水深800メートルのシューベルト|第1012話
僕は厨房の手前に行くと、トレーに皿とフォークを載せ、トマトやレーズン、それに仔羊の肉といったものを適当に盛りつけた。そして後ろを見ると四人掛けのテーブルに居た士官たちが一斉に立ち上がったので、その空いた席にトレーを置いた。すると、音波探知機係二人がそそくさとトレーを持って向かいに座って来たところに、横からは大柄の男が体を押しつけてきた。ロバートだった。
「おお、アシェル、ここ空いているよな?」
彼が寝室を開けなかった事に抗議しようかと思ったが、やめた。しかし、彼の方からその件に触れてきた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?