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伝説のつるぎ 大熊健司
2023年7月30日 00:04
小学生の頃は休み時間になる度に校庭に出てドッジボールやサッカーに勤しんだ。中学、高校に上がると、運動部に入る者はそれなりに体を動かしていたが、文化部や帰宅部の者は徐々に運動と疎遠になっていく。それでもまだ体育の授業があるうちは花だ。大学生になるとより動かさなくなり、でもまだ学生ということもあって体を動かす機会がなくもなかろう。しかし社会人になると、そうはいかない。忙しい仕事の合間を縫って
2023年7月23日 00:33
土曜日。普段であれば各々用事があってなかなかみんなが家にいることは無かったが、この日はいつもとは違った。というのも、この週末は大学入学を機に上京していた春道(はるみち)が帰ってきていたからだった。「クリスはちゃんと会うのは初めてだったよね?紹介するね、私の兄の春道。」「初めまして、大桃春道です。」「はじめまして、私はクリスです。大桃さんにはいつもお世話になってます。」「ご丁寧にどうも。な
2023年7月16日 00:01
「でもすっかり元気になったみたいでよかったよ。」 俊作は大河が入れてくれたコーヒーをクッと飲んだ。「いや本当に、ありがとう。」 大河は深々と頭を下げた。「頭なんか下げるなって。」「いや、感謝してもしきれないよ。」「まあまあ。」「でも、こんなことにはなったけど、俺はやっぱり花華が好きだし、ふー姫が大好きなことには変わりないから、これからも応援していくよ。」「おお。まあ、大河がそれでい
2023年7月9日 00:07
「なんか今日は嬉しそうだね。」「そりゃあそうよ。前回の授業で跳び箱が終わったんだから。」 勇樹は声高らかに言った。「本当、最高だよね。」 英一も満面の笑みで同意した。「でもそう言えば、今日から何やるか言ってなかったよね。」「そうだなあ。でもまあ、跳び箱より嫌なことなんてなんもないから安心しろって。」「いや、安心というか、僕はそもそも不安になってないんだけど。」 陽介は手を横に振りな
2023年7月2日 00:05
ひとしきりプレゼント選びに奔走した三人だったが、最終的に英一が選んだのは初めから目星をつけていたネックレスだった。「いやあ、でも納得いくプレゼントが見つかって本当良かったね。」ショッピングモールのベンチに座りながら、陽介は自動販売機で買ってきたコーラを飲んだ。「まあ、俺たちは何もしてないけどな。」勇樹も同じくコーラを飲みながら呟いた。「それは、そうだけど。」「そんなことないよ。二人が来