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水深800メートルのシューベルト|第1話

       第一部
       (1)

 ドンッ! 
 ロバートに胸ぐらを掴まれ、居住区入り口の鉄製ドアに背中を叩きつけられた。息が一瞬止まり、帽子は床に落ち、そいつだけはベッドの下に逃れた。
「大声を出すなって言いたいのか? ええ! 俺が大声を出したからって何だっていうんだ? もやし野郎 ビーンスプロウト、そもそもお前のような役立たずに文句を言われる筋合いはねえ」
 僕の襟を掴んで締め上げる、彼の後ろは淡いグリーンの壁、そこから浮かび上がる濃いグリーンの瞳が恐ろしい。僕はグリーンが嫌いだ。緑に囲まれて育ってきたから。

                 第2話へつづく

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