見出し画像

おじいちゃん、お客さんのおばちゃんとディープキスして大事件


「いやぁぁぁぁああああ!!!!!!」

母の絶叫は家の中を通り越して
近所中に響き渡る。

母の目の前には
おぞましい光景が広がる。


高校3年の冬

友人との遊び終わり夜の21時頃に
家に帰宅した。

当時の僕の家族構成は、
母、小学2年生の弟、小学5年生の妹
おじいちゃんと僕との5人家族。

家の1階で居酒屋をやっており
店の奥の部屋がリビングで
2階が各々の部屋だったりする。

リフォームも仕立てであり
割と綺麗で大きめの家ではあった。

友人との遊び終わりで
楽しかった余韻に浸りながら家のドアを開けると

そこには発狂している母がいた。

「いやぁぁぁぁああああ!!!!!!」

母の絶叫は家の中を通り越して
近所中に響き渡る。

母の目の前には
おぞましい光景が広がる。

ベロベロに酔っ払っている
おじいちゃんが椅子に座り
そしてその膝に見た事もない50歳くらいの
おばさんを乗せて
ドラマばりのディープキスを繰り広げている。


ちょ、待てよ。
俺の心のキムタクが出た。

なんだこの状況は。

おじいちゃんは当時83歳だ。
お年寄りのディープキスなんて初めて見た。
しかもキスしながら腰に手を回してる。
なんなら、ちょっとおっぱいも揉んでる。

叫んでる母の横には
小学2年生の弟が母の足の裾を掴み
隠れる様に母にくっついて怯えている。


唖然として棒立ちする僕をよそに

ディープキスをしている2人に再び叫ぶ

「あんたら何してねん!!!」

ディープキスをしている相手のおばさんが
おじいちゃんの膝の上に乗りながら
発狂する母に言う

「チューしとるんや!!」

お見事。
何も言い訳せずに事実だけを主張してきた。

おばさんと言っても綺麗なおばさんではない。
しっかりと年齢通りの見た目の
少し膨よかで歯並びもガチャガチャな
野良犬の様なおばさんだ。


そこから母と野良犬おばさんは
ヒートアップ。

母も持ち前のヒステリックを出し
野良犬おばさんも負けじと野良犬ばりに吠える。


ただ、可哀想なのは弟だ。

大人のディープキス、

いや、老人と初老のディープキスを
見させられた上に
お母さんと知らないおばさんが
怒鳴り合いをしている。

半泣きで怯えている弟を見て
これはいかん。と思い
僕は怒鳴り合いしている2人の間に入る。

あくまで冷静にだ。

制止に入った僕に野良犬おばさんが
母と喧嘩している勢いで僕にも怒鳴る。

「関係ないやろお前!引っ込んでろ!!」

酔っ払いの戯言だ。
無視だ無視。
その思いとは裏腹に

「うるさいんじゃお前!!調子乗ってたらしばき回すぞ!!!」


僕はキレちゃった。

僕だって18歳の多感期な時期だ。
そのまま怒鳴りながら野良犬ババアに詰め寄り

近くの椅子など蹴飛ばし
これ以上無いくらい威嚇してやった。

ちなみに、僕は当時
180cmで体重は70kg
スポーツはバスケもやっていたので
そこそこガタイも良く金髪だった。

さすがにそんな大男に怒鳴られて
びびったのか、
「すいません、ごめんなさい、、」

と、泣き出してそそくさ店を出て行った。

店のドアを開けて
振り返ったと思ったら野良犬ババアが口を開く


「バーーーカ!!」


悪口の引き出しが
小学生で止まってるいるのか?

キレッキレのバーカを繰り出されて僕は

「なんじゃおらーーー!!」

と、追いかけようとし瞬間


バチンっ!!!

後ろから乾いた音が聞こえる。


追いかけるのを止め
音の方に振り向くと


母がおじいちゃんをビンタしている。

キレッキレのビンタだ。
野生の熊が川のシャケを狩るスピードで
母がおじいちゃんの頬を振り抜く。

空気が張り詰めた。

重い空気の中、
母がおじいちゃんに初めて口を開ける

「こんな小さい子の前でなにしてんの」


そりゃそうだ。
100%お母さんが正しい。

小さい子の前でディープキス
お客さんと不純行為
しかも見られていても止めない

おじいちゃんは全部間違えてる。

これはさすがに反省してるかと思ったとき
おじいちゃんが小さい声で言う


「やかましい」


これは想定外だ。
まさか攻撃してくるとは思わなかった。


これはさすがに僕も腹が立ち
おじいちゃんの手元に置いてある

ビールが半分くらいまだ残ってる
ジョッキを持ち、
おじいちゃんに思いきりビールをかけた。

僕は何も言わず、おじいちゃんを睨みつける。

僕は自分のした事の重大さをわかって欲しかった。
反省して欲しかった。

ビールをかけられて黙ったままのおじいちゃんは
空のジョッキを握りしめて
僕の目をじっと見ながら真っ直ぐな目で言った。


「おかわり」


お、おかわり、だと?
ちょっと笑いそうになった。

クレイジー過ぎる。
なぜ僕が2杯目を汲みに行くと思ったんだ。


なぜそんな堂々と言えるんだ。

アルコールで思考回路が可笑しくなるのは
分かっているが
これは思考回路がおかしいなども問題じゃない。

回路の問題ではない。
回路の元が完全におかしい。

これ以上何を言っても無駄だと思い
お母さんも僕もそのまま自分の部屋に戻った。

ベットに寝転び僕は思った。
絶対お酒は飲まない。

それから大人になった今も僕はお酒を飲まない。

DNA的に酔っ払ったら
誰かにディープキスをしてしまうかもしれない。

そんな学びをくれた、おじいちゃん。

ありがとう。

野良犬ババア、ありがとう。


□おすすめ記事



#お笑い芸人 #ビジネススキル #吉本
#お笑い #若手芸人 #人生 #自伝 #体験談
#コミュニケーション #ビジネス #経験
#武勇伝 #お笑い論 #人生経験

#お笑い芸人エピソード
#父親からの虐待体験
#ウエディングプランナーエピソード
#破天荒なおじいちゃん
#おじいちゃんの思い出
#ヤンキーデビュー失敗談
#お笑い芸人の裏話
#虐待からの克服ストーリー
#ウエディングプランナーの舞台裏
#おじいちゃんとの特別な瞬間
#ヤンキーデビューの挫折
#お笑い芸人の笑えるエピソード
#虐待体験からの成長
#ウエディングプランナーの裏側
#おじいちゃんとの楽しい思い出
#ヤンキーデビューの教訓
#お笑い芸人の裏舞台
#虐待体験を乗り越える勇気
#ウエディングプランナーの成功談
#おじいちゃんの驚くべき行動
#ヤンキーデビューの反省点
#お笑い芸人の苦悩と成長
#虐待体験からの回復ストーリー
#ウエディングプランナーの感動エピソード
#おじいちゃんとの感動の瞬間
#ヤンキーデビューの挑戦と挫折
#お笑い芸人の笑いと涙の物語
#虐待体験からの再出発
#ウエディングプランナーの奮闘記
#おじいちゃんとの不思議な思い出


この記事が参加している募集

おじいちゃんおばあちゃんへ

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?