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映画三昧DOGMAMを観てきた!

とても楽しみにしていたリュック・ベッソン監督、脚本の
DOGMAN観に行ってきた。

感想としては「らしくてよかった」と思う。
主人公のDOGMANが自分の半生を回想して語るという
構成なので淡々としていてどこか冷めた感じで
自分に起きたことを笑みを交えながら語る姿は
少し自虐的でもあるなと思った。

DOGMANはリュック・ベッソンが
実際の事件に着想を得て手がけたバイオレンスアクション。
久々にダークでエッジの効いた作品だ。

この後、ネタバレするので、閲覧ご注意願います!

公開前、よくJOKERと比較されていたようだが、
自分としてはまったく別物だと思う。
ダークヒーローという括りではどちらも説明不十分だ。

JOKERを観たときは衝撃的だった。
バットマンシリーズの1作品の枠に収まりきれない程、
ひとりの男が壊れてゆく様を見せ付けられ、
彼の心の動きと音楽も非常に効果的だった。

リュック・ベッソンはもともと貧困や差別、
虐待といった暗い側面をベースにした人物像を
描きだすのを得意としているが、
最近はあまり観られなかった。
自分の好きなリュック・ベッソンについては下から読んでね。

今回DOGMANで原点回帰したかのような作品だ。
暴力的で貧困で虐待で歩けなくてと
不幸な要素が重なり合い、
それでも恋したり演じたりする楽しさもある。

犬たちと長く過ごすうち、いつの間にか彼らが
自分の言葉を理解していることに気付くのだ。
その後犬たちは彼の意のままに
動いてくれるようになる。
何故そうなったかは描かれてはいないが
彼の話し言葉を正確に理解するなんてことは
普通有り得ない話だが、特殊な環境下で
絶対ないとも言い切れないと自分は思う。

犬は本来主従関係を築き命令に従うよう
訓練して行動できるようになる。
しかしDOGMANは「小麦粉を取ってきて」
「あとお塩も」と喋ると犬たちが取ってくるのだ。
彼は「犬たちと心が通じ合っている」と言った。
犬たちは本当に驚くような行動を見せている。
こんな事実があるなら非常に興味深い。

DOGMANも犬たちも凶悪犯ではない。
普段はひっそりと生活している。
せいぜい金持ちから盗むのと
犬を使った恐喝くらいだ。
恐喝だって助けて欲しいと言われ脅しただけだ。
相手が凶悪でマシンガンと手下を引き連れて
仕返しにやってきたので応戦したまでだ。

幼少期の父親の虐待やマフィアがマシンガンを持って
報復しに来る様子はバイオレンスだなと思うけど
音楽や歌やメイクやドレスで色んな人生を生きている彼は
感受性豊かで優しさ切なさと美しさを
織り交ぜたようだと感じた。

リュック・ベッソンは女性に強いこだわりを
持った映画が多いが、
今回は女装した男性だけど
感受性と美しさは表現されていたと思う。

あらすじは、
ある夜、一台のトラックが警察の検問で止められた。
運転席にはマリリンモンローのようなプラチナブロンドに
ピンクのドレスとお揃いの長い手袋をして
血だらけの男性が優雅に煙草をふかす。
そして荷台には数十匹の犬が乗せられていた。
逮捕された男は両足が不自由で車椅子に乗っていた。
拘置所にやってきたのは黒人女性の精神科医。
男は自分の半生をゆっくり語り始めた。

驚いたのはケイレブ・ランドリー・ジョーンズ35歳だ。
女装がすんごい似合ってる!もうびっくりした。
中年男性はここまで化粧とウィッグで化けるのかと思った。

つい最近彼が主演している「ニトラム」という映画を観た。
発達障害を抱えていて周囲となじめず、
花火や爆竹を鳴らしまくったり騒ぎを起こしたりして
周囲からMARTINの名前を逆から読んだ
「ニトラム」と呼ばれ馬鹿にされてきた。
最後は銃乱射事件を起こしてしまうと言う話しだったけど、
同じ人だと分からず全然雰囲気が違うなーと感心した。

久しぶりに味のあるリュック・ベッソンの映画を観た。
配信するまで待つかもう一度観に行くか悩むところだ。


今日も読んでいただいた方ありがとうございます。

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