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千葉雅也『センスの哲学』読後メモ

千葉雅也『センスの哲学』読後メモ

昨日、千葉雅也『センスの哲学』を台湾‐福岡の機上で読み終わったので、ここにメモを残す。

現代の「作品」は、フィールドワークなどを通して個別のコンテクストを拾い上げることに重きが置かれるし、作品の土台にある権力勾配について無自覚であってはいけない…というような昨今の「常識」に対して、旧来のマウント的な〈ツッパリ・フォーマリズム〉(しかしこのネーミングには単なる批判ではなくユーモアと敬意を感じる)で

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幸福の三大要素

幸福の三大要素

長文ファンの皆様おはようございます。

私は幸福の三代要素を

「没頭」

「つながり」

「意味」

だと考えています。

伝統宗教と呼ばれるものはこれらの要素を兼ね備えているのでは、という仮説を持っています。教えの中核というより、日常の生活様式の中に心の平穏を保つ要素があったのではないでしょうか。

まず「没頭」です。どの宗教にも祈りや、坐禅などの瞑想が存在します。瞑想の定義はいろいろあるよう

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ヘタな自分に、どうやって耐えるか

ヘタな自分に、どうやって耐えるか

「スケッチは上手く描けない時期が必ずあるんです。ヘタな自分に耐えないと、上手くはならないんですよね」
先日我が家に訪れた、大学でスケッチを教えるプロダクトデザイナーの檜垣 万里子さんがそうおっしゃった。

その時、私はピーンときた。料理も同じだ。

最初の頃は上手くできない。おいしくない時もあるし、焦がしちゃうこともある。日持ちすると思っていたものが意外と早くダメになってしまい、泣く泣く捨ててしま

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いまぼくは、遅い仕事がしたい

いまぼくは、遅い仕事がしたい

いま話題のChatGPT等の生成系AIの話を耳にすると、その度にどうにも受け入れがたい拒否反応が起きる。

とはいえ、いまの時代を生きるひとりの人間として、一応知っておきたいという気持ちが無いわけではない。なので、ものが分かっていそうな人の解説動画を見たりはするのだけれど、その訳知り顔に途中から辟易としてきて見るのをやめてしまう。

いま起きているAI技術の進化は、ホワイトカラーの仕事の多くを奪う

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新聞テレビが信じられないと思ったときに読む文章

新聞テレビが信じられないと思ったときに読む文章

「インターネットが問題というが、テレビも新聞も信じられない」といったご意見をいただきました。メディア内部で一生懸命やっている方もよく知っているので、私の意見はそれなりにありますが、情報が偏向しているという指摘は間違いではないと思います。

私は社会に真実を伝えている媒体がないことが問題なのではなく「どこかに真実を伝えられる媒体がある」と信じてしまうことが問題だと思っています。

友人の方の娘さ

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薄まらないものを握ることが戦略ではないか

薄まらないものを握ることが戦略ではないか

長文ファンの皆様おはようございます。

戦略を考える時「薄まらないものを握る」のが重要だと考えています。私は個人の人間なので個人でできることで考えてみます。

社会には薄まりやすいものがあります。例えば通貨、情報などでしょうか。物質的なものや情報は、供給可能なので、金や土地などを除いて薄まりやすいのだろうと思います。

何かが広がることは、自然と薄まることだとも考えられます。例えばSNSの参加者が

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「再現性のない若年期での成功体験」がもたらす負の影響

「再現性のない若年期での成功体験」がもたらす負の影響

「再現性のない若年期での成功体験」がもたらす負の影響について今日はお話しします。

成功体験そのものは人に自信をもたらしてくれるので良いものだと思います。ただ、人生の早い時期に、偶然手に入れてしまった成功はその限りではありません。

例えば「20代でなんらかの形で成功した」人がいるとします。最高の気分でしょう。その高揚感の中で「成功は難しくない」という認識が生まれることがあります。

しかし、成功

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会社やめてアフリカで10億円の前澤ファンド通過した話

会社やめてアフリカで10億円の前澤ファンド通過した話

こんにちは、なつめぐです。
コロナで先行き不安な2020年いかがお過ごしでしょうか。

ぼくも完全に自粛モードで、ここ数日間一歩も外出せずに家で料理とZoomで打ち合わせばかりの日々です。

こんな状況の中ですが、10億円の出資を得られるチャンスがある元ZOZO前澤さんのファンド「前澤ファンド」を通過しました!ありがとうございます!

「通過」と言っても書類でまだ先があるので、まだまだなのですがと

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「私が変わるべき」か、それとも「そのままの私」でいいのか

「私が変わるべき」か、それとも「そのままの私」でいいのか

長文ファンの皆様おはようございます。

教育も、コーチングも、カウンセリングも、ケアも、励ましも、すべてコミュニケーションの中に内包されており、通常はこれらの境目がありません。

この中でとくに「教育」と「ケア」の境目が興味深いと思っています。「人を変える」と「人を癒す」であり「自分を変えて欲しいか」「自分を肯定して欲しいか」の境目です。

自己啓発本も「あなたを変える方法」と「そのままのあなたを

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2024年、それぞれの人にとってのキーパーソン

2024年、それぞれの人にとってのキーパーソン

ここ最近、お仕事とプライベートで久しぶりに人と会って、2~3時間話して、ものすごい満足感や安堵感を得たんですよ。「人と会って話すのは良いなぁ」なんて、しみじみと感じたのです。

でも、同時に、やっぱり僕自身が年齢を重ねてきて、20代とか30代の前半ぐらいまでの「人と会って話すことの性質」がですね、自分自身の中で変化したことも強く感じました。

すごく変なことを言うようなのですが、

「昔と比べて、

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走りながら考える必要がある状況では「ゴール」もわからない。でも、ついつい「ゴール」を決められないリーダーを責めたくなる。

走りながら考える必要がある状況では「ゴール」もわからない。でも、ついつい「ゴール」を決められないリーダーを責めたくなる。

オーセンティックワークの中土井さんから聞いた話を自分の理解のためにざっくりまとめる。興味がある人は、この研修に行くべきだ(私も行く!)。そうすれば、この記事のようなふわっとした内容ではなく、言葉の定義や論理がしっかりした説明を聞くことができる。

「ゴール」としての指針、「問い」としての指針ここでは「うんうん、ゴールがわからない仕事もあるよね」ぐらいでよい。

「ゴール」はリーダーもわからないと頭

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「お年玉でホクホク」の子に親が伝えるべきこと

「お年玉でホクホク」の子に親が伝えるべきこと

###この投稿は、筆者が東洋経済オンラインに投稿した記事を一部変更して転載しております###

「お年玉は貯金しなさい」はもったいない

お年玉は、今も昔も子どもにとっての一大イベント。
クリスマスでも誕生日でも、プレゼントをもらえるイベントは他にもあるが、お金をもらえるイベントはお年玉以外にはない(もしかすると、靴下にお金を入れてくれるサンタクロースもいるかもしれないが)。

ある調査によると、

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アイデアが死ぬとき。

アイデアが死ぬとき。

アイデアは大切だ。なぜかと言えば、閉塞した状況を打開する力があるからだ。

「アイデアというのは、複数の問題を一気に解決するものである」

これはマリオの生みの親であり、現在、任天堂の代表取締役フェローをされている宮本茂さんの言葉だが、僕の知る限りもっとシンプルなアイデアの定義だと思う。

さて問題はここからだ。仕事でアイデアが求められるとき、多くの人は知恵を絞って中身や表現を考える。それと比べて

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