシューベルト|第890話

          水深800メートルのシューベルト|第889話

          「おかえりなさい。ごめんなさいね、あなたの愛しい奥さんが迎えに来なくて。誘ったんだけど」  彼女は歳よりも若く見える皺の少ない顔に、切れ長の目を更に細くしていた。紙は頂上で丸く結び、顔の肉を引っ張っている。 「いえ、フェリックスに熱が出たって、さっきメッセージを受け取っていますから」  そう言いながらも、彼女が迎えに出て来ないことは残念に思った。息子が生まれて以来、僕にはどうしても、自分がこの家に居ても居なくても良いんじゃないかという虚無の風が吹いているような気がしていた。

          水深800メートルのシューベルト|第889話

          水深800メートルのシューベルト|第888話

          アパートメントに続く舗装を入れた道は狭く曲がりくねっていて遠回りだと言って、彼はいつも公道から車停めの近くまで敷地の砂利を横切っている。僕は、一度そのことで管理人に怒られ、そのことをセペタに伝えたが、彼は「植物が植えてあるわけじゃないし、いいだろう」と、意に介さなかった。確かに敷地内の道路は、大きなキャディラックにとっては走りにくそうに見える。しかし、怒られるのは僕なのだ。 そんな事を考えていると左前方にある建物の出入り口から人影が現れた。柔らかくてふっくらとした体つきで、

          水深800メートルのシューベルト|第888話

          水深800メートルのシューベルト|第887話

             セペタの薄い黄色の古いオープンカーであるキャディラックは、いつもエンジンの音がプスプスと止まりそうな音を出しているので、しょっちゅうアクセルを踏んでいないといけないらしく、その度に上下左右に揺れて、乗っていると胃の底から食べたものを戻しそうになる。艦内の方が心安らぐくらいだ。僕はタクシーに乗って帰ってもいいのだが、彼は僕の妻に興味があるらしく――結婚していてもう二人も子どもがいることを口にして以来――是非アシェルと生活することを選んだ変わり者の女からいきさつを訊いてみた

          水深800メートルのシューベルト|第887話

          水深800メートルのシューベルト|第886話

               (45)  水に落とされることもなく、大きな失敗をすることもなく、上陸許可を受け取ることができた。今回の上陸期間は72時間。僕は、同期でやはり先に一等水兵に昇格したオリーブ色の巨人、セペタに車で送ってもらいアパートメントに向かうことにした。任務後に返却されたスマホで連絡していたので、いつものように出迎えてくれるかと思っていた。しかし、車が派手にガスをふかしても、砂利が車のタイヤに食い込む音がしても、玄関ポーチには誰一人見当たらないので不安になった。頭の中で、メリンダ

          水深800メートルのシューベルト|第886話

          水深800メートルのシューベルト|第885話

           ハッチから頭を引っ込める最後の瞬間、新鮮な空気を目一杯肺に入れた。塩分混じりの湿気を含んだ大気に、甘い香りが含まれているような気がした。徐々に大きくなり、実の形まで見えて来たアーモンドの木から発せられるのだと思った。実際には木の香りがここまで届くはずがないのに。  楽しくなってきた僕は、心象で作ったピアノを奏でてみる。優しいメロディーがアーモンドの香りと溶け合って、鼻や耳から体全体に浸透してくるようだ。浮き立つような気分を持って頭をハッチから下げ、戻りにラッタルを降りた。

          水深800メートルのシューベルト|第885話

          水深800メートルのシューベルト|第884話

          自分の適性検査の結果は知らないが、自分が艦長の立場だったら、すぐに過換気を起こし、ドジばかり踏むような乗組員は採用しないだろう。ゲイルさんは気を回したのだろうが、どうせなら、危険のない陸上勤務が良かったなと思う。きっと彼は、自分の目の届くところに僕を置いておきたかったのだろう。 「休暇の間に、君のアパートメントに寄せてもらうよ。いいかな?」  僕とすれ違いざまに、彼は表情を崩さないまま、潮風に紛れるほどの小声で言った。確かめたことはないが、彼が僕のママの再婚相手だったことは

          水深800メートルのシューベルト|第884話

          水深800メートルのシューベルト|第883話

          (ゲイルさんは)苦々しい顔をしていたが、本気で叱っているような表情ではなかった。僕を原子力潜水艦に乗せたことを後悔しているのかもしれない、そう思った。ここに配属されるようになったのは、きっとゲイルさんの働かいかけだろう。彼を久し振りに艦内で見かけた時も、彼に驚いた様子はなかった。士官とはいえ、一軍医に誰が同じ艦に乗り込むかといった情報がもたらされることはないだろう。となると、ゲイルさんが裏でクリストファー艦長か誰かに推薦したのだろう。そして、僕はここの主計官として採用された。

          水深800メートルのシューベルト|第883話

          水深800メートルのシューベルト|第882話

           気がつくと、ハッチ周辺に固まっていた水兵たちはあらかた艦内に戻り、ゲイルさんは、僕以外の最後の一人が梯子を登る様子を見つめていた。次は僕の番だった。梯子の前で歩哨に立っている彼と目を合わせた。無言で数秒見つめてから口を開いた。 「お騒がせして申し訳ありません」  ゲイルさんは、心の底にある温かさを厳しさで覆い隠すように、努めて事務的な声で言った。 「早く戻れ。それから許可もないのに真っ先に出ようとするんじゃない。どうせ、もうすぐ上陸できるんだ」       第881話へ

          水深800メートルのシューベルト|第882話

          ちょっと早めに猫さんのお誕生会をしました。9歳になります。人間でいうと52歳位ですが可愛らしいので若く見えます。フルーツロールケーキでお祝いしました(猫さんにはAIMのおやつ)。ダイエット中なので今日だけですよ! いつも私を傍で護ってくれてありがとう。いつまでも元気でいてね。

          ちょっと早めに猫さんのお誕生会をしました。9歳になります。人間でいうと52歳位ですが可愛らしいので若く見えます。フルーツロールケーキでお祝いしました(猫さんにはAIMのおやつ)。ダイエット中なので今日だけですよ! いつも私を傍で護ってくれてありがとう。いつまでも元気でいてね。

          普段、カフェで執筆することが多いのですが、この日、新しいカフェを開拓しました。清潔感があって、値段も手ごろ、テーブルも広くて快適です。シャーベット(400円)が、予想よりたくさん入っていて嬉しい。紅茶(ドリンクセット+300円)もたっぷり入っています。テラス席もありました。

          普段、カフェで執筆することが多いのですが、この日、新しいカフェを開拓しました。清潔感があって、値段も手ごろ、テーブルも広くて快適です。シャーベット(400円)が、予想よりたくさん入っていて嬉しい。紅茶(ドリンクセット+300円)もたっぷり入っています。テラス席もありました。