見出し画像

フランスの「 おもてなし 」を知る。

 フランス語で誰かを呼ぶときの敬称は「Monsieurムシュー○○」とか「Madameマダム○○」というのが一般的だと思います。
 イギリスを含むヨーロッパ圏の空港や飛行機の中でも、私は「マダム」と呼びかけられることが多かったので、今はわりと広い地域で言われている敬称なのかもしれません。


***


そして先日の行ったフランスで、興味深いやり取りを見ました。


 これは何度か書いているフランスでのこと。
講演会の進行をされていたフランスの方が、講演会を終えたこの記事でも紹介した日本の方にMerci beaucoupありがとうございます, 〇〇さん」とか、「○○さん、~」という感じで、日本語の敬称を使って呼びかけをしていたのです。


 今まで「ありがとうございます」「こんにちは」などの挨拶を、呼びかける人の母国語にするというのは、幾度となく見てきました。
 来日する映画俳優なども「こんにちは~!」とか「日本の皆さん愛してます」とかよく言っていますよね。


 でも、敬称まで変えるの初めて見たので「お?」と思いまして。
そのことを夫に話すと、最近は相手の国や文化に敬意を払うために、挨拶だけでなく、相手の母国語の敬称を使って呼ぶとか相手の国の慣例に基づいた礼儀作法を用いるということがあるそうで。

 そのため、日本人のゲストを迎えるのであれば、日本語の挨拶はもちろんのこと、日本語の敬称で相手を呼んだり、1対1の挨拶でも西洋風の握手やフランスならビズ(頬を合わせる挨拶)ではなく、日本風の頭を下げるお辞儀をしたりすることで「あなたの国の文化を尊重しています」という意味も込めることになるのだそう。


 相手の文化を尊重するには、まず相手の文化を知らないとできません。
つまり、相手の国の慣例に基づいた挨拶などをすることで、相手の文化を理解しているという意味にもなるし「学んだ上で迎えている = 丁重に迎えている = 大切に思っている 」という姿勢を示すことにもなるのでしょう。


 それを言われて思い出したのですが、日本からドイツへ来るときに乗った飛行機でも、CAさんに丁寧なお辞儀をする白人男性を見かけました。
 丁寧な人だなーと思って見ていたのですが、相手を尊重していることを示す行動だったのかもしれません。


 その後の食事会での徹底的に会話を盛り上げようとする姿勢や、めちゃくちゃ偉い方なのに、ゲストで来ていた私を含む日本人のためにタクシーの手配や、帰るホテルを運転手さんに伝えておいてくれたり。
 お土産としてその土地で有名なお菓子などを全員に用意してくれたり、ずっと展示会に来るまでにやり取りしていた人には別にワインを用意していたり。


フランスのおもてなし力半端ない!!!

 海外でこんなにしっかりとしたおもてなしを受けたのが初めてだったので感動しきりです。
 日本は「 おもてなしの文化 」がすごいとよく言われていますが、フランスの「 おもてなし文化 」もすごい……と思ってしまいました。


 もちろんビジネスの場でのやりとりなので、今後の関係構築のため……というのもあるのでしょうし、国民性だけでなく展示会の運営者さんたちのサービス精神が旺盛だったというのもあるのでしょうが……それを感じさせないおもてなし力でした。本当にすごかった。


 私も「 おもてなし力 」をもっと磨こうと思ったのでした。

サポートしていただくと、たぶん食べ物の記事が増えます。もぐもぐ。