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体験談2

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経験をシェアして被害を最小限に&必要な支援に繋がれば。
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#熊本地震

『被災地で起きたペットのはなし~シーズーのガンちゃん編~』

『被災地で起きたペットのはなし~シーズーのガンちゃん編~』

 このはなしは、ある大地震の被災地で起きたペットにまつわる出来事である。

13歳になるシーズー犬のガンちゃん(仮名)は、30代の娘とその母親とともに、一軒家で暮らしていたが、地震によって家は全壊し、住む場所を失った。

 母娘はガンちゃんを連れ、ひとまず親せきの家に身を寄せたが、いくら親せきとはいえ犬連れで押しかけるような状況に、肩身の狭い思いをしていたことは想像に難くない。
 ケガこそなかった

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震災について思うこと:余震の恐怖

震災について思うこと:余震の恐怖

【震災描写あります:閲覧注意】

今日また、大きな揺れが熊本でありました。

震度5強

私が、阪神大震災の時経験した揺れと同じ

タンスの上にあるものが落ちてきて
本棚が倒れ、本が降り注ぎ
やっとの思いで這い出して

隣の部屋の弟は、タンスの下敷きに

狂い叫んで、助けようとしたら
10センチのすき間に助けられていて
するすると自力で這い出て
へなへなとへたりこんだ記憶

寒くてふたりくっついて

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【特集】「熊本地震」被災日記(6)~真の復興に向かって~

【特集】「熊本地震」被災日記(6)~真の復興に向かって~

物流やインフラは徐々に復旧し、熊本の人々は次第に元の生活を取り戻しつつあった。それにともなって避難所の役割も終わろうとしていたが、その後の生活の見通しが立たない人が多いのも現実だ。被災者が自立していくためには根気強く、長い目で見た支援が必要だと感じる。しかし「本当の復興」とは、どのようにしたら実現できるのだろうか。私自身が被災者として、ボランティアとして、この「熊本地震」と共に生活してきた日々を振

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熊本県益城町広安小学校七夕祭り 主催の高校生の想いと自分の想い

今回イベントをやりたい!と言った高校生がイベント前に語った想いです。

避難所の方々を少しでも笑顔にしたいと言う想いからの行動です。

この想いに心動かされました。

今回のイベントは、前回お邪魔させていただいた益城町の文化会館の方からのご紹介でした。

学生の子が七夕祭りをやりたいと言っているからと。

自粛されるのが当たり前の現状で、避難所の皆の笑顔になればとの想いです。

もし、イベントをす

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【特集】「熊本地震」被災日記(5)~「一時避難」のその先に~

【特集】「熊本地震」被災日記(5)~「一時避難」のその先に~

震災から2週間以上が経過した5月初旬、熊本の街や道路、人々の生活は徐々に元に戻り始めた。

しかし、いまだに余震が一日に30回前後起こっており、避難所ではまだ多くの人々が不自由な生活を強いられている。

今週はゴールデンウィークということもあり、私は再び避難所へ支援に行くことにした。

5月2日(月) 避難所生活の終わりが近づく

この日、私は避難所となっている市内のある公共施設に来た。

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【特集】「熊本地震」被災日記(4)支援活動で笑顔が戻る、復興への兆し

【特集】「熊本地震」被災日記(4)支援活動で笑顔が戻る、復興への兆し

月21日木曜日、最初の地震から一週間が経った。

このころになると、食糧品や生活用品などの物資だけでなく、さまざまな支援が始まっていた。

この日私が支援にやってきた小学校では、理学療法士やヨガの講師が訪れ、エコノミークラス症候群を防ぐために、体操や近くを歩き回って運動をするよう促した。

別の小学校では、ボランティア団体が子ども向けに絵本の読み聞かせをしたり、おもちゃや落書き帳を使って子どもたち

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【特集】「熊本地震」被災日記(3) 避難所スタッフも皆「被災者」

【特集】「熊本地震」被災日記(3) 避難所スタッフも皆「被災者」



被災生活5日目、問題も多様に

自分が”被災者”になり、避難所で生活することなど、ほぼ全員が初めてのことだ。

だから避難所においてはさまざまなトラブルが起こった。

私が最初に訪れた小学校では支援物資の配布についてもめていた。

校長先生、教頭先生、町内会長、PTA会長、ボランティアスタッフが集まり、届けられた支援物資をどのように配分するか話し合っていた。

「……では、このように配分したい

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