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(全文)昔、わたしがロバだったころ。
昔、わたしがロバだったころ。人間になりたかったんだ。
〜〜〜
ある日、キツネと目があった。
キツネは言った。
ロバよ、ロバのままで良いではないか。
それでもロバは聞かなかった。
なぜなら、ロバは窮屈だ。
と。
そして今、ロバは人間となった。
しかし、彼は人間になっても、違う者になりたかった。
それは、ロバだった。
すると、キツネは言った。人間よ、人間のままで良いではないか。
それでも人間は聞
明日はあしたは明日はあしたは
明日はあしたは明日はあしたは
「君は私に何を聞きたいんだい?」
「未来です」
「今を見よ」
「過去に隠れて見えません」
「そんなものはカギカッコに入れておけばいい」
「過去だけに?」
「ハッハッハッ」
誰も頼んでいないのに、と人々は指を指してあざ笑った。
それに気も付かないで
かれは讃えるうたを歌いながらはたらいた。
ある日、同じようなぼんやりやさんのかのじょが来て、
いっしょにうたを歌いながらはたらいた。
人々が悩む日も、
二人はうたを歌いながらはたらいた。
よい人生だった。