107.人の作品を勝手に加工したり、修正しないでほしい!
35・著作者人格権って何ですか?
Q35 子どもが撮影した写真が動物のポスターコンクールで入賞しました。子どもは大喜びでしたが、出来上がったポスターを見てがっかりとしていました。それはデザイン編集の問題なのでしょうか、元の写真と違っていました。いくら子どもの写真とはいえ修整する場合はせめて確認が必要と思うのですが…。主催者側に問い合わせたところ、「入賞作品の著作権は主催者に帰属する」と記載してある通りデザイン上の処理のためトリミング(修正)をしたといいます。これはこのままで良いのでしょうか?
A 最近のコンクール、コンテストなどに共通している条件として、「入賞作品の著作権は主催者に帰属する」という一文があります。
これは、著作者が著作権を主張できないようにするための方法の一つです。
以前はコンクール等に投稿した場合、入賞作品だけでなく、「すべての投稿作品は主催者に帰属する」と記載されていたようですが、入賞しなかった著作物(作品)を本人が自由に使用できなくなる恐れがあるため、「入賞作品…」と限定するようになりました。
しかし、著作権は譲渡しても、作品には「著作者人格権」という権利が残されています。
それは、「著作者に許可なく勝手に改変してはならぬ」という法律で、著作者自身の一身属性のもので、著作権は譲渡できたとしても、「著作者人格権」は譲渡できないことを示しています。これを「同一性保持権」といいます。
小さな子どもであったとしても、お年寄りであったとしても、人の創作したものすべてに残されている「人格権」です。
この人格権は、「何人も他人を傷つけてはならない」「人の創った著作物(作品)」を勝手に修正したり、改変したりしてはならないという意味です。
ですから、広報上、印刷上、改変や修正が必要であったとしても、無断で変えてはなりません。コンクール等の主催者は、必ず本人の必可を得なければならない。
ネットトラブル対策編
36・日常生活の中でのネットの防犯知識
Q36 これから子どもたちにはケータイやネットの危険性を伝えたいのですがどのように言えばいいのかわかりません。子どもたちだけでなく親である私たちにも危険に巻き込まれる可能性があると思います。「さわらぬ神に祟りなし」というように触れなければ安全だと思いますがケータイの機能はとても便利なもので必要不可欠の時代だと思います。どうしたらいいのか教えてください。
A ネットの世界だけではなく、悪い人は世の中にたくさんいます。
私たちの子ども時代を想いだしてください。
家を出るときは必ずカギをかける。
火の元を確認する。
知らない人に声かけられたら逃げなさい、着いて行ってはいけない。
知らない人からものをもらってはいけない。
人の品物やお金を盗んではいけない。
人に何かをお借りした、らきちんと返しなさい。
何かを頂いたら親に報告しなさい。
変なものは食べてはいけない。
危険な場所に行ってはいけない。
車には気をつけなさい。
人に怪我をさせないように気をつけなさい。
と、誰もが教わってきました。
ケータイやネットを使うツール (道具)があるかないかだけの違いで、ケータイを使用するためのルールを学ぶことは、車や自転車で事故を起こさないためのルールと同じだと考えるとわかりやすいかもしれません。
ケータイの「パスワード」は、「玄関のカギ」です。
ケータイは一定時間操作をしなければ、その画面は消えます。再起動するための電源を入れれば誰でも開けることができ、勝手に開かせないための暗証番号もあります。
暗証番号を入れることによって、「起動ロック」や「操作ロック」と呼ばれるカギが開きます。
子どもに限らず、ケータイを失くしたり、他人が勝手に悪用したりする恐れのある場合、ロック(カギ)をかけてあれば、勝手に利用できないので安全です。
ロックを設定していない人は、玄関のカギが開きっぱなしの状態と同じですから、特に子どもたちのケータイには最低限必要な安全対策です。
まずはケータイ(カギ)を持たせるわけですから、まずそこから注意していくべきです。
37・知らない人とは接しない
Q37 子どもたちはフェイスブックやSNSで楽しみながら遊んでいます。なかでも初めて知り合う友だちであっても、趣味が合ったりするとすぐに溶け込み、簡単に友だちになります。町行く見知らぬ人には声もかけることができないのにネット上だとお互いの顔(性格)などもわからないためか安心しきっているように思います。どうしたら良いでしょうか?
A お互いの顔がわからないから安心…。
とても怖いことです。
相手も怖いかもしれませんね。
互いがわからないから安心…?
ちょっと変ですよね。
「私は友だちができません。でもフェイスブックを始めたら大勢の友だちができて、とても嬉しく思います」という人が大半かもしれません。
メールやフェイスブックでは、相手がどんな人なのかよくわからないため、実際に会ってみたら、それまでのイメージとは違い過ぎ、会わなければよかった…、などという人もいます。
「ネットの世界」と「リアル(現実)の世界」は、まるで違うということを理解する必要があります。
「実際に会ったときのあなたが本物なの?ネット上のあなたが本物なの?」と言う人がいますが、どちらも本物であることは間違いありません。
「ネットの世界」は本音で言いたいことを言えて、実際に会った場合は本音を言えないという人も多くいます。
いくら本音が話せる世界だからといって、本当の姿を見せている人がどのくらいいるのでしょう。
男女関係などがよい例かもしれません。
きつい言い方をすれば、お互いが引いてしまいます。
脅かしたりすれば、会う気など起こりません。
乱暴な言葉を放つ人に誰もが会おうとは思わないでしょう。
それで互いが理解しあって、分かり合うというのは不可能でしょう。やはり、「リアルの世界」でこそ、互いの本当の姿がわかるものです。「ネットの世界」は、互いがいい顔ができる作られた世界でもあるからです。
特非)著作権協会です。みなさまごきげんよう!
ある、選管(選挙管理委員会)で選挙の候補者の写真を候補者から預かり、広報物に掲載しました。
これはどこの地域も同じですが、候補者の顔写真、プロフィール、公約やメッセージをそれぞれ均等のスペースに入れて新聞折り込み等や市町村等で配布する厳格なものです。
しかし、ある候補者から「著作権侵害」「肖像権人格侵害」だと、その選管が訴えられました。
最終的には示談、和解となりましたが物議を醸しだしたトラブルでした。
では、そのトラブル内容とは、どんなものだったのかといえば、まず、候補者の差し出した写真に対して「候補者の写真のトリミング」したことでした。
これは、どの選管や広報関係でも行われていることですが、今回はそれとは様相がまるで違いました。
では、何が違うのか、というと、候補者の頭の部分をトリミングによってカットしてしまったことでした。
その理由は他の候補者と顔の大きさを統一するため、平等にするために行ったトリミングでした。
しかし、候補者にしてみれば「勝手に人の写真を改変」したことと、「頭の部分を切り取った」ことで人格まで傷つけられたといいました。
たしかに良く見れば他の候補者と統一した大きさの顔写真ですが、一部の候補者の方々は髪の毛の一部分がカットされていたのです。
そこで写真に対する「著作権侵害」(勝手に改変してはならない)と「肖像権侵害」(人格を著しく傷つける行為)として候補者は選管を訴えたのです。
でも、これは確かに選管のミスです。
改変することを事前に確認、相談することは当たり前のことですが、それを怠っていたミスといえるでしょう。調べてみましたら、ほとんど選管任せで今までクレームがついたことがなかったといいますが、他人の肖像を扱うことには一般も選管も同じ必ず許可が必要となりますね。
最終的に話し合い、和解して良かったと思います。
いじめにあって悲しくなったり、
死ぬことを考えるほど困ったりしたら
〈24時間いじめ相談ダイヤル〉 0570-0-78310(電話)
自殺対策支援センター ライフリンクhttp://www.lifelink.or.jp/hp/link.html
全国どこからでも、夜間・休日を問わず、いじめ等の悩みを相談できます。
A ネットトラブル相談窓口リンクがあります。次の連絡先を保存し自分の「お気に入り」に登録しておけば、困ったとき、トラブルに巻き込まれたときの相談先になるでしょう。
■警察庁:インターネット安全・安心相談
http://www.npa.go.jp/cybersafety/
■各都道府県別相談(サイバー犯罪)
https://www.npa.go.jp/cyber/soudan.htm
■文部科学省
「24時間いじめ相談ダイヤル」 0570-0-78310
http://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm
■総務省電気通信消費者相談センター
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/madoguchi/tushin_madoguchi.html
■法務省 人権侵害の窓口
http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_chousa.html
■インターネットの人権相談
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200808/3.html
相談できる内容:インターネット人権相談受付、みんなの人権110番など、人権相談窓口があります。インターネットによる人権侵害のほか、様々な人権問題についても相談を受け付けています。
■インターネット人権相談受付窓口
パソコンからの相談はこちら / 携帯電話からの相談はこちら
■全国共通人権相談ダイヤル(みんなの人権110番)
電話:0570-003-110(ゼロゼロみんなのひゃくとおばん)
最寄りの法務局につながります。
■子どもの人権110番(フリーダイヤル)
電話:0120-007-110(ぜろぜろななのひゃくとおばん)
「いじめ」や虐待など子どもの人権問題に関する専用相談電話です。
■女性の人権ホットライン
電話:0570-070-810(ゼロナナゼロのハートライン)
女性の人権問題に関する専用相談電話です。
■内閣府
児童虐待、いじめ、ひきこもり、不登校についての相談窓口
http://www8.cao.go.jp/youth/soudan/map.html
■国民生活センター
相談できる内容:消費生活全般に関する苦情や問い合わせ。高額請求、ネット詐欺など
■JADMA通販110番
http://www.jadma.org/DM110/index.html
相談できる内容:通信販売のトラブル全般
■違法・有害情報相談センター
相談できる内容:インターネット上の違法有害情報相談窓口
■迷惑メール相談センター
http://www.dekyo.or.jp/soudan/
相談できる内容:迷惑メール全般
■セーフライン/一般社団法人セーファーインターネット協会
■通報フォーム
https://www.safe-line.jp/report/
できる事:違法・有害情報を通報→場合によっては削除
■インターネット・ホットラインセンター http://www.internethotline.jp/
相談できる内容:インターネット上の違法・有害情報の通報受付窓口
■一般財団法人インターネット協会 http://www.iajapan.org/hotline/dantai/1-039.html
相談できる内容:インターネットのルール&マナーに反すると思われること ■著作権情報センター/著作権相談室 http://www.cric.or.jp/counsel/index.html#soudan
相談できる内容:著作権全般
■web100
■google情報削除の通報フォーム
https://support.google.com/websearch/troubleshooter/3111061?hl=ja
検索結果から削除してもらう場合の通報フォームです。必ず削除されるとは限りませんし、元のサイトの情報はそのままです。元サイトが削除されなければ、さらなる情報拡散もあり得ます。
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