芸人時代に死ぬ程キツかった仕事"ガキ使バス"

元よしもと芸人の人生

2023年7月6日 19:01

本日は芸人時代に死ぬほどキツかった仕事の
お話をします。

たかが、仕事のない若手芸人に来る仕事なので
もっと大変な思いをされてる方はいると思いますが、そこは暖かく見てください。

芸人時代、毎年7月〜９月まで
日テレのイベントで
【ガキ使バス】の仕事を頂いておりました。

年末の【笑ってはいけない】で
実際に使用されたバスに
一般の方が乗車して日テレ周辺を一周し
各停留所に止まると
若手芸人が出てきてネタをする。

乗車するお客さんが
それで笑ってしまうと
本物のケツバット隊が出てきて
ケツバットの罰を受けると言う

【笑ってはいけない】を
実際に体験できるイベントだ。

これを当日は1人500円で体験できた、
スーパー人気イベントだ。

ただ、、

これがしんどい。。

理由①長期のスケジュール休み無し

７月〜9月の３ヶ月間
休みなしで毎日スケジュールを押さえられる。

休みは一切無しだ。

朝7:00に日テレ入り
夜19:00 終了

これを毎日だ。
7:00入りとはいえ、実際には若手芸人なので
30分前には局に入らないと行けない。

それに合わせていかないと行けないので
朝は毎日5:00起き。

さらに、
19:00に終わるとはいえ
そこから劇場の出番があったり

ライブの深夜稽古があったり
ネタ作りなどもあるので
ほぼ朝から夜中3時くらいまではフル稼働。

毎日睡眠時間は2時間程度で
これを毎日だ。

8月末くらいから
頭がおかしくなってた記憶がある。

理由② 現場での若手芸人の雑な扱い

若手芸人はとにかく扱いが雑。
ゴミカスの様な扱いだ。

イベントは
担当の停留所があり、
基本はそこに待機して
バスが来たらそれに乗り込みネタをする。

1日に大体20回くらいネタをする。

売れっ子芸人が
1日にライブを詰め込まれて
声が出なくなる位たいへんと言われるのが
1日10ステージ

僕らは1日20ステージあった。

売れてない若手芸人にとって
ありがたい話だが
これを毎日３ヶ月間だ。

10月には酒焼けみたいな声になっていた。

ステージの合間の待機の場所も
人間としての扱いではない。

待機場所が有名なホテルの屋外の駐車場に
テントが張られて、そこに丸イス２つ。

みなさん分かってますか？

時期は7月〜9月です。
地獄の暑さです。
テントの中は40度を超えていて

有名なホテルなので
変な格好をした芸人が外でウロチョロしたら
ダメと言われたので
30分間はスーツ姿でその40度超えのテントの
中にいないといけないのです。

水も途中で買いに行けません。

バスが来てネタをする時は
汗でびっちょびちょです。
お客さんもネタより汗の異常さに引いてましたね。

ただ、さすがに
お昼はそのテントに
お弁当が2個用意して貰えます。

まぁ40度超えのテントの中に
半日放置されているので腐ってますが、、

理由③ お客さんが笑わない

これは僕達の実力不足もありますが

基本的には、
笑ってはいけないバスなので
お客さんは笑うのを我慢してます。

ダウンタウンさんなどの
本番のメンバーは
笑わないようにしてる風に見せますが
笑い所ではしっかり笑って
番組として盛り上げる技術を使われてます。

しかし、一般の方はそうではありません。

本当に笑わない。
意地でも笑わないので
劇場で爆笑を取ってるいつものネタをしても
ガキ使バスではだーれも笑いません。

40度のテントから、
ようやく解放されたと思いきや
別の地獄が待っていました。

9月頃には頭おかしくなって
サングラスを付けた厳ついお客さんに

「サングラス外せや！怖いんじゃお前！」

という、怖いもの知らずの
変なイジり方をしていました。

もちろんウケません。

理由④ ギャラ

こんな超絶ハードな仕事なので
その分お給料も潤うと思うでしょう。

ただ、残念。
我が社はよしもとクリエイティブ・エージェンシー。

この仕事の僕らの取り分は

1日1.500円です。

15.000じゃないです。

1.500円です。

びっくりでしょう？

更にこの1.500円を相方と折半です。
なので、1人750円です。

ちなみに日テレまでの交通費は
往復1680円です。

大赤字です。
ちなみに、よしもとは
交通費は出してくれないので自腹です。

スケジュール的に３ヶ月間バイトもできない。
むしろ出費の方が多い。

そうなると借金しかありません。

この仕事のせいで
毎年借金が、すこーしづつ増えていきました。

ちなみにこの少ないギャラも
6ヶ月後とかに振り込まれるので

忘れた頃に臨時収入みたいな形で
入ってきます。

これが、当時のよしもと流だったのです。

まぁ、こんな大変な仕事でしたが
場数はたくさん経験させてもらいましたし

テレビ関係の人との
関係性もできて、別の番組の
オーディションにも呼んで頂いたりしたので

結果的には、
やってよかったなと思ってます。

大変な経験からも
何か得たモノを探せば

なんだってプラスの経験になります。

そんなことを教わった
【ガキ使バス】ありがとう。

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