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#経済

『働くことの人類学』ー現代社会に疲れた人に読んでほしい良書

『働くことの人類学』ー現代社会に疲れた人に読んでほしい良書

昨年知人が奨めていた、『働くことの人類学』(松村圭一郎、コクヨ野外学習センター 編)[2021.6.29]を読んでみました。良い本でした。

世界中のいろんな民族の働き方について、研究者の対談とかが10個くらい載っています。普段どっぷりつかっている価値観とは全然異なる価値観に触れることができます。彼らはそれを「当たり前」として生活しています。

現代社会がなんか生きづらいとか、息苦しいとか漠然と思

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ブランディングは資本主義社会に人間性を回復する(たぶん)

ブランディングは資本主義社会に人間性を回復する(たぶん)

 思いつくままに書いたらやたら長くなってしまいましたが、一言でいうと、

「ブランディングは、資本主義社会に人間性を回復する、新しい価値交換の形を生み出しているんじゃないかしら」

ていうことです。

* * * * *

 資本主義のシステムは現代社会では当たり前の現実であり、それ以外のあり方があろうとは夢にも思われない(数十年前までは、共産主義がその別の「あり方」になり得るのではないか、と夢想

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呪文の役割を現代的に考える~トロブリアンド諸島の呪文を題材に

呪文の役割を現代的に考える~トロブリアンド諸島の呪文を題材に

 呪文というと、現代日本人は次のようなものを思い浮かべる。

 少し古いものだと、

エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!

とか。最近だとファンタジーによくありそうな、

炎の精霊よ、我にその力を示せ!

とか、そんな感じである。

 しかしこのような呪文はおそらく、「かなり高度に発展した形態」だと思われる。より原始的な形態の呪文は、「イメージトレーニング」に近い形だったの

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