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新聞社説を比べてみましょう―広島G7・G20サミットに対する見解を探求して、国際社会についての見方を養いましょう。

こんにちは就活モチスキゼミの
山内康義(やまうち やすよし)です。

5月21日にG7、G20広島サミットが閉幕しました

昨日5月22日の新聞各紙の社説は、広島サミット一色になりました。

社説とは
事実を伝える報道記事とは異なり、
新聞社が主張するオピニオン(意見、見解)記事です。

そこで、
今回は新聞各社が主張するスタンスについて、検証してみましょう。

その特徴として、
日本の国柄や文化、伝統を重んじて、外交・安全保障、領土問題について
ナショナリズム色の保守系新聞(産経新聞、読売新聞)と
平和主義、改憲反対のリベラル系新聞(朝日新聞、毎日新聞、東京新聞)、さらに中間系新聞(日本経済新聞)の立ち位置で主張しています。

この度の広島サミットについて、
所見(私見)を申し上げれば、G7、G20で「世界の抑止と対話」を
確認しあうことができたと考えます。

「抑止」とは、核に対する抑止、覇権主義に対する「抑止」です。

「対話」とは
大国が新興国・途上国に上から目線ではなく「グローバルサウス」の立場を理解して、協力関係を築こうとすることでしょう。

さらに
ロシア、中国のまったく独自の世界観で固まってしまっている指導者に対して、世界各国が協調しながら「対話」することも確認できたと考えます。

さて、

各社の論調について比べてみましょう。


●朝日新聞の主旨は

●朝日新聞の主旨は広島サミットについて一定の評価をしている。

G7が「グローバルサウス」と呼ばれる
新興国や途上国との関係づくり
「国際社会を分断と対立ではなく、協調に導く」を支持した。

そして、アジア唯一のG7メンバー国として、
主要国と新興国・途上国、さらに中国を結びつける役割に、
より本気で取り組むことを望み、
「きしみが目立つ国際社会の枠組みを再生する努力に、
より主導的に関与しなければならない。」と主張していました。

●毎日新聞の主旨は

●毎日新聞の主旨は
「中露を批判するだけでは解決しない。ほぼすべての国が加盟する核拡散防止条約(NPT)でG7が自ら軍縮に動く必要がある」と説く。

米英仏がまず、
単に先行して軍縮するから、中ロも続いてほしいという論法は、
覇権主義で、独裁的な国家に通じるのか疑問です。

●東京新聞の主旨は

東京新聞の主旨は
「岸田文雄首相をはじめG7首脳に「核なき世界」に本気で取り組む覚悟があるのか疑わしい。
(中略)核に限らず軍縮を再び軌道に乗せるのは容易でないとはいえ、
ウクライナ戦争もいずれ終息する。
G7は先を見据えて中ロとの対話を途切れさせず、共存を図らねばならない。緊張緩和を進めて不毛な軍拡競争の流れを変えることが全人類の利益にかなう。」(傍点は筆者が付ける)としている。

傍点の「いずれ」とは、いつまでを想定して書いたのだろうか?

核使用をちらつかせて全世界を不安におとしめしているロシアに対して、
ウクライナの人々のたくさんの命を奪っている戦争を辞めさせること、
ウクライナ領土から撤収させることが、難しい状況の中で、
いかに早期終結させるか、まさにゼレンスキー氏がいま、勝負に出て、
世界各国に協力を呼び掛けている最中に不用意な言葉と映ります。

●日経新聞の主旨は

●日経新聞の主旨は
「G7には1年3カ月に及ぶ戦争の出口を探る外交努力にも力を入れるよう求めたい。国際会議の場も活用し、ロシアの指導層との対話の機会を増やしていくのは選択肢の一つだろう。
首相は記者会見で、G7以外の招待国の首脳も含め「法の支配に基づく国際秩序を守り抜くことが重要とのメッセージを出せた」と明らかにした。
グローバルサウスの首脳ともこの点で一致できたのは進展だ。

ゼレンスキー氏は、
被災した広島の様子について「被害を受けたウクライナの様子と重なった」と話した。核の脅威にさらされている国家の指導者の心境は、広島の人たちと共鳴する部分が多かったのではないか。

先に原爆資料館を訪れたG7や核保有国のインドを含む招待国の首脳は、
機会あるごとに被爆の実相を目の当たりにした思いを率直に国民に語ってほしい。
それが国際的な世論を喚起し、「核兵器のない世界」への道筋を切り開くに違いない。」(傍点は筆者が付ける)

日経新聞は
広島サミットの成果を認めて、更なる発展を望んでいる論調である。
権謀術策の国際政治のなかで、
「実相」を目の当たりにした思いを率直に伝えて世界の人々の心を動かすことは緊要と思えました。

●読売新聞の主旨は

●読売新聞の主旨は
「世界の主要国とウクライナの首脳が一堂に会して、ロシアの侵略からウクライナを守り、国際秩序を維持する決意を示した意義は大きい。
これを国際社会の結束につなげたい。
ウクライナは、ロシアに占領された領土の解放を目指し、大規模な反転攻勢の開始に向けて大詰めの準備を進めている。
反撃が成功すれば、ロシア軍の撤収による停戦や、ウクライナの領土の回復につなげることが期待できる。
逆に、成果が乏しければ米欧などの支援疲れを招き、侵略がさらに長期化しかねない。

G7首脳は、
ロシアにウクライナからの即時・無条件の撤収を求めることを柱とした首脳声明を発表した。
ロシアに武器を供給する第三国に支援の停止を求め、従わない場合は「深刻な代償」が伴うと警告した。

岸田首相は閉幕後の記者会見で、
「G7とウクライナの揺るぎない連帯を世界に示すことができた」と強調した。日本は今年1年間、G7の議長国である。サミットで役割が終わったわけではない。折に触れ、オンラインで首脳会合を開くなど、指導力を発揮せねばならない。」

読売新聞も広島サミットが「抑止と対話」の道筋をつけたことを評価して、これからの日本の指導力に期待しています。

●産経新聞の主旨は

●産経新聞の主旨は
「世界の平和と秩序の維持のため、今後、ウクライナ支援の強化などを
通じ、結束の固さを証明していくべきだ。それにはG7議長国の日本も殺傷力を持つ兵器の提供を実現するときである。

各首脳の原爆資料館視察が実現し、「広島ビジョン」は核軍縮を促した。

核の脅威から諸国民を現実的に守る重要性についても語られるべきだった。核兵器不使用の機運を高めることは重要だが中露、北朝鮮が「核兵器のない世界」の実現に協力するとは極めて考えにくいからだ。

中露、北朝鮮は核戦力強化を急いでいる。核の惨禍を避けるために、
G7側が核抑止態勢を整えざるを得ない点を岸田文雄首相らG7首脳は正直に説くべきだった。」(傍点は筆者が付ける)

産経新聞は、
政府が防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を改定し、殺傷能力を持つ武器を輸出することを、中国の太平洋進出に対するアジア諸国と共同行動するためと同様にウクライナへの武器供与を容認すべきと主張しています。

G7のなかで唯一の隣国に位置する国は、
北方領土と隣り合わせている日本であることを考えると、どこまで踏み込むべきか、今後の外交戦略について、慎重に読み取る必要がありそうですね。

それでは、5月22日付新聞各社の社説について、掲載します。
皆さんも、見比べながら、国際社会についての見方を養い、世界のあるべき姿を探求していきましょう。

※日経新聞に感謝。
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ご精読、どうもありがとうございます。
毎日コツコツ進めていきましょう!
就活モチスキゼミコーチ 山内康義

●朝日新聞<社説>

(社説)広島サミット閉幕 包摂の秩序構築につなげよ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

毎日新聞<社説>

社説:国際秩序とG7 平和創出にこそ指導力を | 毎日新聞 (mainichi.jp)
 

●東京新聞<社説>

<社説>広島サミットを終えて 国際秩序立て直し図れ:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

●日本経済新聞<社説>

[社説]「広島」をウクライナ和平への転機に - 日本経済新聞 (nikkei.com)

●読売新聞<社説>

社説:サミット閉幕 国際秩序守る強い決意示した : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

●産経新聞<社説>

【主張】広島サミット閉幕 秩序の維持へ結束示した ウクライナ支援の強化図れ - 産経ニュース (sankei.com)


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