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水深800メートルのシューベルト|第2話

 緑、森の中のトレーラーハウス。それも緑。絞められる首。恐ろしさと苦しさで呼吸がだんだん速くなる。吸わなきゃ。吸わなきゃ。もっと早く、いや、もっと深く、深く。でも僕の喉はヒューヒューと鳴るものの、肺に酸素が入っていかない。きっともう酸素はなくなったんだ、さっきの爆発で。もう僕たちはおしまいなんだ。そう思うと、とめどなく涙があふれ、呼吸はもっと早くなってきた。

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