【DX】人間不要?ニューノーマルなAIコールセンターシステム
こんにちは!
インテック 金融デジタルソリューション部 2年目の モエノ です。
新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから2年ほどたち、IT技術は今まで以上に私たちの生活に欠かせない存在となってきましたね。
例えばコロナ禍で身近になったテレワークやテレビ会議をはじめとする働き方の変化は、IT技術なくしては成り立ちません。
このような急激な社会情勢の変化の中で、これまでITを取り入れていなかった分野でも新しい提案ができるのではないか?と考えました。
「ITで、社会の願い叶えよう。」
そんな思いから本記事ではAIを活用した「コールセンターでの問い合わせ自動対応システム」についてご紹介しようと思います!
そもそも「コールセンター」とは
と定義(※1)されています。
(※1 :weblio辞書 国語)
https://www.weblio.jp/content/コールセンター
コールセンターをAI化するにあたり、「IT投資」という観点で言えばどれだけ業務負荷軽減に効果があるのでしょうか?
また、AIは顧客からの複雑な質問に対してもプロ並みの受け答えができるのでしょうか?
さまざまな疑問が浮かぶと思いますが、これからひとつずつご説明していきます!
1.コールセンターの現状
コールセンターで働いている方に、普段どのような問い合わせがあるのかを聞き、現状の課題を聞いてみました。
その結果
・簡単な操作方法
・FAQに記載されていること
といった
"サイトをひと目見ればわかる簡単なこと"
"説明文に記載されていること"
等の単純な問い合わせがほとんどとのことでした。
つまり電話をかけてくる大半の顧客は説明を見る前にまずは電話で聞けば良いと思い、コールセンターを頼ります。
もちろんこのような簡単な問い合わせに対して丁寧に答えることも
コールセンターの重要な役割ではあります。
しかし
・複雑な問い合わせに対応できる貴重な人員が拘束されてしまう(人員のコスト)
・各問い合わせはすぐに対応が完了するにもかかわらず、それぞれの問い合わせで報告書をまとめる時間が必要となる(時間のコスト)
といった課題があるのも事実です。
では、簡単な問い合わせをAIが電話口で自動対応してくれたらどうでしょうか?
コールセンターの担当者は複雑な問い合わせに集中し、そこで受けた問い合わせのみ報告書を作成すればよいため、かなりの省力化が図れそうです!
2.コールセンターのAI化に必要な技術
「"人間"がコールセンターで問い合わせに答える」という行動を分けて考えてみると
となります。
では「"AI"がコールセンターで問い合わせに答える」ときはどのように実現したら良いでしょうか?
まず、一つ目に「会話の内容を理解する」についてです。
"AI"が会話の内容を理解するためには、
ことが必要です。
一つ目の「音声をテキスト化する」については、当社内でも「Amazon Transcribe」というツールの活用実績があります。
"Amazon Transcribe"とは、自動で文字起こしができるAWSのサービスです。自動音声認識の技術で、音声ファイル・動画ファイルなどの文字起こしや、会議などでのリアルタイム文字起こしに活用できます。
また、他のAWSサービスと連携することで、顧客の傾向分析、動画字幕のローカライズなどを行うことができます。
"ローカライズ"とは、ある国を対象に作られた製品を、外国でも使用できるように、外国の言語に対応させることです。
精度が高い上、語彙フィルタを作成することで不適切な単語や不要な単語を文字起こしから削除することも可能です。
次に、「読み取ったデータの内容を解析する」についてです。
データを解析するためには、「Dataiku」、「Tableau」というツールを使用します。
"Dataiku"とは、企業がさまざまなデータを分析し、その結果を活用した機械学習モデルの運用管理まで行えるAI・機械学習のプラットフォームのことです。
すなわち既存のデータから、データの背景にあるルールやパターンを機械的に学習し、未知の結果を予測することができます。
Dataikuについて詳細について知りたい方は下記の当社サイトをご覧ください!
株式会社インテック ホーム > 技術基盤 > 最新技術への挑戦 > 研究紹介 > AI
"Tableau"とは、表現のきれいさや操作性に特化したBIツール(※)の一種です。
※ BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール
蓄積した膨大なデータを、「収集・分析・加工」し、エンジニアやデータ・アナリストといった専門家でなくてもデータを加工・レポート作成・分析を行うことができるツール
ここまででやっと「"人間"がコールセンターで問い合わせに答える」行動のうち、「①会話の内容を理解する」が実現しそうですね!
音声をテキスト化や解析ツールの詳細については以下記事をご覧ください!
分かりやすい説明があります↓
それでは次に「②適切な回答を提示する」についてです。
"AI"が適切な回答を提示するためには、
ことが必要です。
ひとつめの「解析データから導かれる回答を挙げる」については、上記で述べたツールを活用します。
コールセンターでの問い合わせ内容を蓄積していき、これらのツールが分析を実行し結果として適切な回答を提示することができます。
ふたつめの「回答を音声データで利用者へ提示する」については 「Amazon Connect」を利用します。
"Amazon Connect"とは、AWSが提供しているクラウドプラットフォームのことでIVRやCTIといった機能を兼ね備えています。
"IVR"とは、音声によって自動で応答する装置のことです。
"CTI"とはコンピューターと電話の機能統合や、それによって得られる高度なサービスのことです。
例えば、企業の電話窓口において発信者の電話番号から自動的に顧客データを検索することといったことができます。
このツールを使用することで、ここまで解析してきたデータを「音声」として顧客へ届けることができそうです。
「"人間"がコールセンターで問い合わせに答える」行動のうち「②適切な回答を提示する」ができました!
3.コールセンターのAI化が実現した世界
このような技術によってAIが受け答えをする世界ではどのような仕事の流れとなるのでしょうか。
まず、顧客からコールセンターへ問い合わせがあります。
その問い合わせ内容をテキスト化した情報を読み取り、内容の理解をします。
内容理解をした後は、その問い合わせ内容に関連性のありそうな回答を何種類か提示します。その中に自分が求めている答えがある場合は該当回答を選択し、問い合わせを終了します。
提案された中に想定していた答えが無い場合は人間のオペレーターへとつなぎ、対応してもらいます。
その後、新たな選択肢を回答としてデータの蓄積していくことで、コールセンターとしての質を向上させることができます。
図にまとめると以下のフローとなります。
そうすることで、"サイトをひと目見ればわかる簡単なこと"、"説明文に記載されていること"に関してはAIが担当し、複雑な問い合わせに対しては人間のオペレーターが担当する、と分業することができそうですね!
そして、現状の課題である人員のコスト・時間のコストの無駄を解決し、有効活用することができます。
4.さいごに
今回紹介した音声データを分析する技術は、今回紹介したコールセンター以外のさまざまな問い合わせの場面で再利用可能な技術だと思います。
インテック社員の一員としてAIをうまく活用し、より良い社会や世界を目指していきます!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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