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書いたり描いたりしています。 青二才です。

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記事一覧

老いる

今日も、仄かな死に纒われている。 すこしずつ、身体を蝕み、生を奪っていく。 心臓が重くのしかかる。 離れていく心と身体。 それを、老いと言うのだろうか。

nomon
5か月前
1

回想

陽だまりの中に、あなたの面影を探す事もなくなった。いけないことのように思えて、仕方がない。 あなたのいない風景は、とても寂しい。でも、戻れない、帰れない。 あなた…

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1年前
3

好きを書く︰バンド編

好きなことやものは歳月の移り変わりによって流動的に変わっていくのが一般的なように思う。それでも今好きなものを自分の思うがままに楽しめる時代や環境にいられるのが嬉…

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1年前
20

フィルム

焼きついて、離れない 遠い昔の記憶 「私のこと聞いてくれるひととしかいたくない」 「なにもかも捨てて、2人で行きましょう」 「どこへ?」 「なんにもないところ」 「それ…

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1年前

本の記憶、ただそれだけ

太宰治の「斜陽」 国語の文章題で初めて出会い、惹かれ、読んだ。 辞書にあった斜陽の説明。 「前半は没落した貴族の家族の話、後半はその貴族の娘が革命に燃える話。」 な…

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1年前
2

生きていていいと言ってくれるのは、最終的には自分しかいない
結局のところ、私たちはひとりぼっちだ

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1年前
2

ミュンヒハウゼン

装って、偽って、 誰にも悟られないように 見て、見て、 優しいぬくもりを、はだを、言葉を、 もう一度、もう一度、 飽きるまで、尽きるまで わたしのこと (分からない) (…

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1年前
2

おとしもの

瞼を濡らして、同じ記憶にとらわれる。 時間に置いていかれる。 柔らかいエーテルに沈んで、そのまま、そのまま。 月が綺麗だなんて。 あなたの眼に、わたしは映っていない…

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1年前
2

かみさま

今にも忘れてしまいそうな、遠い昔の風景。 わたしのそばには、いつもかみさまがいた。 それが、母たちの温もりだったのか、柔らかな陽の光だったのか、もう定かではない。…

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2年前
7

映写機

ここは、深呼吸が追いつかない時の流れ。 包まれるように、夜に呑まれていく。 音もなく、沈んでしまえ。 誰にも気づかれないような深いところへ。 手首の傷は、お手製だ。…

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2年前
2

やりばのない、

分かっているよ。 自分がどれだけ愛されているか。 どれだけ恵まれているか。 分かっている、 分かっている。 それでも、この世界をどうしようもないものに感じてしまうの…

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2年前

404(ERROR)

だめだ もう かたちを たもって いられない かんたんに 消えてしまえる あわいきせつの うつろいも みえなく なって (ああ) なんの ために ぼくは いきて (いきていた?) そ…

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2年前

そうしつ

失われていく わたし ことば きおく 昔の話 時の流れに 置いていかれた わたしの 自堕落 古傷を抉ろう そして 痛みに 安心して 泣こう 窒息してしまった この体は、誰のも…

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2年前
1

おもいもの

すばらしい言葉 愛 救い 靄のかかった頭 飛行機 失ったもの テスト 約束 見返り いのち 手紙 期待 本 僕 君 薬箱 家 注射 指輪 なきがら 心が必死に持ち上げていたからだ …

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2年前
2

あたまのなかのかけら

ある種の弱さを優しさにすり替えて生きている。静寂に包まれた騒がしい満員電車。 花が咲くのは、いつも昔話。わたしたちは、今を生きているのにね。 脳髄でから回るモータ…

nomon
2年前
6

老いる

今日も、仄かな死に纒われている。
すこしずつ、身体を蝕み、生を奪っていく。
心臓が重くのしかかる。
離れていく心と身体。
それを、老いと言うのだろうか。

回想

回想

陽だまりの中に、あなたの面影を探す事もなくなった。いけないことのように思えて、仕方がない。
あなたのいない風景は、とても寂しい。でも、戻れない、帰れない。
あなたを感傷の材料にする自分が憎い。
ごめんなさい。
何度言っても尽きない言葉。
あなたの返事をもらうことはきっと無理だろうけれど、声が、命が枯れるまで言いたい。
ごめんなさい。そして、私に新しい景色を、あなたのやわらかい笑顔を、見せてくれて、

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好きを書く︰バンド編

好きを書く︰バンド編

好きなことやものは歳月の移り変わりによって流動的に変わっていくのが一般的なように思う。それでも今好きなものを自分の思うがままに楽しめる時代や環境にいられるのが嬉しい。

前置きはさておき、今回は私の好きなバンドをご紹介出来ればと思っています。

好きなバンドその①︰People In The Box

2005年に結成され、今年5月10日には最新アルバム「Camera Obscura」が発売された

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フィルム

フィルム

焼きついて、離れない
遠い昔の記憶
「私のこと聞いてくれるひととしかいたくない」
「なにもかも捨てて、2人で行きましょう」
「どこへ?」
「なんにもないところ」
「それは」
「この世には無いわ」

遠い遠い春に、あなたがいた。

それでもまだ
私の春は遠いままだ

本の記憶、ただそれだけ

本の記憶、ただそれだけ

太宰治の「斜陽」
国語の文章題で初めて出会い、惹かれ、読んだ。
辞書にあった斜陽の説明。
「前半は没落した貴族の家族の話、後半はその貴族の娘が革命に燃える話。」
なるほど。と思う。
「前半は、美しい家族の描写。没落も美しさに拍車をかけている。後半は、革命のことばかりで、美しさに欠ける。」
誰かが、そう書いていたのを、思い出す。

彼の文章は、繊細で、時に暴力的で、魅力的で、美しい。
ただ、そう思う

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生きていていいと言ってくれるのは、最終的には自分しかいない
結局のところ、私たちはひとりぼっちだ

ミュンヒハウゼン

ミュンヒハウゼン

装って、偽って、
誰にも悟られないように
見て、見て、
優しいぬくもりを、はだを、言葉を、
もう一度、もう一度、
飽きるまで、尽きるまで
わたしのこと
(分からない)
(じぶんでも)
(なぜ?)
(どうして?)
(やさしさに、依存したのね)
(誰も止められない)
わたし
(あなたが)
(変われば)
(すべて良くなるわ)
もう
もどれない
(あなたは)
(誰よりも)
傷つくのが、こわい
(それは、や

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おとしもの

おとしもの

瞼を濡らして、同じ記憶にとらわれる。
時間に置いていかれる。
柔らかいエーテルに沈んで、そのまま、そのまま。
月が綺麗だなんて。
あなたの眼に、わたしは映っていないわ。
君は、君が思っているよりずっと、やさしくて、儚い。
思い出せなくなった記憶に、君はいた。
助けるにはあまりにも頼りない手を、差しのべて。どうか。
一緒に踊ろう。その手で。

かみさま

かみさま

今にも忘れてしまいそうな、遠い昔の風景。
わたしのそばには、いつもかみさまがいた。
それが、母たちの温もりだったのか、柔らかな陽の光だったのか、もう定かではない。
ただ、やさしく、包み込むような、それでいてすうっと冷たい。
そんな気配がいつもわたしの周りを覆っていた。
霊感、あるいは子どもの時にしか視えないようなものの類いなのかも知れないが、わたしはその気配をかみさまだと思っていた。
かみさまの気

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映写機

映写機

ここは、深呼吸が追いつかない時の流れ。
包まれるように、夜に呑まれていく。
音もなく、沈んでしまえ。
誰にも気づかれないような深いところへ。
手首の傷は、お手製だ。
散り散りになってしまった。
数打ってもあたらない、
とりとめのない言葉。
時間を喰い潰していく。
(あなたが招いたことなのに)
淡い思考だけがうごめいて、止まってしまう。
嫌悪に浸る。
自分自身を嫌うことに、安心している。
(もう戻れ

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やりばのない、

やりばのない、

分かっているよ。
自分がどれだけ愛されているか。
どれだけ恵まれているか。
分かっている、
分かっている。
それでも、この世界をどうしようもないものに感じてしまうのは、なぜだろう。
ブルーライトに呑まれて、誰かがこの鼓動を止めてくれるのを待っている。
ただ、終わりのない状況と状況の組み合わせが降りかかるのが、たまらなく怖いんだ。
明日を怖れるのも、今日を恨むのも、全て自分のおかげだというのに。

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404(ERROR)

404(ERROR)

だめだ
もう
かたちを
たもって
いられない
かんたんに
消えてしまえる
あわいきせつの
うつろいも
みえなく
なって
(ああ)
なんの
ために
ぼくは
いきて
(いきていた?)
そんざいの
しょうめいと
かちが
どこにもない
みんな
ぼくみたいに
かんたんに
消えてしまえれば
いいのにね
そうすれば
きっと
もっと

楽だ

そうしつ

そうしつ

失われていく
わたし
ことば
きおく
昔の話
時の流れに
置いていかれた
わたしの
自堕落
古傷を抉ろう
そして
痛みに
安心して
泣こう
窒息してしまった
この体は、誰のもの?
壊してしまえ
沈んでしまえ
心ごと
二度と浮き上がれぬように
海に放り出してしまえ
そして
忘れてしまえ
生きていたことを

おもいもの

おもいもの

すばらしい言葉

救い
靄のかかった頭
飛行機
失ったもの
テスト
約束
見返り
いのち
手紙
期待



薬箱

注射
指輪
なきがら
心が必死に持ち上げていたからだ

おもいをのせて、おもくなる。

あたまのなかのかけら

あたまのなかのかけら

ある種の弱さを優しさにすり替えて生きている。静寂に包まれた騒がしい満員電車。
花が咲くのは、いつも昔話。わたしたちは、今を生きているのにね。
脳髄でから回るモーター、止まる言葉。
痛みも今では、どこか他人行儀。
日が昇る前の青白い空気に、だれかわたしを溶いてはくれないかしら。